うすやみ
ほうわりと
薔薇がうかんで
石棺のような寝台に
ふたつの人型が
よこたわる
肌がそよめいた か
背をむけた
ひとはすべりおりる
いろのない
しんはあかい
薔薇
ばらがとりまく
かがみこみ
息を混ぜあい
ゆるやかにかいてんする軀
はなをまきはなに
巻かれ
ゆるやかに薔薇も
廻る
消えいるようなひろがり
に
あまるほどのむすうの
花 唇を
あつめ
ひとになりたそうなはな
はなになりたそうなひと
になっていく
のか
ほぅ と
紅
そこだけ照らしだすように
透けた軀に
渦
のやわらかな
ふくらみ
H9.8.18