また、NHKニュースの引用では、オバマ大統領は、「世界で唯一核兵器を使用した国として、道義的責任がある」と核兵器を使用した責任を明確に述べた。
ナチスやソ連の抑圧・迫害を受けたチェコ国民の前での演説であり、世界にも中継されており、この発言の意味は重い。
日本の被爆者団体は、歓迎を表明しているようだ。
実現に向けて幾つもハードルはあるだろうが、核兵器廃絶を最大の核保有国の大統領が表明することは意義のあることだと思う。
各核保有国は、この呼び掛けに応えて緊急な会談や対応を行い、条約として世界に約束して欲しいものだ。
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Barack Obama's full Prague speech (約30分あります)
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または、以下のリンクを御覧ください。
Obama's Prague Speech English part1
Obama's Prague Speech English part2
Obama's Prague Speech English part3
英語原文は、【TIME】記事 を御覧ください。
米大統領、CTBT批准など核廃絶に向けた包括構想を表明(トムソンロイター) - goo ニュース
2009年4月6日(月)12:54
[プラハ 5日 ロイター]
チェコを訪問中のオバマ米大統領は5日、プラハで演説し、包括的核実験禁止条約(CTBT)発効や核保有国による軍縮の推進などを柱とする核廃絶に向けた包括的な構想を明らかにした。
演説でオバマ大統領は「米国は、核兵器なき世界の実現のために、具体的な対策をとり始める」と述べ、核廃絶にに向け米国が主導力を発揮する決意を表明。「冷戦思考に終止符を打つために、米国は国家安全保障戦略における核兵器の役割を低減させ、他国にも同調を促す」と述べ、全ての核保有国に軍縮を呼びかけた。
ただ「こうした兵器が存在する限り、敵に対する安全な抑止力が存在する」と述べ、核兵器なき世界の実現は、自身の存命中には困難との見通しを示した。
また、1年以内に米国で、核安全保障に関する世界サミットを開催する計画を表明。核兵器原料の密輸防止や、核兵器がテロリストの手に渡らないようにする方策などを話し合うという。
オバマ大統領の演説の数時間前に、北朝鮮が「人工衛星」を搭載していると主張する長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射したことについてオバマ大統領は「今こそ、強い国際的な対処を打ち出すべきだ。北朝鮮は、脅しとルールに反する兵器により、安全と尊重は得られないことを認識するべきだ」と述べた。
また、北朝鮮は国連安保理決議に違反する行為を行ったため罰せられなければならないとの考えを示し、同国に対して検証可能な形で核兵器開発プログラムの廃棄を実施するよう促した。
米政府は、北朝鮮が主張する「人工衛星」打ち上げは「失敗した」と分析している。
一方イランに対しては、同国は核兵器および弾道ミサイル開発計画に終止符を打つか、国際社会で孤立を深めるかの2つの「明確な選択肢」に直面していると述べ、「イランからの脅威が存在し続ける限り、米国は費用効率が高く実効性のあるミサイル防衛(MD)システム導入に向け、計画を進める」と述べた。
ただオバマ大統領は「ミサイル防衛は万能薬ではない。特にまだ実効性が証明されていないミサイル防衛は万能薬ではない」との認識を示し「米政府は米国の国益と安全を守るための包括的な政策の一部としてのミサイル防衛システム導入は支持するが、同システムには、実効性があり費用効果が高いことが実証されなくてはならない」と述べた。
オバマ大統領の演説が行われたフラチャニ広場には約2万人の聴衆が詰め掛けた。
長崎の被爆者 「核超大国の変化期待」 オバマ構想を歓迎(西日本新聞) - goo ニュース
「一歩も二歩も前進」オバマ「核廃絶」演説で被爆者団体(朝日新聞) - goo ニュース
オバマ大統領、核廃絶に向けた演説詳報(朝日新聞) - goo ニュース
オバマ米大統領が5日、プラハで行った演説の主要部分は次の通り。
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米国は、核兵器国として、そして核兵器を使ったことがある唯一の核兵器国として、行動する道義的責任がある。米国だけではうまくいかないが、米国は指導的役割を果たすことができる。
今日、私は核兵器のない世界の平和と安全保障を追求するという米国の約束を、明確に、かつ確信をもって表明する。この目標は、すぐに到達できるものではない。おそらく私が生きている間にはできないだろう。忍耐とねばり強さが必要だ。しかし我々は今、世界は変わることができないと我々に語りかける声を無視しなければならない。
まず、米国は、核兵器のない世界を目指して具体的な方策を取る。
冷戦思考に終止符を打つため、米国の安全保障戦略の中での核兵器の役割を減らすとともに、他の国にも同じ行動を取るよう要請する。ただし核兵器が存在する限り、敵を抑止するための、安全で、厳重に管理され、効果的な核戦力を維持する。そしてチェコを含む同盟国に対し、その戦力による防衛を保証する。一方で、米国の核戦力を削減する努力を始める。
核弾頭と貯蔵核兵器の削減のため、今年ロシアと新たな戦略兵器削減条約を交渉する。メドベージェフ・ロシア大統領と私は、ロンドンでこのプロセスを始め、今年末までに、法的拘束力があり、かつ大胆な新合意を目指す。この合意は、さらなる削減への舞台となるものであり、他のすべての核兵器国の参加を促す。
