釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

12月25日 楽しい口惜しい

2015年12月25日 | 日記
釣りは「楽しい」と「口惜しい」どっちが多いかというと、圧倒的に「口惜しい」が多いと思う。


大島東側のポイントのベイトの状況を確認しながら、朝間詰めのポイントへ。

潮は、下り潮が沖に払い出している。

仕掛けを落としてみると、底潮が余り動いていない感じがする。

時折、船の流れる速さが0.3ノットと表示される。

魚探には多くはないが、ベイトが立ち上がっている。

「ベイトは少ないですけど、ここから流してみましょうか」

塩田さんが、海底に移るベイトの群れに仕掛けを落としていく。

「来た、一投目に来た!」



幸先の良いスタートになった。

上がってきたのは、良型のチダイ。

「良い型のチダイですね」

早速、血抜きしてクーラーに納める。

北西の風に押されて、船が流れていくと、ベイトの影が映らなくなった。

それでも、海底付近に小さく、何かが映し出される。

「鯛なら良いのに」

と思っていたら、又しても塩田さんにアタリ。

「来た!おおっ引くよ」

ドラッグから、ラインが出ていく。



チョット緊張感のある、釣り人だけが持てる充実した、楽しい時間だ。

魚とのやり取りを、心から楽しむ。

漸く海面に姿を見せたのは、10キロ近くありそうな大きなニベ。



狙いの青物ではなかったのは、残念だ。

でも、出足からアタリが続いている。

8時30分を過ぎても、お日様が雲に隠れて、まだ顔を見せない。



それでも、東の方向に向けて「鰤が釣りたいです」と手を合わせる。

直ぐに、塩田さんにアラカブが来た。

この後に、今日一番のアタリが来る。

北西の風が徐々に強くなり始め、船が東方向から南方向に流れる様になった。

魚探を見ながら、船を流すコースを決めていく。

「来た!うおおっ、走る!」

塩田さんに、強烈なアタリが来た。



針掛かりした獲物が、強烈な走りでラインを引き出していく。

あっと言う間に、20メートル以上は走られた。



ドラッグ音が鳴り響く。

巻いては走られ、又巻き取っては又走られる。

もの凄い緊張感のある、スリリングな、獲物を掛けた釣り人だけの時間。

見ている方も、緊張感が伝わってくる。

タモを用意し、受ける準備をしたとき。

「あっ、外れた…切れた?」

船縁に張り付かんばかりに曲がっていた竿が、真っ直ぐになった。

巻き上げると、針に鱗だけが付いて上がってきた。

「えー……」

声にならない。

例えようのない、口惜しい時だ。

釣りの世界の厳しい瞬間なのだろう。

気持ちを切り替えて、次を狙うしかない。

強い北西の風に乗せて、色々なポイントを攻めるが、丁度干潮の潮止まりとなった。

「思い切って、ポイントを変えましょう」

船を走らせ、水深50メートルのポイントへ移動する。

大きなベイトの固まりが、映し出される。

一投目に、アカヤガラが来た。



その後は、何度も船を流すコースを替えて見るがアタリが来ない。

「今日は、口惜しい思いが有りますが帰りましょうか」

「本当に、口惜しいな」

帰りの船中は、リベンジする事を考えていた。