ちょっと目にした時は、『ニュース的』に装ったテレビドラマの番宣かと思った。
何しろ、最近この手の『別れさせ屋』を切り口にしたドラマが幾つか放映されていたから。
どのドラマだったか題名はちょっと覚えていないが、下記の朝日新聞記事と似たような手口だったと思う。
たとえば、【ハンチョウ】 もそのような背景が描かれていた。
検索すると、10年くらい前の 2001年に早くもそのままの題名「別れさせ屋」としてドラマ化されていたらしいが、私が見たのはその再放送では無くて新作の『ミステリーもの』の中だった。
で、下記の朝日新聞のニュースは、『ミイラ取りがミイラになった』典型と言える事件である。
簡潔に言うと、
(1) 「別れさせ屋」がある男から妻と別れるための工作を頼まれた。
(2) 工作員が、その妻に近付き、『不倫』関係をもった。
(3) これを証拠にして離婚裁判を起こして「別れさせ屋」の『工作』は成功した。
と、そこまでは順調だったが、
(4) 工作員はその後も交際を続け、その女性に嵌ってしまった。
(5) そのうちに、工作員であったことがばれた。
(6) 女性は愛想を尽かし、別れ話となった。
(7) 別れ話に逆情した男は、女性を殺害した。
女性の親兄弟は、「別れさせ屋」の存在や工作員の行動に激怒している。
という、ドラマ以上にドラマチックな実際に起こった事件である。
ひどい話である。
そのままドラマ台本にでもなるような展開だ!
もちろん、最初は女性の絞殺死体が発見され、水谷豊が捜査に乗り出す
というところから話は始まって・・・
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別れさせ屋、仕事が本気に
… 女性殺害の罪で求刑17年
朝日新聞 2010年2月9日11時25分
依頼を受けて夫婦や恋人同士を別れさせることを稼業にしていた「別れさせ屋」の男が、東京地裁で刑事裁判の被告になっている。仕事で別れさせた女性とつきあった末に、別れ話を切り出されて殺害してしまった事件。被害者の遺族は「人の気持ちをもてあそぶ商売が許せない」と憤っている。
起訴されているのは住所不定、無職桑原武被告(31)。起訴状や検察側の冒頭陳述などによると、桑原被告は「別れさせ屋」を請け負う探偵会社に勤務。2007年5月に「妻と離婚したい」との夫の依頼を受け、栃木県内のスーパーで主婦(死亡当時32)に「チーズケーキのおいしい店を教えて」と声をかけた。桑原被告はその後、偽名を名乗り、職業を偽った上、妻子がいることを隠してその女性と交際。その様子を撮影して「浮気の証拠」として夫に渡した。夫婦は同年11月に離婚した。
桑原被告は「仕事」を終えた後も女性と交際を続けたが、09年になって「別れさせ屋」として接近したことや妻子がいることを女性に知られた。同年4月12日未明、桑原被告に不信感を抱いた女性が「別れたい」と言い出したところ、口論の末、当時同居していた東京都中野区内のマンションの一室で、女性の首をひもで絞めて殺害したとされる。
桑原被告は同日夜、自首し、逮捕された。これまでの公判では、罪を認めたうえで「最初は仕事と割り切っていたが、本気で好きになってしまった。その後は、嫌われるのが怖くてうそにうそを重ねて、自分で自分に追い込まれた。女性を今も愛している」などと述べている。
これに対し、女性の父親は「悔しい。被告も別れさせ屋を頼んだ元夫も別れさせ屋という商売自体も一生、許せない。娘はもちろん孫たちも私もまったく人生が変わってしまった」と憤る。東京地裁で8日にあった論告求刑公判では、検察側が「巧妙にだまし続けたあげく、うそが発覚して、別れを切り出されたことを逆恨みした犯行で極めて悪質」などと厳しく非難し、懲役17年を求刑した。
「別れさせ屋」は数年前から、インターネットに広告を出すなどして急増している。消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士は「『別れさせ屋』は民法のいう公序良俗に反し、契約自体が違法と考えられる。詐欺事件なども起きており、法的に規制されなくてはならない」と話す。
判決は3月9日に言い渡される予定。(三橋麻子)