参議院熊本選挙区から市民連合推薦を受け阿部広美氏が立候補
209号 ブログ原稿
日本語の世界認識
侘助 二月十一日、「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と熊本県参議院立候補者、阿部広美氏らとの合意書調印式と記者会見が熊本市民会館で行われたね。
呑助 テレビや新聞は報道したんですか。
侘助 すべての大手新聞やテレビのニュース番組を見ているわけじゃないから、分からないけれどね。
呑助 最近は戦争法反対の市民運動については新聞もテレビも報道しないみたいですよ。
侘助 どうも、そうらしい。
呑助 ニュースではないと思っているんじゃないですか。
侘助 「ニュースじゃない」。これが今の新聞やテレビのニュースじゃないのかもしれないな。
呑助 二月九日、タレントダンスボーカルグループ「SPEED」の今井絵理子の参議院選出馬会見は立派なニュースなんじゃないですか。
侘助 なるほど、確かに、このニュースは売れそうな感じがするね。
呑助 「ニュース」というのも商品なんですか。
侘助 そうなんじゃないのかな。売れそうなニュースと売れそうもないニュースがあるんじゃないのかな。
呑助 知名度のない阿部広美氏が熊本選挙区から参議院に立候補したということじゃ、熊本県内ではニュースになっても、日本全国ではニュースにならないという事でしょうかね。
侘助 そうなんだろうね。しかしそうじゃないよね。「市民連合」が推薦し、全野党が共闘して戦う候補が日本全国で初めて参議院熊本選挙区に出現したんだから大きな、大きなニュースだと思うけれどね。
呑助 もしかしたら、売れるかもしれませんね。
侘助 売れそうなニュースだよね。売れるということは公共性があるという事だよね。
呑助 確かに公共性がなければ、売れないでしようがね。公共性があっても売れないものはあるんじゃないですか。
侘助 売れるものには公共性はあるが、公共性のあるものは必ずしも売れるとは限らない。逆は成り立たないということだ。
呑助 売れないからと言って報道しないというのはどうなんでしようね。
侘助 もっともな意見だね。これは表現の自由、報道の自由という問題かな。阿部広美さんが熊本参議院選挙区から全野党・市民連合の候補として立つということは自公政権にとっては脅威だろうからね。与党側にとっては不利な報道ということになるからね。政権側にとって不利な報道をするということが表現・報道の自由、言論の自由ということだと思うよ。
呑助 政権側にとって不利な言論が自由にできるということが言論・表現・報道の自由ということですか。
侘助 そうだと思うけれどね。
呑助 高市早苗総務相が、政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波停止を命じるかもしれないと発言したことが問題になっていますね。
侘助 政治的公平性というものを誰がどのような方法で確認するのかね。
呑助 政府が判断するんじゃないですか。
侘助 政府というと、自民党と公明党の人々が判断するということになるね。
呑助 それじゃ、公平性に欠けるかもしれませんね。
侘助 政治的に公平性を欠く報道だと政権を持つ者たちが言うのは政権を批判するなというメッセージだと思うね。
呑助 公平性というのは難しいですよね。
侘助 特にNHKは儲けるための放送局じゃないんだから、しっかり政権を批判するニュース、政権にとって不利なニュースを報道して初めて立派な公共性を備えた放送だといえるんじゃないかな。
呑助 戦争法廃止を掲げて市民団体と野党が阿部広美と協定を結んで参議院選挙を戦うというニュースは確かに新しい選挙の動きだからニュースだ。