◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/2月21日~2月28日

2025-02-22 02:53:33 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    
     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
   右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
   名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
2月24日
★うしろより見る春水の去りゆくを  山口 誓子(やまぐち せいし)
2月23日
★ひた急ぐ犬に合ひけり木の芽道   中村 草田男(なかむら くさたお)
2月22日
★野の虹と春田の虹と空に合ふ    水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
2月21日
★囀や海の平を死者歩く       三橋 鷹女(みつはし たかじょ)
コメント (12)
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今日の秀句/2月21日~2月28日

2025-02-22 02:52:43 | Weblog
2月23日(2句)

★鴨川のはるか北山はだれ雪/桑本栄太郎
四条大橋のたもとからの景色とのこと。鴨川は京都を代表する川だが、はるかにはだれ雪を冠った北山がある。京都を俳句で画に描いた。(髙橋正子)

★川波のきらめき揺るる春隣/土橋みよ
「春隣」には、「川波のきらめき揺るる」がかかっている。そんな春隣なのですよ、ということ。広やかで、おだやかな心境が感じられる句。(髙橋正子)

2月22日(2句)

★知らぬ間に春の雪の降りいたり/多田有花
春の雪が、いつともなく、気が付かない間に降っている。いかにも春の雪らしく、はかなさと、やわらかさが感じられる。(髙橋正子)

★雀らの啄む春の土匂う/森下朋子
「春の土匂う」が、いい。春になると、土までも生命力が増すのか、科学的には微生物などが活発になるせいだろうが、土の匂いがする。雀たちも群がって啄んでいる。早春の感じがよく出ている。(髙橋正子)

2月21日(1句)
 
★水脈長く引きて一羽の残り鴨/桑本栄太郎
一羽の残り鴨が長く引く水脈が、水面の広さと静かさを想像させてくれる。残った鴨に孤独感より、むしろ平淡な感じだ。(髙橋正子)
コメント (2)
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2月21日~2月28日

2025-02-22 02:52:04 | Weblog
2月23日(4名)

小口泰與
あぜ道をすたすたありく春の星★★★
囀りの朝朝聞こゆ庭の木木★★★
枝枝を翔けて雲雀のありどころ★★★

多田有花
街歩く余寒の風を身に受けて★★★
春浅き星を見上げて夜歩く★★★
早春の朝日が部屋に入り初めし★★★

桑本栄太郎
<京都四条大橋界隈より>
鴨川のはるか北山はだれ雪★★★★
そぞろ行く花見小路や春の雪★★★
せせらぎに春の鷺立つ高瀬川★★★

土橋みよ
川波のきらめき揺るる春隣★★★★
山茶花のこぼるる小径ひとり掃く★★★
冬日差し水路の壁はキラキラと★★★

2月22日(5名)

小口泰與
あわあわと風を巻きたる半仙戯★★★
春ショール雲のあわいに日を沈め
「雲」は比喩と思いますが、曖昧です。(髙橋正子)
大利根の荒ぶる波や春の風邪★★★

多田有花
われ知らぬ間に降りぬ春の雪★★★★
知らぬ間に春の雪の降りいたり(正子添削)
「われ知らぬ」の「われ」が強すぎるので、なくていいのではないですか。(髙橋正子)
光明るしいかに余寒の厳しくも★★★
天皇の驚く余寒の続きおり★★★

森下朋子
久々のお洒落ババ友針供養(原句)
お洒落して友も来ており針供養(正子)

雀群れパンくず啄む土匂う(原句)
雀らの啄む春の土匂う(正子添削①)
パンくずを啄む雀ら春の土(正子添削②)

季語がないので季語を入れました。(髙橋正子)
サァ散歩老犬老女に山笑う★★★

廣田洋一
大仏に合格祈る高校生★★★
残る鴨番の水脈を残しおり(原句)
残る鴨番の水脈を残しけり(正子添削)
元の句で、間違いではありませんが、詠嘆の気持ちをいれました。(髙橋正子)
白梅に紅梅の枝絡み合い★★★

桑本栄太郎
どうだんの枝の芽ぐみや稚けなく★★★
この句が惜しいのは、「芽ぐみと」「稚けなく」が同じ様子になっていることです。色などに気づかれませんでしか。(髙橋正子)
沈丁花のつぼみふくらむバス停に★★★
土曜日のブラスの音色春きざす ★★★

2月21日(2名)

小口泰與
冴返る上州風の甚だし★★★
東はやあまねく春の陽ざしかな★★★
足裏に春の音色を聴きに★★★

桑本栄太郎
一羽とて水脈の長きや残り鴨(原句)
「とて」が理屈っぽいので添削しましたが、一羽の残り鴨なのでしょうか。(髙橋正子)

水脈長く引きて一羽の残り鴨(正子添削)

うつし世を厭うて居りぬ鳰潜る★★★
ようやくに綻び来たり梅一輪★★★
コメント (2)
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自由な投句箱/2月11日~2月20日

