今年、夏の参議院選挙について(2)
侘助 去年、9月19日、安保法案が通ったとき、シールズの学生たちがシュプレヒコールをしていた。落胆している若者はいなかった。若者は大声をあげて「野党は共闘、選挙に行こうぜ」と意気揚々としていた。
呑助 今の学生はそんなことを言っていたんですか。
侘助 そうだったようだ。私はネットで見たんだけれどね。
呑助 へぇー、今じゃ、ネットでそんな風景が見られるんですか。時代は変わりましたね。
侘助 そうだよね。私らが若かったころの学生運動と言ったら、ゲバ棒を持って暴れまわっている姿だったものね。
呑助 そうですよ。何を話しているのか、私など全然わかりませんでしたよ。難しそうな聞いたこともないような言葉をしゃべって、カタカナ語がたくさん出てきてね。
侘助 そうだね。あれじゃ、市民から支持されるはずがないよね。政治の世界は非情なもんだね。
呑助 2016年7月の参議院新潟選挙区の話ですか。
侘助 新潟選挙区は定員が二人から一人に削減されたようだね。
呑助 新潟は一人区になったんですか。過疎化が進んでいるんですね。
侘助 今までは自民と民主で一人づつ分け合ってきた選挙区だったみたいなんだ。そこに定員が減になったから、闘いは厳しいものになるよね。
呑助 そうですね。
侘助 野党が乱立したら間違いなく、自民党候補が当選することになるよね。
呑助 そうでしょうな。
侘助 一月下旬、生活の党の森ゆう子氏、維新の党の米山氏、共産党の西沢氏が話し合い、野党候補を一本化することで合意をみたようなんだ。
呑助 民主党はこの話し合いには参加していないんですか。
侘助 そのようんだ。理由は不明だが、今になって見ると分かるような気もするんだ。
呑助 候補者選びが遅れていたんですか。
侘助 民主党には適当な候補者がいなかったんじゃないのかな。
呑助 野党第一党として候補者がいないのはまずいと思っていたんでしょ。
侘助 ただぐずぐずしていんじゃないのかな。他の野党の動きを見ていたら生活の党の森氏がどうも野党統一候補になりそうな気配を察し、こりゃまずい、何としても森を野党統一候補にしてはならないと考えた新潟電力労連の幹部たちが森候補を引き下ろすべく、策略を巡らしたのじゃないかな。
呑助 どんな策略なんです。
侘助 遅ればせながら、当選の可能性のある候補として比例区北陸信越ブロック選出の衆議院議員の菊田真紀子氏を鞍替え選出させるという策略だよ。菊田氏を野党統一候補にしようという案だよ。
呑助 ちょっと、遅すぎましたね。
侘助 遅かったね。人によっては、森候補の刺客だと思うかもしれないよ。電力労連の原発推進派は森氏より自民党候補の方が良いと思ったのかもしれないからね。森氏はかんかんになって怒っているらしい。当然だよね。今頃になって衆議院議員を辞職し、参議院候補として立候補してくれと頼まれてね。菊田氏にしても森氏が立候補を取りやめることが無く、野党統一候補として自民党候補と戦わなければ国会議員の身分を失う危険性があるよね。政治は非情なことをするね。
呑助 電力労連には菊田氏を当選させるだけの組織票のようなものがあるんですか。
侘助 菊田氏は衆議院小選挙区では落選しているからね。電力労連には金はあっても、票は難しいかもしれないんじゃないかな。
呑助 新潟参議院選挙区の野党統一候補擁立は波乱含みですね。
侘助 小澤一郎氏は森候補の総決起集会に駆けつけているから、力を発揮するよ。そんな気がしているだけれど。