じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

コラム 思わず書きたくなった 9月3日四条畷5×ー4市岡

2017-09-06 13:20:29 | 高校野球

序盤から四条畷が次の1点は防ぐなど守備で球際の強さを感じさせるビッグプレーが幾度か飛び出すも試合そのものは市岡が着々と加点して5回までで3-1と市岡リードで後半を迎える。

6回表市岡はさらに追加点のチャンスを迎え打者のあたりは右中間へ。これをやや細身ではあるが長身で大柄の4番センター背番号8が決死のダイブも及ばず手痛い4点目を献上。ライトに詫びるセンター。だがこのシーン。私はセンターを責めることはできない。むしろ賞賛に値するプレー。諸々の状況からあの場面であれができなければセンターではないと言っても過言ではない、プレー選択だったと思っています。追い方見ててもダイブして捕球するイメージはしっかりできて見えましたし、展開からして1点もやれない場面でしたし、この時の打球は低い弾道でセンターから逃げるように打球にスライスがかかっており、仮に後ろに逸らすリスクを恐れて無難にシングルで止めようとしたとしても、結局はフェンスまで達した可能性も十分に考えられる打球でした。この場面、四条畷に厳しく見るとすれば、むしろ詫びるべきはライトかもな?って素人ながら思ってみてました。センターがああいうギャンブルプレーを選択する可能性は十分に考えられる打球と状況でしたから、もっと早くカバーに向かっていかないといけない場面でしたが、ややカバーが遅れたようにも見えました。尚も続くピンチ、下手すれば一気にコールドまでもっていかれかねない状況で、外野から見る限り投手はこの手痛い失点に気落ちしても見えましたが、それでも踏ん張ってここでも、次の1点、は防いだということは、エースはエースらしく、ここでは結果は裏目に出てしまったとはいえ、センターの責任感あふれるプレーを意義に感じていたということだろう。このプレーが原因かどうかは?ですが結局このセンターは直後に下げられてしまうのですが、このプレーをはじめとして球際で失敗をいとわぬ責任感溢れるプレーの数々が、後の素晴らしい逆転劇につながっていくことになります。

 

4-1市岡リードで迎えた8回裏、ここまで終始市岡ペースで進んでいた試合でしたが、四条畷は次から次へと繰り出す代打がことごとくしぶとく運んで、サードランコーの好判断もあって一気に同点に追いつきます。そして9回、1死1塁から確か盗塁仕掛けたか記憶があやふやも、相手の送球が外野に少し逸れたのを、ここでもサードランコーが見逃さず、サードを一気に陥れる。この時カウント2-2.市岡がタイムをかけてマウンドに集まる。そして最後はその直後、これまた途中出場の打者がセーフティスリーバントスクイズを決めるという、まるで夏の最後を思わせるような戦いぶりで、新チーム公式戦初戦を、四条畷が制するのでした。

 

この試合、サードランコーが見せた終盤の好判断の数々と、それを信じて迷うことなく走り抜けた走者のプレーには、ともすれば自分たちの学校のグランドで戦えた利点もあったように思いますが、それにしたって、打球の転がり具合で成功の可否をランコーも走者も感覚的に分かっても見えた思い切りのよい終盤の判断と走塁は、日頃の練習がしっかりしてないとできないものですし、球際を恐れぬ守備に対する姿勢が、時には裏目に出るも、裏目に出たそれも含めて、最後にはそれが勝利につながったなと思いながら見てました。賞賛に値するギャンブルプレーが失敗に終わり、直後に下げられてしまったセンターも、報われたのではないかと思われます。途中いささか厳しいことを書いてしまった小柄な2番ライト君右投げ左打ち背番号9ですが、この選手が同校の中では最も振りが強く、走塁の鋭さを感じました。

 

敗れたとはいえ市岡も7回までは終始自分たちのペースで試合を進めることができていました。エースの長身のアンダー気味の右サイドは、軟投派で公立校のエースが強豪私学の打線を封じるお手本のようなピッチングはできていたと思います。ただ、ピンチを広げる四球を、あくまで外野から見る限りでは簡単に出してしまう場面が何度か見られたのが悔やまれるかもしれません。終始リードする試合展開だったからこそとも考えられ、だとすれば、勝負のあや、というのはどこに潜んでいるものやらほんまに分からぬものだと思います。新チーム公式戦初戦が悪夢のような逆転サヨナラ負けとなってしまった市岡ですが、これを肥やしに、今後、伝統の三本線の躍動につながると良いですね。