2025-02-12 09:58:07 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    
     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
   右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
   名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
2月20日
★下萌えに声交わし合う草野球    小西  宏 (こにし ひろし)🌸
2月19日
★ものの芽の一歩も退かぬ出のかまえ 野田 ゆたか(のだ ゆたか)🌸
2月18日
★立山の其の連峰の雪気水      高濱 虚子(たかはま きょし)
2月17日
★鞦韆は漕ぐべし愛は奪うべし    三橋 鷹女(みつはし たかじょ)
2月16日
★春光を残して庭師帰りけり     林 緑丘(はやし りょくきゅう)🌸
2月15日
★老いながら椿となって踊りけり   三橋 鷹女(みつはし たかじょ)
2月14日
★春光の角を打ち延べ板金工     野田 ゆたか(のだ ゆたか)🌸
2月13日
★美しき春日こぼるる手をかざし   中村 汀女(なかむら ていじょ)
2月12日
★春雷や胸の上なる夜の厚み     細見 綾子(ほそみ あやこ)
2月11日
★春嵐鳩飛ぶ翅を張りづめに     橋本 多佳子(はしもと たかこ)
コメント (55)
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今日の秀句/2月11日~2月20日

2025-02-12 09:56:57 | Weblog
2月20日(3句)
    
★春夕日手を振り合って下校の子/上島祥子
春の夕日を背景に、下校の子供たちが互いに手を振り合って「さよなら」をいう時。子どもたちの楽しかった一日の終わりを温かく詠んでいる。(髙橋正子)

★放つ手に温もり残し鴨空に/土橋みよ
鴨を抱いて、空へ放したのでしょう。手にはまだ鴨の体温が残っている感じがしている。鴨との別れ難さが鴨の温みによって感じられる。(髙橋正子)

★桟橋の静かに朽ちる春浅し/弓削和人
春浅い桟橋にはひたひたと水波が寄せている。木の桟橋は、静かに朽ちていくのだろう。湖面と桟橋のたたずまいが趣深く詠まれている。(髙橋正子)

2月19日(1句)

★庭の木へ春日を与え鳥与え/小口泰與
庭の木が春日にかがやき、小鳥を止まらせている。だれがそうさせてくれたのか。その「誰・何」を思って見る、ちょっと詩のような俳句。(髙橋正子)

★福寿草苔むす野仏傾けり/森下朋子
野仏は苔むして、傾くようになっている。その裾には福寿草が咲いている。その自然なたたずまいが落ち着いて気持ちにさせてくれる。(髙橋正子)

2月18日(2句)

★未だその気貌にあらざり残り鴨/桑本栄太郎
「未だその気貌にあらざり」は、春になって北国へ帰ろうとする様子が身形や貌に現われていない。ちっとも帰る気配がない残り鴨の様子。こういう鴨も、ある日突然別れも言わず、素振りも見せず飛び立つのだ。(髙橋正子)

★白梅の一輪明るき空の下/上島祥子
白梅が明るい空の下に一輪咲いている。さきがけて咲く梅一輪の明るさが素直に詠まれている。(髙橋正子)

2月17日

該当句無し

2月16日(1句)

★春寒を支える雪の屋根ばかり/弓削和人
春は名ばかり。冬から春へと行きつ戻りつする季節の移り変わりが「春寒」と「雪の屋根」で表されている。「雪の屋根」には冬の忍耐と静寂がイメージされる。そんな冬が下支えする春の寒さがある。(髙橋正子)

2月15日(1句)

★朝に日に浅間は白し梅の花/小口泰與
「朝に日に」は「あさにけに」と読み、意味は「朝に昼に、いつも」。
浅間山は作者の住むところから、朝に昼に見え、いつも白く雪を冠っている。梅の花も咲いている。冠雪の浅間山の白さと梅の白さが通いあっているのがいい。(髙橋正子)

2月14日(2句)

★工事用宿舎の庭や猫の恋/廣田洋一
おかしみのある句。工事用宿舎の庭と言う男っぽく、殺風景なところを、あたりかまわぬ恋猫がニャーニャー鳴きながら通り過ぎる。笑ってしまう。(髙橋正子)

★梅咲きて新しい手帳買い求む/土橋みよ
梅が咲いて、作者は明るく、清々しい気持ちになったのだろう。手帳を新しく買い求め、新しく何かを書こうとしている。梅が開く、春の先駆けの時期の明るく前向きな気持ちがよく出ている。(髙橋正子)

2月13日(1句)

★土手の道ふわと踏みたる春の草/廣田洋一
土手の道を歩いていて、足元にふわとした感触を得た。やわらかく萌え出た春の草を踏んだのだ。春の訪れをさりげなく喜んでいるのがいい。(髙橋正子)

2月12日(2句)

★二月早や明るきうちに夕餉とす/多田有花
「二月早や」に日々日脚が伸びている驚きが表現されている。ついこの前までは、5時、6時の夕飯時は暗かった。いまは明るくなっている。単にそのうれしさ。(髙橋正子)

