今朝の夢の記録。
両手に紙袋を持っている。袋の中身はティッシュとか,煎餅とからしく軽いけど,
やけに量が多くてかさばっている。
地下の商店や飲食店のある迷路のようなところを,歩き回っていて,
何かの書類を急いで提出しなければ,の気持ちになっている。
それを受けつけてくれる出張所を探している。
やっと地下街のマクドナルドのような店の片隅に,その受付を見つけて種類を提出した。
受付係の眼鏡の女性は,小学生の使うような小さな机と椅子に,窮屈そうに座っていた。
私の書類は手数料なしで提出できたが,連れ合いのは有料だと言う。
「これは陰では,政府の嫌がらせ方針と呼ばれている。けど,そういう決まりだから」と言い,
「夜10時まではここにいるから提出可能です。それと今日の提出でなくても大丈夫」とも。
時刻は夕方で,私はまたここに来るのが面倒なので,「いま財布に3万円の持ち合わせがないので,
近くでお金をおろしてすぐまた来ます」と,この地下街でATMのありそうなところを,
両手にかさばる紙袋を持ったまま,探し始める。
地下街をグルグル回るようにして探す。その途中の教会のようなところでは,
ピアノとバイオリンのクラシックの演奏会があり,
それを聴いている全員から唇に人差し指を当てる「しー」の仕草をされる。
ドアをそおっと閉めてその部屋を退出した。
ゲームセンターや,パチンコ屋や,ラーメン屋などの横を通過し,また元の教会の演奏会場に
戻ってしまい,方向も分からなくなり,すっかり迷ってしまう。
立ち飲みのバーのようなところで,隅にいた店員か客か不明の3人の老婦人に,
「この辺りにATMのあるところがないですか?」と尋ねた。
3人の老婦人はコソコソと話し合い,そのうちの1人が,「この通路の奥の地下鉄乗り場の階段の上
あたりに行けばいいよ」と指さしてくれた。
礼を行って,指さされた薄暗い通路を進んで行くと,雨合羽を着て,自転車に乗ったおばあさんが,
「こっち。こっち。後をついておいで」と前をすごいスピードで走って行く。
いつの間にか地上に出ていた。
紙袋が邪魔して,うまく走れないが,懸命にその後をついて走る。
夕方で,周囲が段々と暗さを増し,元米軍の住宅地のような,やけに道路の広い,
空間の多いところにやって来た。街灯がなく,小雨も降ってきた。
やっと一軒の家の前に来て,自転車のおばあさんは「ここ。ここ」と言って立ち去る。
薄暗い家の前に,内田裕也を80%縮小したような背丈の長髪のじいさんが,黒いコートを着て,
ポケットに両手を突っ込んで立っている。街灯がないので,表情もよく分からない。
ちょうどそこに郵便配達に来た職員が,「あんた,あの人のところに来た人?」と
私の横を通るとき尋ねてきた。
「いやっ,ATMのあるところだと案内されたんですけど……あの人は?」の問いに,
「あの人はSMの巨匠。気むずかしくて怖い人だから,逆らわないように。
そして向こうから聞かれない限り,話しかけないこと」と注意をしてくれた。
「ATMとSM。間違えるにも程がある」とは思ったけど,小さな巨匠の
じいさんが怖そうなので,じっとしていると,「カモン」という指の仕草で,
誘うように建物の中に入っていく。
仕方なく後をついて薄暗い照明の家に入る。家の中はリングのないボクシングジムのような
空間で,だだっ広い。右奥の暖炉の前では,太った2人の男性が,ふかふかの
ソファーに座って,低い声で何やら話している。
巨匠のじいさんは,私に英語でなにやら話しかけてくる。最後に必ず「ドンチュー?」を
つけて……。「英語がよく分からない」と言うと,「何でもいいから返事をしろ」のような
ニュアンスで話し続ける。やはり終わりに「ドンチュー?」をつけて。
もうやけになって,「殿,デンチューでござる」と返事すると,巨匠が
前にずっこけて倒れて,床にその身体がめり込む。しばらくして,
何事もなかったように,巨匠は立ち上がり,前方に跳ね上がる
ガレージ風のドアがある部屋に向かう。その少し開き始めたドア隙間から,
姿がぼやける程の早さで,身をかがめて巨匠は滑り込んでいき,
奥から「カモン」のくぐもった声がする。
別室のドアが完全に上に跳ね上がり,床全体が30センチほど沈んでいる
SMの部屋全体が見渡せた。
左側にはベッドがあり,その上に巨匠がうつ伏せになっている。右側は
トレーニングマシンや,一時期はやったぶら下がり健康器など設置されていた。
この部屋に入るとまずい,と思い,「ちょっと先にトイレへ行ってきます」と,
SMの巨匠に伝え,急いでこの家からの脱出を計る。両手にかさばる紙袋を
持っているので,玄関のドアノブを回転させるのにまごついたが,やっと
外へ出て,前の道路を右の方へ懸命に走って逃げている途中で,目が醒めた。