九州交響楽団の第272回定期演奏会に当日券目当てで行きました。
3階には結構空席が目立つ。音響的には一番いいんですけどね。
本日の演奏会は、いわゆる名曲定番演奏会ではありませんでした。
「ブラームスへのオマージュ」と題し、ブラームスの曲を色々なアレンジで聴くというものです。
最初の曲は、ブラームスのオリジナルによる「大学祝典序曲」作品80
これは、「大学受験ラジオ講座」のテーマ音楽として有名な一節のあるポピュラーな曲。
全曲聴いたこともあるのだが、今日生で聞いてみて改めて、ふ~ん、こういう楽想だったんだ、と思うこと仕切り。
フィナーレに至る盛り上がりはなかなかのものでした。
指揮は、広上淳一 さん。
2曲目は、ブラームスのオリジナルは「ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40」を、ミロス・ボック氏(1968年生まれ38歳)の編曲により「ホルンとヴァイオリンとオーケストラの協奏曲」にした曲の本邦初演。
「ホルン三重奏曲」としては、比較的ポピュラーな曲であり、私が一時ホルンを吹いていたこともあって(今も所持はしている)、聴き慣れたものでした。
ミロス氏は現代の作曲家ですが、編曲は極めてオーソドックス。ピアノ部分を配分良くオーケストレーションしたという感じでした。
ホルン・ソロは、現在ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者のラデク・バボラーク(1976年生まれ)。ここをクリック
高い音も硬直することなく、柔らかく滑らかな響き。言い換えになるが、ソフトで美しい音でした。
第3楽章アダージョ・メストなどはあまりの美しさに睡魔が度々襲ってきます。
編曲者のミロス・ボック氏はソリスト、ラデク・バボラークの友人だとのこと。
休憩を挟んで、後半の曲は、ブラームスのオリジナルでは「ピアノ4重奏曲 第一番 ト短調 作品25」で、これをウィーン楽派の巨匠シェーンベルク氏が編曲した管弦楽版。
12音・音楽の技法を確立した巨匠シェーンベルク氏が、敬愛するブラームス師匠へのオマージュとして、大編成の管弦楽に編曲したもの。
なお、時代背景は、
ブラームス(1833-1897):ハプスブルグ家の王制終幕に当たる時期。
シェーンベルク(1874-1951):二つの世界大戦とナチズムが象徴する時期。
ユダヤ系のシェーンベルクは、ナチスの台頭を嫌ってアメリカに亡命。
このように、時代背景が全く異なる二人ではありますが、ブラームスが亡くなった年に、シェーンベルクは20代前半ですから、時代は繋がっているのです。
そのシェーンベルクが亡くなったのは第二次大戦後ですから、我々の父母の時代と又重なっているのです。
そう考えると、ブラームスもそれほど昔の人ではないような気になります。
さて、そのシェーンベルク氏が編曲した管弦楽版ですが、シェーンベルク独特の音列(12音技法)は全く感じられない(もしかしてこっそり織り込んであるのかもしれませんが)解りやすい、そして聞かせどころも熱狂するところも、きっちり構成してある技巧派の演出です。
しかし、私には「背筋ゾクゾクッ!」という感動はありませんでした。
あえて言えば、ブラームスがモノクロ写真に凝縮した楽想を、『総天然色・シネマスコープ』というちょっと大時代的な比喩がふさわしいような、ギンギラギンの装飾を付け加えたような感じです。きらびやかで、にぎやかで、大音響で迫力満点なのですが、「ちょっと白けた~!」という感じでしょうか?
もっと言えば興醒め?