 近鉄小坂駅
★駅前に鉢植えならべ菜の花忌/桑本栄太郎
2月12日は作家司馬遼太郎の忌日で、彼が菜の花がすきだったことから、この日を菜の花忌と呼んでいる。「菜の花忌」と呼ばれる忌日は、丈草(旧暦)など他にもあるが、この句では、司馬遼太郎。駅前に明るい花鉢が並んでいて、菜の花忌に相応しいと思った作者がいる。(髙橋正子)

2月11日(1句)

★あけぼのの風豊かなり冴返る/小口泰與
上州の冴返るあけぼのであるにも関わらず、「風豊かなり」と感じている作者の心境がいい。(髙橋正子)
コメント (11)
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2月11日~2月20日

2025-02-12 09:53:26 | Weblog
2月20日(6名)

小口泰與
古語辞典割って楽しも春の夜★★★
星飛ぶや我が産土は四方山★★★★
「星飛ぶ」は、秋の季語です。(髙橋正子)
春の沼水面へ鳥の急降下★★★

多田有花
<兵庫津を歩く>
菜の花の沖を北前船がゆく★★★★
<横溝正史生誕地>
浅春やメビウスの輪の絡み合う★★★
風の音高まる夜なり余寒なお★★★

上島祥子
春昼や甍眩しく空の青★★★★
春夕日手を振り合って下校の子★★★★
流行のスカート短く春の雪★★★

桑本栄太郎
木々の枝の剪り口白し冴返る★★★
剪定を終えて並木のちんちくりん★★★
頑なに赤きつぼみや丘の梅★★★

土橋みよ
放つ手に温もり残し鴨空に★★★★
鴉去り雀さざめく冬の庭★★★

弓削和人
桟橋の静かに朽ちる春浅し★★★★
ねじれ松春雪を積みなおねじれ★★★

湖の果白鳥二羽の湖上翔ぶ(原句)
湖の果白鳥二羽の湖を翔ぶ(正子添削)
湖の果の景色なのに、「湖上」が強調され、近影として目に映ります。それで「湖上」を「湖(うみ)」としました。(髙橋正子)

2月19日(6名)

(今日から森下朋子さんが参加されます。よろしくお願いします。髙橋正子)
小口泰與
山風に耐えてほかほか春の木木★★★
写真機に振り回されし春野かな★★★
庭の木へ春日を与え鳥与え★★★★

廣田洋一
春の川大口開ける鯉の群★★★
残り鴨数を増やせり街の川★★★
鯉の列横に見ながら春の鴨★★★

森下朋来子
お地蔵の傾くもすそに福寿草(原句)
お地蔵の傾きもすそに福寿草(正子添削)

福寿草苔むす野仏傾きて(原句)
福寿草苔むす野仏傾けり(正子添削) 

サァ散歩老犬老女山笑う(原句)
サァ散歩老犬老女に山笑う(正子添削)

桑本栄太郎
春の夢きみの面影いま一度★★★
今朝もまた戸外真白や春の雪★★★
晴れいても路面濡れ居り風花す★★★

多田有花
<兵庫津を歩く三句>
おかげさまなり二月の七福神★★★
早春の兵庫を巡りオムライス★★★
春陽さす高田屋嘉兵衛の店跡に ★★★

弓削和人
白鳥のつがい湖畔の春を告ぐ★★★
春寒の渚の澄みて湖の砂
「渚の澄みて」と「湖の砂」との関係は?(髙橋正子)

雪間より根の黒ぐろと隠れけり
「隠れけり」は何が隠れているのですか。(髙橋正子) 

2月18日(5名)

小口泰與
山川へ朝日を与え百千鳥★★★
早も来て三國峠や帰る雁★★★
木木の芽や園児の声の数多なる★★★★

土橋みよ
枯葉舞う中に一羽の冬ツグミ
「枯葉」は冬の季語なので、「冬ツグミ」は「ツグミ」だけにします。
枯葉舞う中に一羽のツグミいて(正子添削)

 下野国一社八幡宮
二羽の鴨温もり残し寒の空
「鴨」は冬の季語です。「寒の空」と季節が重なりますので、これは避けましょう。「温もり」はどこに残っているのでしょうか。鴨はどこにいるのでしょうか。(髙橋正子)

多田有花
 <能福寺・兵庫大仏>
二月空背負い大仏の座せり★★★
 <神戸事件・滝善三郎墓所>
春浅き国を守りし命かな★★★
 <平清盛墓所>
平相国廟みな春の夢と消え★★★

桑本栄太郎
コキコキと竹林騒ぐ余寒風★★★
未だその気貌にあらざり残り鴨★★★★
老いて尚矜持のつぼみ梅古木★★★

上島祥子
歳時記のカバー改め涅槃の日★★★
月命日遅れる知らせ涅槃の日★★★
白梅の一輪明るき空の下★★★★

2月17日(5名)