核実験の世界規模での禁止のため、私の政権は、直ちにかつ強力に、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を目指す。50年以上の協議を経た今、核実験はいよいよ禁止される時だ。
核兵器に必要な材料を遮断するため、米国は、核兵器用の核分裂性物質の生産を検証可能な方法で禁止する新条約(カットオフ条約)を目指す。核兵器の拡散を本気で止めようとするなら、核兵器級に特化した物質生産に終止符を打つべきだ。
次に、我々は核不拡散条約(NPT)を強化する。国際的な査察を強化するために(国際原子力機関〈IAEA〉に)さらなる資源と権限が必要だ。規則を破ったり、理由なくNPTから脱退しようとしたりする国に、すぐに実のある措置をとる必要がある。民生用原子力協力のため、国際的な核燃料バンクを含む、新たな枠組みを作り、核拡散の危険を増すことなしに原子力利用ができるようすべきだ。
今朝我々は、核の脅威に対応するため、より厳しい新たな手法が必要なことを改めて思い起こした。北朝鮮が長距離ミサイルに利用できるロケットの実験を行い、再び規則を破った。
この挑発は、午後の国連安全保障理事会の場のみならず、核拡散を防ぐという我々の決意の中でも、行動が必要であることを際立たせた。規則は拘束力のあるものでなければならない。違反は罰せられなければならない。言葉は何かを意味しなければならない。世界はこれらの兵器の拡散を防ぐために共に立ち上がらなければならない。今こそ厳しい国際対応をとる時だ。北朝鮮は脅しや違法な兵器によっては、安全と敬意への道は決して開かれないことを理解しなければならない。すべての国々は共に、より強力で世界的な体制を築かなければならない。
イランはまだ核兵器を完成させていない。イランに対し、私の政権は相互の利益と尊敬に基づく関与を追求し、明快な選択を示す。我々はイランが世界で、政治的、経済的に正当な地位を占めることを望む。我々はイランが査察を条件に原子力エネルギーの平和的利用の権利を認める。あるいは一層の孤立や国際圧力、中東地域での核兵器競争の可能性につながる道を選ぶこともできる。
はっきりさせよう。イランの核や弾道ミサイルをめぐる活動は、米国だけでなく、イランの近隣諸国や我々の同盟国の現実の脅威だ。チェコとポーランドは、これらのミサイルに対する防衛施設を自国に置くことに同意した。イランの脅威が続く限り、ミサイル防衛(MD)システム配備を進める。脅威が除かれれば、欧州にMDを構築する緊急性は失われるだろう。
最後に、テロリストが決して核兵器を取得しないよう確保する必要がある。
これは、世界の安全への最も差し迫った、大変な脅威だ。核兵器を持てば、テロリスト一人で大規模な破壊行為が可能になる。アルカイダは核爆弾を求めていると表明している。我々は、安全に保管されていない核物質が世界各地にあることを知っている。人々を守るためには、我々は目的意識を持って直ちに行動しなければならない。
今日私は、テロリストなどに狙われうるあらゆる核物質を4年以内に安全な管理体制下に置くため、新たな国際的努力を始めることを発表する。これらの物質を厳重な管理下に置くため、新しい基準を制定し、ロシアとの協力関係を拡大し、また他の国との新たな協力関係も追求する。
核物質の闇市場をつぶし、移送中の物質を探知・阻止し、財政手段を使ってこの危険な取引を妨害するといった取り組みも強化しなければならない。こういった脅威は継続的なものであるため、大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI)や核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアチブ(GI)などを恒久的な国際機関に変えるべきだ。まずそのはじめとして、米国は1年以内に核管理に関する首脳会議を主催する。
こんなに広範囲な課題を実現できるのか疑問に思う人もいるだろう。各国に違いがあることが避けられない中で、真に国際的な協力が可能か疑う人もいるだろう。核兵器のない世界という話を聴いて、そんな実現できそうもない目標を設けることの意味を疑う人もいるだろう。
しかし誤ってはならない。我々は、そうした道がどこへ至るかを知っている。国々や人びとがそれぞれの違いによって定義されることを認めてしまうと、お互いの溝は広がっていく。我々が平和を追求しなければ、平和には永遠に手が届かない。協調への呼びかけを否定し、あきらめることは簡単で、そして臆病(おくびょう)なことだ。そうやって戦争が始まる。そうやって人類の進歩が終わる。
我々の世界には、立ち向かわなければならない暴力と不正義がある。それに対し、我々は分裂によってではなく、自由な国々、自由な人々として共に立ち向かわなければならない。私は、武器に訴えようとする呼びかけが、それを置くよう呼びかけるよりも、人びとの気持ちを沸き立たせることができると知っている。しかしだからこそ、平和と進歩に向けた声は、共に上げられなければならない。
その声こそが、今なおプラハの通りにこだましているものだ。それは68年の(プラハの春の)亡霊であり、ビロード革命の歓喜の声だ。それこそが一発の銃弾を撃つこともなく核武装した帝国を倒すことに力を貸したチェコの人びとだ。
人類の運命は我々自身が作る。ここプラハで、よりよい未来を求めることで、我々の過去を称賛しよう。我々の分断に橋をかけ、我々の希望に基づいて建設し、世界を、我々が見いだした時よりも繁栄して平和なものにして去る責任を引き受けよう。共にならば、我々にはできるはずだ。
朝日新聞 2009年4月5日23時14分