{8月12日}
★霧島やもう中腹はつくつくし/福田ひろし
「霧島」が意外にも効いている。つくつくしは立秋ころから鳴き始めるが、霧島の中腹まで来て、つくつくしの声に出会った。はやも秋が来ていることを知る。(高橋正子)
{8月10日}
★爽やかに夜雨残れる畷かな/小口泰與
立秋を過ぎると、一雨ごとに涼しくなる。蒸し暑い夜の雨も上がってみれば、爽やかな朝となる。田んぼに出て見れば畦草には夜雨の露が置き、爽やかな空気が流れている。(高橋正子)
{8月8日}
★ラジオ体操の子ら走り行く今朝の秋/桑本栄太郎
夏休み朝のラジオ体操も、立秋を迎えて、早朝は暑さも少しは収まってきて、子どもたちも元気に走って集まって来る。爽やかな朝の光景だ。(高橋正子)
{8月7日}
★遠花火雲間にひかり放ちつつ/川名ますみ
遠花火の方か、間近で見るより花火よりもも味わい深いことがある。雲の合間に見えた花火が雲に光を投げている。陰影のある花火だ。(高橋正子)
{8月6日}
★夕焼に釣具を仕舞う男かな/小口泰與
一日釣りを楽しんだ男が夕焼けにシルエットのように浮かび、釣果はともかく、釣りの醍醐味を味わったであろう姿として捉えられる。(高橋正子)
{8月1日}
●小口泰與
鰻屋の大窓開けり西日中/小口泰與
西日の中へ、鰻屋が大きな窓を開けている。西日の暑さに応えるように、鰻も大窓も勢いがある。(高橋正子)