小口泰與
春の沼梢に二羽の翡翠よ★★★
日を受けて紅ばらの紅褪せにけり★★★
春の雪遊び遊びて消えにけり★★★

多田有花
<兵庫津を歩く三句>
春淡き七福神へ詣でけり★★★
法皇の愛でし大輪田泊の春★★★
春空へ聳ゆ清盛塚仰ぐ★★★

桑本栄太郎
こつ然と帽子剥ぎ取る春疾風★★★
廃校を報すポスター冴返る★★★
たぷたぷとさざ波寄する春の池★★★

廣田洋一
見て見てと白さを誇る梅の花★★★
声残し二羽の鶯飛び去りぬ★★★
バックヤード雪崩を誘うスキーヤー★★★

土橋みよ
見上げればツグミの影や冬の葉よ
「冬の葉」は具体的にはどんな葉でしょうか。
また、「ツグミの影や」と切れ字の「や」に詠嘆の気持ちがあります。「冬の葉よ」の「よ」にも詠嘆の気持ちがあります。どちらを主として言いたいのでしょうか。(髙橋正子)

  下野国一社八幡宮
奉納の鳥舞い立ちぬ霞立ち★★★

2月16日(5名)

小口泰與
片翅を鮮やかに立て春翡翠★★★
朝夕の浅間よろしき春の雪★★★
赤城より木木を鳴かすや春疾風★★★

廣田洋一
白き雲棚引きており春の空★★★
最後の鶯餅を買いにけり★★★
うららかや順番待ちの滑り台★★★

多田有花
 <兵庫津を歩く>
春めくプロムナード六甲連山遥か★★★
 <ノエビアスタジアム神戸二句>
開幕を待つ早春のスタジアム★★★
春早し二冠のカップ飾りおり★★★

桑本栄太郎
春光の煌めき降りぬ大原野★★★
春耕の媼もんぺや畑仕事★★★
集落の甍まぶしき春日かな★★★

弓削和人
残雪や闇路のさきにつづきおり★★★★
春寒を支える雪の屋根ばかり★★★★
つきぐもり田沢湖のみの道しるべ★★★

2月15日(6名)

小口泰與
一枝より春翡翠の果敢なり★★★
朝に日に浅間は白し梅の花★★★★
卓袱台に若き娚や春の夕★★★

廣田洋一
堰落ちる水の細きや冴え返る★★★
恋猫やまたも破れて縁側に★★★
スノーボード知らずに起こす雪崩かな★★★

弓削和人
凍返るそっと晴間の憩いかな★★★
鷹化して鳩となる日の出羽の明け★★★
白きもの羽織り啓蟄眠りおり★★★

桑本栄太郎
集落の甍きらめき風光る★★★
前掛けの媼もんぺや春の畑★★★
こぼこぼと泡の芥や春の堰★★★

土橋みよ
梅咲いて程村紙に筆初めし★★★
梅咲いて俳句求める旅始む★★★
  草津温泉旅行(にて)→「にて」を省いた方が前書きがすっきりします。

春霞にモルゲンロートの溶けゆけり(原句)
春霞モルゲンロートの溶けゆけり(正子添削)

多田有花
 兵庫津を歩く三句
春暁海辺のハイキングに向かう★★★
うららかや古き車両の顔を見る★★★
春浅き空を映せる兵庫運河(原句)
「兵庫運河」の「兵庫」がどのくらい効いているか、です。そこがおしい。(髙橋正子)

2月14日(4名)

小口泰與
朝な朝な春翡翠の沼へ来し★★★
ものの芽や我を育てし幾山河★★★
絶え間なき犬の遠吠え朝まだき
季語がある方がいいと思います。(髙橋正子)

廣田洋一
まず一献鱵の刺身当てにして★★★
工事用宿舎の庭や猫の恋★★★★
駅前の托鉢僧や冴え返る★★★

土橋みよ
梅開くメールを辞めて筆を持つ(原句)
この句のよいところは、「梅開く」と「筆を持つ」です。俳句は短いので「今」を読みます。「メールを辞めて」は、読み手に想像させます。この句では、無駄な表現になります。(髙橋正子)

梅咲きて新しい手帳買い求む★★★★

梅咲いて言の葉紡ぐ旅始む(原句)
「言の葉紡ぐ旅」は読み手にはよくわかりませんので、それが何かを率直に言うのがいいです。(髙橋正子)

桑本栄太郎
西山の谷のあたりやはだれ雪★★★

紅梅のつぼみふふまる真紅かな
「ふふまる」はこれでよろしいですか。(髙橋正子)

春宵の茜のこりぬ嶺の端に★★★

2月13日(6名)

小口泰與
山門へ一礼するや犬ふぐり★★★

戸に出づや天煌煌と朝月夜(原句)
戸を出づや天煌煌と朝月夜(正子添削)

沼の水さらさら鳴いて蕗の薹★★★

廣田洋一
残る鴨小さき鴨の揃いおり★★★
土手の道ふわと踏みたる春の草★★★★
大鱵釣り上げし子の自慢顔★★★

多田有花
春満月レグルス歩みを進めおり★★★
東向き墓は春陽を浴びて立つ★★★
バレンタインお茶うけにハートのチョコレート★★★

土橋みよ
梅咲いてメールを辞めて電話断つ
梅が咲いたとき、メールや電話を断って、楽しいことや気づいたこと、驚いたことなどありましたか。それを句に詠むとよいのではないででょうか。
 
