智光山公園:都市緑化植物園の薬草園にて
ニシキギである。
ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木とされ、秋の深まる頃たわわに実った蒴果が裂開し、橙赤色の仮種皮が次々と顔を出す。
「錦木」と表記する。まさに、この木、一木だけで、錦繍の季節に相応しい光景が眼前に現出する。
Wikipediaには、
「若い枝では表皮を突き破ってコルク質で、節ごとに十字対生して、板状の2 - 4枚の翼(よく)が発達する」
とある。
📷2022年10月28日:少し寄ってみる。張り出した翼が印象的だ。
📷2022年10月28日:ちょっと離れて、錦繍の様を味わう。
コマユミ、マユミ、ツリバナなどはよく似たニシキギ科の仲間であるが、コマユミやマユミの若枝には稜は出るが翼は見られない。ちなみに、マユミに至っては、稜も翼も見られず丸い若枝となるので見分けは容易であろう。
📷2022年10月28日:すぐ隣りにはメギが植えてある。
📷2016年4月20日:春には、とても愛らしい花房が見る人を出迎えてくれる。
メギ科メギ属の落葉低木のメギ、その枝には鋭いトゲがある。そんなところから、防犯用として垣根に用いることもあるとか。
そんなところからついた別名が、コトリトマラズだったり、ヨロイドオシだったり。「名は体を表す」ってか。
春ともなると、黄色いボンボンのような花が、長めの花柄にぶら下がるように咲く様がとても愛らしい。
そう、ここは薬草園エリアとされている。
ニシキギの実は、かつて、頭皮のシラミの駆除に用いられたとか。また、その実を煎じたものは、鎮痛・鎮静・消炎作用などが認められると言う。
では、メギはどうなのか? メギは「目木」と表記する。そう、目の充血や炎症を防ぐための目薬として使用され、整腸薬としても重宝されたとか。
なるほどね、意味もなくこのエリアに植えられているわけではないことはわかる。だけど、ちょっとそんな解説のパネルでもあればなおさら良いと思うのだが。
📷2022年10月28日:ダンチクの大きさにはいつも驚かされる。
あっ、そう、そう、忘れるところだった。この時期、こいつを撮っておかないことには先には進めない。
右隅にちょこっと屋根が見えている。薬草園に施設された四阿の屋根だ。いかにダンチクの丈が高いかがおわかり頂けよう。2メートルではきかないな。3メートル以上あると思う。「暖地の海岸近くに生育するイネ科の多年草」(Wikipediaより引用)とあるが、大きなものでは4メートルになんなんとするものまであるとか。
もちろん、このダンチクにも芦竹根(ろちくこん)という生薬名があり、奄美群島では「根茎を、強壮、皮膚病、リウマチ、インポテンツ、腰膝冷痛、熱冷まし、咳、喘息、利尿、疲労、歯痛に用いる。徳之島では、若芽を歯痛にさす。」(「平成17年度 国土交通省 奄美群島生物資源の産業化・ネットワーク化調査」より引用)などといった民間療法の事例があったと言う。
記念樹の森からひょうたん池へ
📷2022年10月28日 そこここに秋を纏った木々が散見される。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2022年10月28日 記念樹の森の辺りにて。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2022年10月28日 銀杏の黄葉はまだまだら模様かな。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2022年10月28日 黄葉の部分にフォーカス。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2022年10月28日:メタセコイヤかな。いつも撮るその並木の様子。
どうだろう、智光山公園の秋はまだまだら模様と言った様相を呈している。秋とは言いながら、まだ前の季節を引きずる光景も散見されるのだ。
だが、さらに季節が進むと、ケヤキも、メタセコイヤも、葉の色を変え、いずれは裸木の落葉樹となる。そう、肉を削いだフィッシュボーンのごとく。
📷2022年10月28日:正面エントランスを入って左手に位置するのが「山の花屋」。
ひょうたん池へと注ぐ水路には、まだミゾソバが茂っている。イヌタデだって茂っている。
この日は、暖かな陽の光がそんな植物たちに降り注いでいた。小春日和ってやつだね。
📷2022年10月28日 空に赤い水玉! (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2022年10月28日 ウメモドキ (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
芝生広場を横切って花木園の辺りに出る。ハナミズキの実が、青空を背景にして赤い水玉のように浮かんでる。
おや、おや、小さな擬宝珠が一つ、二つ、三つ、・・・・・・、と見えている。来年の花芽かな。
緑の相談所の前、温室の辺りだが、ウメモドキが植えてある。うるさいほどに実をつけていた。
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