いつもの散歩コースだ。
ファースト・コンタクトは小さな森。北側の小さな入り口からアタックだ。
まず、フタリシズカが出迎えてくれた。センリョウ科チャラン属の多年草、ヒトリシズカの親玉みたいなやつだ。
もう、キケマンは終焉を迎えている。変わって、あちこちでタツナミソウが顔を出してきた。
しかし、この時期この森の名物といえば、キンラン、ギンランなのである。
このキンランとギンラン、そのいずれもがラン科キンラン属の多年草で、菌根菌類との共生関係にあることが知られている。
ここでは、《キンラン属 ⇔ 樹木 ⇔ 菌⇔》という具合に三者間での共生関係が成立しているってことが肝で、このバランスが崩れるとキンラン属の命脈が絶たれるのだということを知っておこう。
つまり、綺麗だからとキンラン属を引っこ抜いてきても、決してあんたんちの庭や鉢では育たないってこと。
まぁ、山野草のお好きな方に、そんな不埒なことをする輩はいないと思うけどね。
森の遊歩道を周回してみた。おや、ギンランが見当たらない。
ここでは、月1回ほどボランティアの方が植物の手入れや清掃などを行っている。
彼らが貴重だと思った植物などは、支柱を立て、玉紐などで結界を張り、名札を付け、キープアウト表示!
だから、何が、何処に、どの程度あるのかが一目瞭然なのである。
ギンランの表示はある。しかし、その辺りを見ても雑草しか出ていない。
今年は、ギンランは休業なのか。
ここだけに拘泥していても話にならない。セカンド・コンタクトへと舵を切る。
公園までは、ここからのんびりと歩いても15分ほどか。
南側にある林間の周回コースを辿りアタック開始。道路に面した北側エリアへと向かう。
まず目についたのはギンランだ。
📷2022年4月26日:純白の花びらに心震わせる。ギンランの白は、洗剤よりも心をキレイに洗ってくれるのだよ。
📷2022年4月26日:小さな個体が多い。右側のやつ、かなり大きい方だ。
おや、去年始めて認めたツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草、イチヤクソウにつぼみが萌していた。
この狭い範囲に数株しか出ていない。いつかは、・・・、
📷2022年4月26日:イチヤクソウはツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草。紅い花が咲く個体もあり、こちらはベニバナイチヤクソウと呼ぶ。
そして、いよいよ公園のキンランにも巡り合った。
今年はさほど多くない。というか、年々個体数が減っていくように思う。
📷2022年4月26日:どのようなお顔かよく分かるように、まずは近寄ってみる。
📷2022年4月26日:次は、立ち姿をご覧に入れよう。
これで帰ろうと思ったのだが、南側の林間コースを歩いていると、見つけた! クチナシグサだ。
そう、アカネ科の常緑性低木であるクチナシ(梔子)と同様の字を当て、梔子草と表記する。だが、こちらはハマウツボ科クチナシグサ属の一年草、または越年草だ。
なぜ梔子か? 果実の様子が、梔子の実に似るからなんだとか。
この子も邪心を起こし持ち帰っても育たないよ。こちらはスゲ類の植物に半寄生しているって話だから、環境を構築するのが並大抵じゃない。
📷2022年4月26日:花の長さは10ミリあるかなしか。周回コースをウォーキングしている人は、ここにクチナシグサがあろうとは知る由もない。
別名をカガリビソウ(篝火草)と言う。萼の暴れ具合をご覧になれば、その名前にも合点がいくことだろう。
各県のレッドリストを覗いてみると、絶滅種やら絶滅危惧種、準絶滅危惧(埼玉県など)などに指定しているところが多い。大事にしたい野の花の一つだね。
📷2022年4月26日:クチナシグサ、別名をカガリビソウという。名は体を表す!
毎年キンラン、ギンランを写しに行ってましたが、今年は行けずです。
HATAKE上吉田 さん、こんにちは。
小さな森、googleマップでは「下平野ふれあい緑地」との表記がある場所です。
通称・平野の森、小さな森です。
さて、公園の方、まだ市街地にこんな花がと思われるほど近くの公園です。
S台中央公園、埼玉県道126号所沢堀兼狭山線沿いにあります。
でも、年々個体数が少なくなってます。
これからクチナシグサがいい時期だと思います。
お近くにお立ち寄りの際には、ぜひご覧くださいませ。