透き通るヤリイカ添えて冬の膳(原句)
透き通るヤリイカのある冬の膳(正子添削)
目の前の事物をしっかり写生すると、読んだときその情景が目に見えるようなります。(髙橋正子)

冬嵐枝は揺れども鳥澄ます(原句)
「揺れども」の「ども」は理由や理屈を言ってしまうことになるので、避けましょう。(髙橋正子)
冬嵐揺れいる枝に鳥が澄み(正子添削)

桑本栄太郎
夜もすがらおらび声聞く春一番★★★
残雪のいまだ見え居り峰の谷★★★
樹木ごと大きく揺るる春疾風★★★

弓削和人
房総の春一番を受けて発つ★★★
たちまちに雲の間よりの春一番★★★
春一番開けたる眼を探しけり★★★ 

2月12日(6名)

小口泰與
春の日の当たる方へと雀達★★★
庭に来る雀数多や春夕日★★★
一十の雀集うや春の庭★★★

廣田洋一
能登の町白一色に冴え返る★★★
春の雪予報通りに積りけり★★★
山裾の温泉宿や通雪崩★★★

土橋みよ
花手水悴む手よりすり抜ける★★★★
流れ来る淡き光や冬渡良瀬★★★
酒粕に砂糖一振り寒の朝★★★

多田有花
二月早や明るきうちに夕餉とす★★★★
ちくわ切る丸き形の並ぶ春★★★
予定表に抜けのありけり春の雨★★★

桑本栄太郎
くもりいて雨かみぞれか春浅し★★★
<近鉄小坂駅>
駅前に鉢植えならべ菜の花忌★★★★
咲きそろうカランコエとや室の花★★★

弓削和人
残寒やぬくとき室にアイス欲し★★★
「ぬくとき」は「温とい」の連体形。「ぬくとき室」は「あたたかい部屋(あたたかく心地良い部屋」の意味。主に関西地方で使われる。(髙橋正子)

安濃津に帰りて診てり二月雪(原句)
安濃津に帰りて見たり二月雪(正子添削)
雪を「診る」と使うのは少し疑問があります。
「安濃津」は「津」市の古称。
「二月雪」は「にがつせつ」あるいは「にがつのゆき」と読ませます。(髙橋正子)
湖の靄に毀れる二月の陽★★★★

2月11日(5名)

小口泰與
あけぼのの風豊かなり冴え返る★★★★
朝日差す春の榛名へ鳥向かう★★★
早春の冷気浴びけり沼の端★★★

廣田洋一
曲がりたる松の木切りて建国の日★★★
庭石の白々として春寒し★★★
電車もバスも閉じ込め春の雪★★★

多田有花
翩翻と日章旗あり建国日★★★
口中に二月のチョコレート溶ける★★★
サイドミラーに早春の光あり★★★

桑本栄太郎
恐るおそる凍道歩く散歩かな★★★
へんぽんと建国の日の日章旗★★★
楽をなしトタン屋根より雪解水★★★

土橋みよ
吹かれゆく我が影長し矢場の冬★★★
しもつかれ温まりゆく里の冬★★★
「しもつかれ」は北関東の郷土料理なのですね。(髙橋正子)

焼き芋の立ち上る湯気ガラス越しに★★★

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自由な投句箱/2月1日~2月10日

2025-02-01 22:13:00 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    

     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
   右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
   名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

2月10日
★ままごとの飯もおさいも土筆かな  星野 立子(ほしの たつこ)
2月9日
★メトロ降り東京の浅き春を行く   臼井 虹玉(うすい こうぎょく)🌸
2月8日
★さえずりや澄し空気を一直線    藤田 裕子(ふじた ひろこ)🌸
2月7日
★詩に痩せて二月渚をゆくはわたし  三橋 鷹女(みつはし たかじょ)
2月6日
★春潮に流る藻あり矢の如く     杉田 久女(すぎた ひさじょ)
2月5日
★盤石のどの深さまで凍てゆるむ   谷野 予志(たにの よし)
2月4日
★春が来て電柱の体鳴りこもる    西東 三鬼(さいとう さんき)
2月3日
★寒禽の目の今われを映しおらず   池田 加代子(いけだ かよこ)🌸
2月2日
★遠山に日の当たりたる枯野かな   高濱 虚子(たかはま きょし)
2月1日
★中庭へ深く降りきて雪積もる    川本 臥風(かわもと がふう)🍁
コメント (44)
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今日の秀句/2月1日~2月10日

2025-02-01 22:12:00 | Weblog
2月10日(1句)

★戸を開けて見れば西山はだれ雪/桑本栄太郎
京の西山は高雄や清滝、嵐山など、美しい自然や文学で知られるところ。朝、戸を開けてみれば、「西山」に「はだれ雪」。この景色に驚いて、そのままを詠んだ句。(髙橋正子)

