じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

9月17日 大阪桐蔭女子 星翔 大商学園 大阪桐蔭男子 近大付属  京都橘 久御山

2016-09-17 08:21:05 | 高校サッカー

※守備

大阪桐蔭女子:GKはこれまで見た選手と違う選手。落ち着いて守り、堅実にプレーしていたと思います。後半、前に出るべきところを過度に慎重になったのかゴール前で構えてしまい、ポストに救われた場面があり、代役のGKの影響が良くも悪くも出ていたように思います。一方で全体的には安定感がありましたので。どうやら正GKが怪我してるよう。見てると、代役、という意識があるように見え、自分が正GK!という意識を前に出すと、この日も良かったですが、もっと良くなるのかもですね。両SBとは呼吸が合ってた一方、CBとの呼吸が合ってない場面がありましたので、GKと両SBは下級生、CBのうち少なくともどちらか一人は上級生だったのかもですね。チーム全体で観ても、特に序盤、ルーズボールをしっかり拾えており、よかったと思います。右サイドの連携に、やや課題が残ったかも知れません。左サイドがコーナーを与えすぎてるのも気になりました。両サイドの守備に課題が残ったのかもですね。

星翔:序盤はブロックを引いていたためかルーズボールを拾えずなかなかゲームを支配できず。前半途中から全体を前がかりにしたことが功を奏してみえましたが先制点献上の場面はそこからカウンターをくらったもの。2失点目はFKから相手の虚を突く攻撃に対応できなかったことによるもの。攻めているときのリスクマネジメントと次の予測に基づくケアに課題が残ったと思います。

大商学園女子:ほとんど相手に攻め手を与えず、危なげなく守っていたと思います。

大阪桐蔭男子:この日もCBなどよく相手ボールを奪ってましたが、CBが奪えなかったときのケアと、先制点献上の場面はGKがサイドまで飛び出さざるをえなくなった事によるもので、攻め込んだときのサイドのケアにも課題が残ったと思います。

近大付属:あまり前からプレスにはこず、どちらかと言えば引いてブロックを作っている感じでした。

京都橘:激しくぶつかっていってましたが、ややもするとそれが雑さにつながってしまい、この日は激しさが悪い方に出ていたと思います。

 

※攻撃

大阪桐蔭女子:下級生らしきGKは攻撃でもパスサッカーの起点になることができてましたし、状況判断も良かったです。両SBとの連携がよかったのが理由の一つと思います。序盤は引いてブロックを作る相手にパスがつなげていましたが、相手が前がかりになると高い位置でボールを奪われる場面が目立つ。グランドをワイドに使ったパスワークには課題が残って見えましたが、女子選手にそこまでのキック力と精度を求めるのは酷なのかもですね。先制点は攻め込まれている時間帯にCBからかと思われるロングボールに反応したFWが反応して裏へ抜けだしたことによるもの。攻め込まれている時に攻撃のことを考えることができていたCBが光りました。一方でゴールそのものは手数がかかりすぎており、決定的な先制点のチャンスを逃すことになりかねず、危なっかしかったです。全体的にシュートチャンスで慎重になりすぎる場面が目立ったのは課題として残ったと思います。2点目は右45度あたりからのFKで左MF7が左足でゴールめがけてグランダーに蹴ったのにFW17のインターハイ予選でも目立ってた選手とボランチ8だったか右MF18だったかのいずれも1年生と思われる2人が走り込んでのもの。これはなかなか素晴らしいゴールでした。普段から練習でもやってる事のように見えました。キックの精度も、それに対する前線の反応もよかったと思います。

星翔:相手に主導権を握られる時間が多く、攻撃はどうしてもカウンターになりがちでしたが、各選手のシュートの意識は高く、精度も高かったです。シュートチャンスで迷いなく蹴れていたと思います。

大阪桐蔭男子:この日もGK稲垣君1のキックの精度の高さが光りました。一方、この日も前線でのシュートに対する決断力には課題が残りましたが、その中で神埼君右MF8,途中からFWのキーパーに対しても最後まで貪欲に向かっていく姿が印象に残りました。

近大付属:何がどうっていうのはないのですが、春先に見たときよりずいぶんと鋭さが増して見えてよかったです。

京都橘:これまで見たとき同様、この日も激しく前に出てぶつかっていくサッカーを展開。この日は特に、それが効果てきめんでした。

 

大阪桐蔭女子:最終節を待たずして全国大会への最終関門である関西大会出場決定。これまでから目に見えてチーム力が上がっているようにはみえませんが、選手層の分厚さは感じられるようになってると思います。主力が抜けてもチームとしてのサッカーの質を保つことができていると思います。左MF7のキックの精度の高さ、FW、途中からボランチの8のプレー、右MF18や後、控えですが終盤出場しダメ押しとなる3点目をヘッドで決めた右MF14の動きの鋭さ、キレがハーフタイムの時の練習を見て印象に。14番はみるかぎり上級生に見えました。8はインターハイ予選の時の18に見えましたが合ってるかどうかは?

星翔:何年か前に大阪桐蔭だったか大商学園だったかに勝った学校と記憶してますが、同校のサッカーを見るのは初めて。0-3で負けて関西大会への進出はなりませんでしたが、FW9をはじめとしてフィジカルの強さを感じる選手が多く、トーナメントで強豪追手門学院を破ったのも頷けるサッカーをしていたと思います。

大商学園:インターハイ予選チャンピオンの大阪学芸に完勝。旧チームほどの圧倒的な強さは感じませんが、混戦模様だった今年の大阪で、ここにきて、やはり一歩抜け出た存在になりつつあると、見てて感じました。

大阪桐蔭男子:8月からのリーグ再開後どことやっても五分の勝負が続いていますが、これはパスサッカーの質の高さと決定力という課題を結果と数字で表しているということかと推察します。

近大付属:4月に大阪桐蔭に完敗喫した時以来の観戦でしたが、その時より随分迫力が増して見え、それが4月に大敗の相手に引き分けという結果につながったのだと思います。冬の選手権予選では勝ち進めば履正社と準々決勝であたる可能性が高いですが、勝つチャンスがあるとこまでは、仕上がってきていると思います。

京都橘:17歳ながらU19日本代表に選ばれている岩崎君FW7はこの日もプリンスリーグレベルでは別格の動き。胸板など体全体の分厚さ太さからして他の選手とは全然違う。シュートスペース見つければ逃さず躊躇せず打ち抜く瞬時の決断力も素晴らしい。そして、これがチーム全体に浸透しており、どの選手もトップスピードの中でも精度の高いシュートを打ち抜くことができる。ただ、この日は一方で決定的なのを外してしまう場面も。ボール持てばこのレベルでの戦いでは犬死にすることがないに等しい岩崎君が将来、日本代表の主力、そして海外のトップレベルで輝ける選手になれるかどうかは、精度の高さを今以上に高い確率で1試合、継続して維持できるかどうか、なのかも知れませんね。

 

以上です。この日を最後にプリンスリーグは再び中断。国体を経て、いよいよ冬の選手権予選突入。プリンスリーグ再開はそれが終わってから。