じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

5月17日 阪南大高 桃山学院 履正社 賢明学院 大阪桐蔭 近大付属

2015-05-17 08:26:07 | 高校サッカー男子

※阪南大高

個々の強さでは明らかに勝っていたが、ゴール前の集中力の差で敗れる。開始早々の失点は相手が左サイドを駆け上がるも自軍の選手もしっかり詰めていたことからクロスは上がってこないだろうと思ってしまったのかフリーで相手にヘッドを許してしまう。後半同点に追いついた後再び勝ち越されたシーンもゴール前の混戦で競り負けてのもの。今後そこらをもっとしっかりやっていけば、本来はもっと上位に顔を出すチームと思われる。プリンスリーグでは序盤連勝もここのところ勝てずでインターハイ予選を迎える。この大会にうまく調子をもってくることができなかったのかもですね。

※桃山学院

個々の強さ巧さ速さでは明らかに劣っていたがチームとしてのサッカーの方向性がはっきりして見えた分勝り勝利。個々で勝負すると負けるから、一人一人が球離れを速くし、縦に速くカウンターでという方向性がはっきり見えたことが勝因かと思われます。キーパーはほとんどがパントキックで前方に蹴っ飛ばしてましたので、つなぎというよりは手数を少なく縦に速くって感じかと思われます。

※履正社

例年どちらかと言えばフィジカルを前面に押し出した縦に速く強くって感じのサッカーだが今年はキーパーからのつなぎを意識したポゼッションサッカーを志向し強さだけでなく柔らかさも感じた。それでいて個々のフィジカルも素晴らしく強さ速さも例年以上の水準。攻撃に関しては完璧と言ってもいい内容で、これぞプレミアってものを見せてくれたと思います。気になったのがディエンス。ファウルなしで奇麗に足元で止めようとの意識が強すぎるのか割と相手にやらしてしまってました。ここらがプレミアで失点が多く未だ勝利がない要因かと見てました。とはいえ、現状、大阪の高校サッカーでは単独トップをいく存在であることに間違いなく、ちょっと今までの大阪の高校サッカーでは見たことないレベルのサッカーを見た感じがしましたが気になったにが得点しても淡々としすぎて見えたところ。それが時にプレーの軽さにもつながって見えました。現状大阪で最も強いと目される同校がインターハイ予選で最もくじ運に恵まれ最終順位決定リーグ進出はほぼ確実で、本当の意味での大阪の強豪と相まみえるのはリーグ戦になってから。今日見る限り大阪桐蔭、後敗れましたが近大付属、阪南大高は同校と五分とは言えずも食らいつく力はあると感じました。今まではやりたいようにやらせてもらえてましたがそうはさせてもらえなかった時に、それでも相手をねじ伏せることができるのか。それとも手こずってしまうのか。履正社が本当に大阪の高校サッカーでは頭一つ抜け出た存在かどうかは、そうした学校と相まみえた時に、現状の答えがでると思います。とはいえ素直に見れば、現状の大阪の高校サッカーでは、1番のサッカーをしていたと言うべきと思います。キーパーの資質も高いのでインターハイや選手権を予選も含めて勝ち抜くトーナメント向きな要素も兼ね備えているため、インターハイや首都圏開催になった選手権で大阪初の全国制覇の夢も現実味を帯びさせるチームの出現だと思います。

※賢明学院

ハイレベルなサッカーを展開する履正社の前に、チームとしては何もさせてもらえなかった感じでしたが個々には光るものもあったと思います。前線の選手のテクニックにはみるべきものがありました。 