2月9日(2句)

★満開の梅の一枝売られおり/廣田洋一
売られている梅の枝の、そのなかの満開の枝に目が留まった。満開の梅の枝に、明るい春の兆しを見た喜びが素直に詠まれているのがいい。(髙橋正子)

★春雪のきらめき光る金閣寺/桑本栄太郎
春の雪にきらめき光る金閣寺はそのまま美しい。季節が冬から春へと移り変わるときに見られる金閣寺のしずかな情趣がいい。(髙橋正子)

2月8日(2句)

★落葉轢く音を体に車椅子/川名ますみ
車椅子で公園などを進むと、車椅子の車輪が落葉を轢くことになる。そのとき落葉が砕けるおとが身にじかに、体に響いて感じられたということ。音が体で感じ取れたということは素敵なこと。(髙橋正子)

★春の雪枝しなるまで積もりたり/桑本栄太郎
京都にも「枝しなるまで」の春の雪が降ったという驚き。春の雪とは思えぬ降り方が、枝に積もった雪を観察することで驚きとなっている。(髙橋正子)

2月7日(1句)

★西天に雲を浮かべて春の空/廣田洋一
天気は西から変わると言われるが、私は無意識に西空をよく見る。西空がのどかだと、いい天気が続きそうな気がする。西空にぽっかり浮かんだ雲に春らしさを感じる。(髙橋正子)

2月6日(1句)

★剪定のリフト高きや青空に/桑本栄太郎
剪定は、果樹や庭木、街路樹などで春先に行われる。夏は「刈り込み」とよばれている。街路樹などの高い木はリフトに乗って剪定しているが、現代的な剪定風景と言える。剪定が済んだ木はさっぱりとして青空を背景に、見た目にも気持ちがよい。(髙橋正子)

2月5日(2句)

★節分をしてひとり豆つまみおり/弓削和人
節分には魔物や邪気を払うために豆まきをする。ひとりなのだが、節分の行事の豆まきをした。撒いたあとは豆を年の数だけ、あるいは年の数より一つ多く食べる。ひとり豆をつまんでいるわびしさもあるが、鬼を払った安心もある。(髙橋正子)

★梅のどの蕾も珠となりし朝 /川名ますみ
朝、梅の枝を見ると、どの蕾も「珠」となっている。梅の蕾が膨らんできたのだ。「朝」と「珠」は、梅の蕾のみずみずしい輝きを表していて、生き生きとした心境がうかがえる。(髙橋正子)

2月4日(2句)

★春立つ朝野鳥の声に目覚めおり/多田有花
「春立つ」という言葉を聞くだけで、人の心は春を意識して明るく楽しい思いになる。おりしも野鳥が鳴いてくれて、心地良い朝の目覚めだ。(髙橋正子)

★立春の対馬海峡風強し/廣田洋一
対馬へ旅行されたのだろう。暦の上にしろ、立春の明るい春が来たというのに、対馬海峡は自然の厳しさを見せている。これを旅で実感された。(髙橋正子)

2月3日(2句)

★水仙花淡路の友より便り来る/多田有花
水仙を活けている部屋で淡路の友からの、嬉しくなる便りを読んでいるのだろう。海を想像させる「淡路」と「水仙花」の取り合わせが芳しい。(髙橋正子)

★寒空に来たりし友と多々良沼へ/土橋みよ
多々良沼は、四季折々に美しい景色が見られるが、冬は白鳥の飛来で有名な沼。寒空をいとわず来た友と多々良沼へ行った。それを素直に詠んで、言外に楽しさが伝わってくる。(髙橋正子)

2月2日(2句)

★枯木の枝伸び伸びとして鳥支え/小口泰與
枯木の枝は、作者の目からは、「伸び伸びとして」見えた。このことは春が近いことを思わせてくれる。軽い小鳥の体を「支えて」いる。やさしい枯木の枝はであり、とりもなおさず作者の気持ちである。(髙橋正子)

★冬萌や石垣つなぐうすみどり/桑本栄太郎
冬萌はまだ「うすみどり」。石垣の間にうすく萌えでて、石垣の石と石をつないでいるように見える。それぞれの石の形もはっきりして、少し楽しい景色に見える。(髙橋正子)

2月1日(1句)

★春隣る山下刈りの町内放送/多田有花
山の下刈りはいろんな理由で行われる。春が近くなると、下草の芽生えを促したり、火災が起こらないよう、また山林の保護や景観のために、枯草を刈り取る。町内の人達によって、山林が保護されていることは明るい人間の暮らしと言える。春隣となればこそ。(髙橋正子)
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2月1日~2月10日

2025-02-01 22:07:30 | Weblog
2月10日(3名)

小口泰與
あけぼののすそ野明るき春赤城★★★
枝垂れ木へ春の夕日や雀達★★★
あけぼのの嘴打つ音や森の春★★★

多田有花
春の豪雪スーパーの棚を空にする★★★
冷えるとも春陽明るくさんさんと★★★
ヘルメット光らせ少年春早し★★★

桑本栄太郎
バリバリと凍雪踏みて登校生★★★
戸を開けて見れば西山はだれ雪★★★★
はだら野や畦の窪みに白きもの ★★★

2月9日(3名)

