憲法改正について(1)
侘助 今日の「東京新聞」第一面見出しは「9条改憲 踏み込む」となっていたね。
呑助 いよいよ憲法改正ですか。
侘助 自民党政調会長の稲田朋美氏への質問に答えて安倍総理が憲法学者の七割が自衛隊を違憲だと言っている。この意見の疑いがある状況をなくすべきだという考え方もあると、衆議院予算委員会で述べたようだ。
呑助 どうして自民党は現日本国憲法を変えたいと思っているんですかね。
侘助 それは自民党結党以来の悲願だからね。
呑助 自衛隊が憲法違反の存在じゃ、自衛隊員に申し訳ないような気持ちもあるんじゃないですかね。
侘助 正々堂々とした日本の軍隊として認めてあげたいということなのかもしれませんよ。
呑助 でも、正規の軍隊として認めるのはいいとして、そうした場合、自衛隊員に応募する若者はいるんでしょうかね。
侘助 日本が経済の高度成長をしていたころ、自衛隊員に応募する若者は少なったみたいだからね。
呑助 そうでしょ。正規の軍隊になり、海外に派兵されたら死ぬ危険性は今より増えるんじゃないですか。
侘助 私が若かったころ、都市圏の中学や高校を卒業した人には自衛隊員に応募した人はほとんどいなかったな。
呑助 そうでしょ。でも自衛隊員になると自動車や大型トラック、特殊な運転免許が取れると聞いたことがありますよ。
侘助 そうみたいだよ。当時、まだ東海道新幹線が無かった頃、奈良に行ったことがあるんだ。その時、東海道線に私より、五・六歳年上の自衛隊隊員の人が乗っていたことがあったよ。お盆の季節だったから帰省の人だったんじゃないかな。話してみると選ばれて自衛隊員になったと誇らしそうに話していたことを覚えているよ。
呑助 地方では就職口が少なかったから都市圏に就職するか、自衛隊員になる若者がいたんでしようね。いろいろ資格が取れ、四、五年間頑張ろうという気持ちだったんでしようね。
侘助 今のように正規職員として採用される若者が少なくなってくると自衛隊員へ応募する若者も増えてくるかもしれないな。
呑助 そうかもしれませんね。でも海外へ派兵されると分かったら、自衛隊を辞めたいと思う隊員も増えるんじゃないですかね。死の危険性があるじゃないですか。
侘助 だからかもしれないがね、自衛隊法という法律が去年だったか、改正されたみたいなんだ。海外への派兵が決まってからの除隊申請は許されないというようになったみたいだよ。
呑助 卑怯だと、いうことですかね。
侘助 しかし、本人にとっては、そんなつもりで自衛隊に入隊したんじゃない。災害復興のような仕事がしたいと思って入隊した自衛隊員だっているかもしれないよ。
呑助 最近はそんな若者もいるような気がしますね。だから逃げ出したらどうなるんですか。
侘助 もちろん、自衛隊法違反として処罰されるんじゃないかな。犯罪人として警察に追われ、捕まると裁判にかけられ、刑務所に入れられる。