※大阪桐蔭

前半は0-1とビハインド以上にチームとしてのサッカーで負けてる感じだったが後半は前半よりも前からプレスをかけて相手のポゼッションサッカーを封じたこと、なりふり構わぬ選手交代と、後、相手より走り勝った事が逆転勝利の要因かと思われます。選手交代に関しては最初は不発でしたが後半途中、それまで左の2列目で使っていた川辺11をFWで起用。これが当たり直後に同点。やはりこういう巧い速いだけでなく体の強い選手は基本中央で使うべきと思います。走りに関しては、プリンスリーグ序盤は球際すぐにあきらめてしまってましたが、今日は最後まで泥臭く追いかけることができていたと思います。それが、後半残り10分での勝ち越しゴールにつながったと思います。ゴール前クロスが逆サイドに流れてしまい、プリンスリーグ序盤ならそこで終わりのところ懸命に追いかけ追いつき無理な体勢からでもなんとか再びクロスを上げたことが、清水8のヘッドでのゴールにつながりました。ただ、勝つには勝ちましたが反省点も多く残ったかと思います。前半の失点は自陣深くに攻め込まれるもボールをサイドに追い払ったことで安心したのか再びクロスをあげられたことに対応できなかったことによるもの。ここらプリンスリーグ序盤からの課題であるディエンスの集中という点でまだまだということかと思われます。近大付属がグランドをワイドに使ったポゼッションサッカーを展開していたのに対し、大阪桐蔭は細かいパスワークに終始してしまい、プリンスリーグ初戦のように相手の目線を振り回すようなダイナミックパスワークができず、ゴール前でも小さなプレーばかりでいくら攻め込んでも相手に脅威を与えることができず。一方相手は2度3度と大阪桐蔭に脅威を与えており、前半もっとやられていてもおかしくなかったと思います。とはいえ、負け試合を突破したことは大きい。リーグ戦進出へ向けて勢いがついたことと思われます。

※近大付属

 1点先制した前半は素晴らしいポゼッションサッカーが出来ていたと思います。グランドをワイドに使って相手に的を絞らせず、最終ラインから前線に精度の高いロングフィードも効果的でした。ですが後半、キーパーのゴールキックがほとんどが単純なパントキックに終始してしまう。相手が前半よりも前からプレスをかけてきたせいか、体格で勝る分、フィジカルを前面に押し出してぶつかっていきパワー勝負に持ち込んだ方が効果的と考えたのかどうかはわかりませんが、とにかく前半うまく機能していたポゼッションサッカーを自ら変えてしまったことがあだとなり、逆転負けを喫する要因となったかと思われます。縦に速いサッカーはより多くの運動量が求められるため体力の消耗も激しく、今日のような暑く陽射しのきつい日ではなおのことで、それが終盤、最後までポゼッションサッカーを貫いた大阪桐蔭に走り負ける要因になったかと思われます。終盤は明らかに足が止まってました。もし相手の前線からのプレスが原因でサッカースタンスを変えたのだとしたら、同校の最終ラインの選手はそうした中でも正確なロングフィードができる選手を揃えていただけに、もったいないチーム選択だったと思います。とはいえ、敗れはしましたが、履正社に対抗できる学校の一つという意味で、存在感は十分に示したかと思われます。この悔しさが、プリンスリーグや冬の選手権予選に向けて肥やしになるとよいですね。

 

大阪桐蔭と近大付属の試合は、プリンスリーグで共に調子を上げてきた状態で行われたせいもあり、好ゲームとなりました。前半は静かに、後半は激しい攻防で見応えある試合となったと思います。前半はプリンスリーグ同様、近大付属が押し気味に試合を進めましたが、後半大阪桐蔭がなりふり構わず勝ちにいったことが、プリンスリーグとは違った展開になった要因と思います。

イチオシプレーヤー

※阪南大高

左MF奥村君14:プリンスリーグと同じ背番号なら奥村君、体型的にもそうかと思われます。今日も前線で相手に恐さを与えてましたがプリンスリーグとちがってこの選手をサイドで使ったこと、攻撃が右サイドからのが目立ったことが、チームとして相手に怖さを与えきれなかった要因かと思われます。速い巧いだけでなく強い選手は基本、中央で起用するべきと思います。

※桃山学院

左FW10番君:個々の強さで相手に劣る選手が多い中、この選手はフィジカル、速さ、テクニックで相手に負けず。開始早々の先制点は左サイド相手に詰められた難しい体勢の中で上げられたもの。きっちり見てなかったので誰か分からなかったのですが、この選手、その後も左サイドに広がるようなプレーを見せるなど、その後のプレーからしても、おそらくこの選手のクロスだったのだと思います。桃山学院はチームとして球離れの早いシンプルなサッカースタイルと、この選手などの個人技で番狂わせをおこしました。