小口泰與
榛名より春あけぼのの雨の音★★★
胡坐居の婆の寝床に孕み猫★★★
朝夕の蜆の汁の旨かりし★★★

廣田洋一
満開の梅の一枝売られおり★★★★
春の日の柔和な笑みや石観音★★★
早春の島を巡りて船の旅★★★

桑本栄太郎
春雪のきらめき光る金閣寺★★★★
何処までもあおぞら青く雪解晴★★★
塵出しの首にひとすじ雪解水★★★

2月8日(6名)

小口泰與
大沼の春の翡翠明らかに(原句)
 「明らかに」は何が明らかなのでしょう。(髙橋正子)
大沼の春の翡翠色明らか(正子添削例)

戸に出づや早春の冷気浴びにけり(原句)
「戸に出づ」は「戸を出づ」が正確と思います。この場合は出入りの「戸」の意味です。「外(と)に出づ」なら、「外に出る」と言う意味で、問題はありません。(髙橋正子)

春の朝鳥の声にて明けにけり★★★

廣田洋一
料峭や思わず肩をすくめたり★★★
かぐわしき潮の香撒きて和布干し★★★★
退会の信書受け取り春寒し★★★

弓削和人
駅前の碑石は堅し寒すずめ(原句)
「碑石は」の「は」は物事の限定を示します。これ、気になります。(髙橋正子)
乗換えの車両へ駆けぬ春の泥★★★
春雪は車両開扉に春を告げ
車両開扉に春を告げ」の意味が分かりにくいです。車両開扉するのに雪国特有の現象があって、それが春を告げると言う意味でしょうか。(髙橋正子)

多田有花
春雪が薄く輝く朝の街★★★★
ちらほらと日差しの中へ春の雪★★★
春浅き冷え込み続く午後の雪★★★

川名ますみ
梅咲いて紅色すこし薄らぎぬ★★★★
寒風の音一棟を突きぬける★★★
落葉轢く音を体に車椅子★★★★

桑本栄太郎
カーテンを開けて一面春の雪★★★
吹き上ぐる風に流るる牡丹雪★★★★
枝しなり雪の積りぬ春の雪(原句)
写生だけでなく、ご自分の気持ちを少し入れると句が生き生きします。(髙橋正子)
春の雪枝しなるまで積もりけり(正子添削)
「枝しなるまで」の「まで」に自分の感情をいれています。(髙橋正子)

2月7日(4名)

小口泰與
春浅き利根の流れの雄雄しきよ★★★
二ン月の山あからさま上州路★★★
風の日の目も開けられぬ春赤城★★★

廣田洋一
西天に雲を浮かべて春の空★★★★
春寒の園児らの声賑やかに★★★
ゆっくりと白湯を頂き春寒し★★★

土橋みよ
 下野国一社八幡宮にて
わけもなく参道歩む冬日和(原句)
「わけもなく」が気になります。
参道をすずろ歩めり冬日和(正子添削)

冬八幡古墳を守って凛と立つ★★★
時の声源氏の社と冬木立★★★

桑本栄太郎
照る曇る交互に来たり春障子★★★
おそ春の豌豆苗の震えけり★★★
パソコンの不機嫌なりぬ春寒し ★★★

2月6日(4名)

小口泰與
茜さす春の榛名へ鳥向かう★★★
春と言う二月はいまだ雪世界★★★
春浅し長きすそ野の赤城山★★★★

桑本栄太郎
剪定のリフト高きや青空に★★★★
白雲の疾く奔り居り春の空★★★
蝋梅の葉なき明かりを極めけり★★★

弓削和人
来るはずのバスは遅れて春初め★★★
早春の喪にてひさかた姪っ子来★★★★
朝よりの試験終えたりのたりかな★★★

上島祥子
探梅や進める脚は痛くとも★★★

春光墨の香りの手紙束(原句)
春光は普通「しゅんこう」と読みます。「はるひかり」と読むのは、なじみません。その場合は「春の光」となります。(髙橋正子)
春光の墨の香りの手紙束(正子添削)

一日を終えてショールに身を委ね ★★★

2月5日(6名)

小口泰與
あかつきの春の鳥たち声盛ん★★★
餌で呼ぶ春山雀を手のひらに★★★★
枝垂れ木に数多集いし春雀★★★

土橋みよ
寒凪や舟の歩みの生む波よ★★★★
雪道に羽音ひとひら鷺の影★★★★
冬の朝目覚めし香りに焼きリンゴ★★★

廣田洋一
パンジーや風なき庭に揺れており★★★★
点々と薄氷光る雨上がり★★★
公園の木椅子ポツンと春寒し★★★

弓削和人
隣る世へ旅立つ叔父の喪は春や★★★
節分をしてひとり豆つまみおり★★★★
山水の音の聞こえぬ春はじめ★★★

桑本栄太郎
うすらいの朝日に綺羅と気泡かな★★★
薄氷やバケツの中に柄杓立つ★★★★
みずいろの空より落つる牡丹雪★★★

川名ますみ
凍星の一つは富士の斜め上★★★
芝刈れば濠辺に冬木しろく在り★★★
梅のどの蕾も珠となりし朝 ★★★★

2月4日(4名)