ブラボーも幾つか出ていましたが、私は拍手に留めました。
この原曲の「ピアノ4重奏曲 第一番」は、おそらく聴いたことがなかったと思います。全てのメロディーラインが初耳でしたので。
プログラムの解説にも、演奏される機会が少ないので、シェーンベルク氏がオマージュを創って聴衆の耳に触れる機会を増やそうとしたのではないか?との推測が書いてありました。
なお、アンコールは休憩前に、ホルンのバボラーク氏が今演奏した曲の一部をもう一度演奏するという形でした。
プラグラム終了後のアンコールは、ありませんでした。
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皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。
3階には結構空席が目立つ。音響的には一番いいんですけどね。
本日の演奏会は、いわゆる名曲定番演奏会ではありませんでした。
「ブラームスへのオマージュ」と題し、ブラームスの曲を色々なアレンジで聴くというものです。
最初の曲は、ブラームスのオリジナルによる「大学祝典序曲」作品80
これは、「大学受験ラジオ講座」のテーマ音楽として有名な一節のあるポピュラーな曲。
全曲聴いたこともあるのだが、今日生で聞いてみて改めて、ふ~ん、こういう楽想だったんだ、と思うこと仕切り。
フィナーレに至る盛り上がりはなかなかのものでした。
指揮は、広上淳一 さん。
2曲目は、ブラームスのオリジナルは「ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40」を、ミロス・ボック氏(1968年生まれ38歳)の編曲により「ホルンとヴァイオリンとオーケストラの協奏曲」にした曲の本邦初演。
「ホルン三重奏曲」としては、比較的ポピュラーな曲であり、私が一時ホルンを吹いていたこともあって(今も所持はしている)、聴き慣れたものでした。
ミロス氏は現代の作曲家ですが、編曲は極めてオーソドックス。ピアノ部分を配分良くオーケストレーションしたという感じでした。
ホルン・ソロは、現在ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者のラデク・バボラーク(1976年生まれ)。ここをクリック
高い音も硬直することなく、柔らかく滑らかな響き。言い換えになるが、ソフトで美しい音でした。
第3楽章アダージョ・メストなどはあまりの美しさに睡魔が度々襲ってきます。
編曲者のミロス・ボック氏はソリスト、ラデク・バボラークの友人だとのこと。
休憩を挟んで、後半の曲は、ブラームスのオリジナルでは「ピアノ4重奏曲 第一番 ト短調 作品25」で、これをウィーン楽派の巨匠シェーンベルク氏が編曲した管弦楽版。
12音・音楽の技法を確立した巨匠シェーンベルク氏が、敬愛するブラームス師匠へのオマージュとして、大編成の管弦楽に編曲したもの。
なお、時代背景は、
ブラームス(1833-1897):ハプスブルグ家の王制終幕に当たる時期。
シェーンベルク(1874-1951):二つの世界大戦とナチズムが象徴する時期。
ユダヤ系のシェーンベルクは、ナチスの台頭を嫌ってアメリカに亡命。
このように、時代背景が全く異なる二人ではありますが、ブラームスが亡くなった年に、シェーンベルクは20代前半ですから、時代は繋がっているのです。
そのシェーンベルクが亡くなったのは第二次大戦後ですから、我々の父母の時代と又重なっているのです。
そう考えると、ブラームスもそれほど昔の人ではないような気になります。
さて、そのシェーンベルク氏が編曲した管弦楽版ですが、シェーンベルク独特の音列(12音技法)は全く感じられない(もしかしてこっそり織り込んであるのかもしれませんが)解りやすい、そして聞かせどころも熱狂するところも、きっちり構成してある技巧派の演出です。
しかし、私には「背筋ゾクゾクッ!」という感動はありませんでした。
あえて言えば、ブラームスがモノクロ写真に凝縮した楽想を、『総天然色・シネマスコープ』というちょっと大時代的な比喩がふさわしいような、ギンギラギンの装飾を付け加えたような感じです。きらびやかで、にぎやかで、大音響で迫力満点なのですが、「ちょっと白けた~!」という感じでしょうか?
もっと言えば興醒め?
ブラボーも幾つか出ていましたが、私は拍手に留めました。
この原曲の「ピアノ4重奏曲 第一番」は、おそらく聴いたことがなかったと思います。全てのメロディーラインが初耳でしたので。
プログラムの解説にも、演奏される機会が少ないので、シェーンベルク氏がオマージュを創って聴衆の耳に触れる機会を増やそうとしたのではないか?との推測が書いてありました。
なお、アンコールは休憩前に、ホルンのバボラーク氏が今演奏した曲の一部をもう一度演奏するという形でした。
プラグラム終了後のアンコールは、ありませんでした。
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