MF7番君:ボランチしてたと思いますが時に、ディエンスの裏をついた相手に怖さを感じさせるパスを出していました。この選手も強さで屈強な相手に負けてませんでした。

GK1番君:身体的に特別秀でたものは感じなかったが、シュートなどボールに対しての飛び出しのタイミングなど、セービングの基礎がしっかり出来ているように見えた。

※履正社

FW10番牧野君:鋭く精度の高いFWが印象に。バナナシュートっていうよりはそれよりも鋭い軌道を描き、壁のわずか頭上からストンとまがりおちて地面に鋭く叩きつけられるかのごとき鋭さでした。それがしっかり枠を捉えるのですから、相手、特にキーパーにとっては非常に脅威ですよね。今までの大阪の高校サッカーではちょっと見たことないようなシュートでバナナシュートというよりは鋭利な刃物で切り裂いたようなシュートだったと思います。この選手、他にも終始、随所に見るものを感嘆させるプレーを次々と繰り出していたと思います。

GK1番君:大柄でGKとして雰囲気があり、パスサッカーの起点として、すばやい判断でDFにボールを預けてました。キックの精度も高かったと思います。

履正社は他の選手も皆、イチオシプレーヤー。

※賢明学院

FW10番君と11番君:チームとしてなにもさせてもらえない中、この二人の選手の前線での突破など、そのプレーには見るべきものがありました。

※大阪桐蔭

GK上田君1:今日もポゼッションサッカーの起点として優れた判断力とロングキックの精度の高さを見せていた。

FW出原君18:プリンスリーグと登録同じなら出原君。前半はFWとして最後までボールに食らいつくしぶとさを見せる。後半は右サイドの2列目で左サイドからのクロスが右サイドに流れたところを諦めず拾って難しい体勢からクロスにつなげて逆転ゴールをアシスト。体の強さが印象に残った。

右MF伊東君6:今日はテクニックで存在感を示したが、今後の課題はフィジカル強化。

左MF川辺君11:今日は左MFでの先発で、そこでも存在感を見せていたが、後半途中からFWにまわったことで、彼の存在感がさらに増し、それがチームとしての怖さにもつながり、相手に脅威を与えてました。やはりこういう、強さが前面に押し出た巧くて速い選手は、中央で起用するべきと思います。

FW清水君8:前半はボランチでの起用だったがディエンス面であまり機能せず突破されるシーンが目立つ。後半FWにまわったことにより下級生の時からのこの選手の特徴である、最後までしつこく泥臭く相手を、ボールを追いかける姿と小柄ながらフィジカルの強さを発揮し、決して精度の高いクロスではなかったが体を反り返さんばかりに高く飛んで勝ち越しゴールをヘッドであげる。元々強さが目立つ選手だが、場数を踏むにつれおしゃれなプレーが目立つように。ですがこの選手の魅力はあくまで泥臭い強さだと、改めて感じました。

※近大付属

MF岸本君10番:プリンスリーグと登録同じなら岸本君。プリンスリーグでの大阪桐蔭戦では印象に残ってませんでしたが、今日は左サイドを再三にわたりかけあがり、そのスピードで相手を再三にわたり置き去りし、ゴール前に再三にわたり切れ込み決定的な場面をしばし演出。相手に終始脅威を与えており、光るものがありました。

近大付属は他にも光る選手がいましたがとりあえず以上です。

 

※現状大阪のトップをいくのはやはり履正社。最大の売りは攻撃力。大阪の学校相手なら、どこが相手でも2点以上とるでしょう。ここに勝つには2点以上とって点のとりあいに持ち込むことができるかどうかだと思います。でもそれってサッカーにおいては、1点勝負に持ち込む以上に難しい限定された勝ちパターンだと思います。野球でもそうですが、自分たちより強い相手に勝つのに、ロースコアに持ち込むより、点のとりあいに持ち込んで勝つことのほうが基本難しいと思います。

 

以上です。

 

 

 



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