小口泰與
春の日の当たる枯木や雀達★★★
春日射す枝垂れに数多雀達★★★
あえかなる森の新芽や春の朝★★★

多田有花
節分の氏神様で厄払い★★★
立春の野鳥盛んに啄みぬ★★★
春立つ朝野鳥の声に目覚めおり★★★★

廣田洋一
節分や年の数だけ鼓打つ★★★
侘助や華やぎみせる金石城址★★★
立春の対馬海峡風強し★★★★

桑本栄太郎
微笑みのつぼみピンクや寒つばき★★★
歩み行くみずいろ空や春寒し★★★
山茶花の散りて襤褸の舗道かな★★★

2月3日(4名)

小口泰與
あえかなる冬芽を愛でし朝日かな★★★
水鳥やレンズ賄う昨日今日★★★★
茜さす雪の浅間や鳥の声★★★

多田有花
水仙花淡路の友より便り来る★★★★
晩冬や畑に色濃し如月菜★★★
節分や年越祭の町内放送★★★

土橋みよ
 多々良沼にて
寒空に来たりし友と多々良沼へ★★★★
春天へ二羽ずつ翔る白鳥や★★★★
流れにも白鷺ひたと餌を待つ★★★★

桑本栄太郎
蠟梅の玉の明かりや雨しとど★★★
堰水のきらめき落つや春迎う★★★
公園の遊具塗り替え春来たる★★★★

上島祥子
注文の本の知らせや春立つ日★★★
春の雨送迎の車列夜半まで★★★
春立つ日姉とのメールは母の事 ★★★

2月2日(5名)

多田有花
冬深しこの田も宅地に変わりけり★★★
山茶花の根元に花びらの数多★★★
枯芙蓉木の十字架のかかる前★★★

小口泰與
枯木にて枝伸び伸びと鳥支え(原句)
枯木の枝伸び伸びとして鳥支え(正子添削)
おりからの月光沼へ差しにけり★★★
啄木鳥のおりおり聞こゆ沼の端★★★

桑本栄太郎
蠟梅の金のつぼみや雨しとど★★★
冬萌や石垣つなぐうすみどり★★★★
節分や鬼よりこわい山の神★★★

上島祥子
名古屋まで車窓流れる冬景色★★★
手袋の少女指差す新幹線★★★★
八重椿共に手渡す回覧板(原句)
原句は共に手渡すものがよくわからないので、はっきりさせます。(髙橋正子)
八重椿と共に手渡す回覧板(正子添削)

弓削和人
待春や子犬の駆けるちから増す★★★★
寒波来ぬおもわず手足をさすりおり★★★
特急を過ぎゆきて果つ鎌鼬★★★

2月1日(4名)

小口泰與
冬の日の尾上の木木へ隠れけり★★★
豊満なおみな埴輪へ冬日差す★★★
おやみなき浅間の雪を見ておれば★★★

多田有花
春隣る山下刈りの町内放送★★★★
冬耕の後整然と均されて★★★
薄曇る陽に匂いけり枇杷の花★★★

桑本栄太郎
番ごとの浮寝なるらし水面かな★★★
水脈を曳く鳥のつがいや二月来る★★★
もくれんの冬芽かくかくしかじかと★★★

上島祥子
風邪籠り書留届くバイク音★★★
寒灯や練習帰り野球の子★★★
展望台呼吸整う冬青空★★★
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自由な投句箱/1月21日~1月31日

2025-01-22 00:21:12 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    
     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
   右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
   名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
1月31
★しんしんと寒さがたのし歩み行く   星野 立子(ほしの たつこ)
1月30
★身に纏う黒きショールも古りにけり  杉田 久女(すぎた ひさじょ)
1月29
★箸とるときはたとひとりや雪降り来る 橋本 多佳子(はしもと たかこ)
1月28
★餅のかびけづりをり大切な時間    細見 綾子(ほそみ あやこ)
1月27
★寒暁といふ刻過ぎて海青し      谷野 予志(たにの よし)
1月26
★戯曲読む冬夜の食器浸けしまま    杉田 久女(すぎた ひさじょ)
1月25
★厳寒や一と日の手順あやまたず    中村 汀女(なかむら ていじょ)
1月24
★たらちねに送る頭巾を縫ひにけり   杉田 久女(すぎた ひさじょ)
1月23
★水枕ガバリと寒い海がある         西東 三鬼(さいとう さんき)
1月22
★雪残る頂きひとつ国境           正岡 子規(まさおか しき)
1月21日
★かけ通るこがらしの胴鳴りにけり      山口 誓子(やまぐち せいし)
コメント (57)
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