雲間から朝日が、ちょこっと顔を出してきた。
今日は、午後から天気が崩れる予報になっているので、午前中勝負と船を出す。
東からの風を予想して、ポイント選定をしていく。
潮は、昨夜から下り潮が入っているが、そんなに速い流れでは無さそうだ。
潮の色も、少し濁りが入った様に感じるが、気になるほどではない。
鯛ラバを、引いてみる。
「底付近の潮が動いてない様に感じる」
諏訪さん達の意見を受けて、ポイントを移動する。
沖合に出る頃には、風が東風に変わりつつあり、少々ウネリも出始めた。
そんな中、諏訪さんに本日最初のアタリ。
「引かんけど、ただ思い」
上がってきたのは、良型の鰺。
背中に針が刺さっている。
「通りで重いはずだ」
同時に、今村さんにもアタリが来た。
掛かりが浅かったのか、外れた様だ。
その後は、再びアタリが遠退いた。
潮が下りに変わって、水温に変化が出たのだろうか。
「底付近の潮が、軽く感じるところと、ジグに絡んでくる感じのするところがある」
諏訪さんが、海中の微妙な変化を感じ取って、教えてくれる。
それを受けて、ポイントを選んでいく。
主なポイントのベイトを探すが、なかなか姿が確認できない。
ポイントを再度移動する。
その移動したポイントで、今村さんにアタリ。
「余り引かない」
上がってきたのは、型の良いサゴシ。
サワラと呼べるサイズに近い大きさだ。
でも、狙いは青物。
諏訪さんにもアタリが来た。
上がってきたのは、良型のウッカリカサゴ。
本命とする、カンパチ、鰤の青物が来ない。
色々とベイトを探して、ポイントを移動する。
悪戦苦闘の最中だ。
天気も、段々と下り坂になってきた。
風が今までの東から南東に変わり、ウネリも南東から寄せてくる様になった。
島しかないと思って、水島南の魚礁に移動する。
魚探にベイトが映った。
同時に、堂ヶ尾さんに強いアタリが来た。
竿が大きく曲がって、獲物が走る。
次の瞬間、竿先が真っ直ぐなった。
「底から、2,3回巻き上げたところでガッンと来たけど、リーダーが切れた」
残念だ。
この直後、目線を越えるウネリが入り始めたこともあり、安全優先で再度の移動。
水深40メートルの処で、鯛ラバを引いてみると、諏訪さんにガンゾウヒラメが来た。
今村さんにもアタリが来たが、潮が活きていないのか針掛かりしない。
最後の移動で、裸バエ付近の瀬周りを攻めてみた。
今季カンパチが、当たっているポイントだ。
魚探にベイトの柱が映し出された。
今村さんの竿先が、ググンと曲がってアタリが来た。
しかし、針掛かりしない。
先日から、口惜しい思いの連続だ。
釣りに好不調は付き物だけど、口惜しくて口惜しくて…。
諏訪さん、堂ヶ尾さん、今村さんが、一生懸命頑張って頂いただけに、青物が欲しかった。
午後になって、雨が降り出し、南東の風も強くなってきたこともあり帰港した。