◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

今日の秀句/8月1日-15日(夏休み投句箱)

2015-08-01 16:26:09 | Weblog

{8月12日}
★霧島やもう中腹はつくつくし/福田ひろし
「霧島」が意外にも効いている。つくつくしは立秋ころから鳴き始めるが、霧島の中腹まで来て、つくつくしの声に出会った。はやも秋が来ていることを知る。(高橋正子)

{8月10日}
★爽やかに夜雨残れる畷かな/小口泰與
立秋を過ぎると、一雨ごとに涼しくなる。蒸し暑い夜の雨も上がってみれば、爽やかな朝となる。田んぼに出て見れば畦草には夜雨の露が置き、爽やかな空気が流れている。(高橋正子)

{8月8日}
★ラジオ体操の子ら走り行く今朝の秋/桑本栄太郎
夏休み朝のラジオ体操も、立秋を迎えて、早朝は暑さも少しは収まってきて、子どもたちも元気に走って集まって来る。爽やかな朝の光景だ。(高橋正子)

{8月7日}
★遠花火雲間にひかり放ちつつ/川名ますみ
遠花火の方か、間近で見るより花火よりもも味わい深いことがある。雲の合間に見えた花火が雲に光を投げている。陰影のある花火だ。(高橋正子)

{8月6日}
★夕焼に釣具を仕舞う男かな/小口泰與
一日釣りを楽しんだ男が夕焼けにシルエットのように浮かび、釣果はともかく、釣りの醍醐味を味わったであろう姿として捉えられる。(高橋正子)

{8月1日}
●小口泰與
鰻屋の大窓開けり西日中/小口泰與
西日の中へ、鰻屋が大きな窓を開けている。西日の暑さに応えるように、鰻も大窓も勢いがある。(高橋正子)
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8月1日~15日 (夏休み投句箱)

2015-08-01 16:25:09 | Weblog

8月15日(1名)
●小口泰與
素麺の喉に沁みける秋の雨★★★
枝豆ののっと飛び込むのど仏★★★
饅頭の温泉じるし天高し★★★★

8月14日(2名)

●谷口博望
白桔梗長いもんには巻かれまい★★★
鷺草や池に佇む美少年★★★
山路来て玉紫陽花や秋暑し★★★★

●小口泰與
盆僧の足袋の汚れや入日影★★★
手を入れて水の痛さや秋薊★★★★
朝顔や整髪料を頭に叩き★★★

8月13日(2名)

●谷口博望
山路来て犬山椒に秋蝶来★★★★
秋暑しタイタンビカスそよそよと★★★
郁子の実の葉陰に三つ身を寄せて★★★

●小口泰與
秋の穂の丈伸び伸びと風の中★★★
草の実や梢に鳥の声数多★★★★
ごうごうと山風渡る花野かな★★★

8月12日(4名)

●谷口博望)
秋暑し熱戦続く甲子園★★★★
楸の莢を垂らして残暑かな★★★
仰臥する仏人墓地や秋暑し★★★

●小口泰與
眼間の噴煙常や赤のまま★★★★
朝霧や山影揺るる青き湖★★★
あけぼのの噴煙なびき蛍草★★★

●桑本栄太郎
上気せる貌の乗り来る秋暑かな★★★
向日葵の顔黒くなる昼下がり★★★
買物の最後に籠へ柚子酢橘★★★★

●福田ひろし
霧島やもう中腹はつくつくし★★★★
足悪き遍路の汗や背に染みる★★★
夏燕白き天守を袈裟掛けに★★★

8月11日(4名)

●谷口博望
蝉止んで微かに風の書斎かな
蝉鳴き止み微かな風の書斎かな★★★★(正子添削)
またしても道に出て咲く錦草★★★
枕元濡れて目覚める熱帯夜★★★

●小口泰與
頂上や光零せる秋桜★★★★
透明の秋の利根川馥郁と★★★
独り居の寝酒の酒や霧襖★★★

●小川和子
大花火硝子棟ごし打ち揚がる★★★★
風吹くや家族一緒に観る花火★★★
華麗なる花火街の燈突き抜くる★★★

●桑本栄太郎
秋暑し花見小路の犬矢来★★★
真直ぐなる起重機高き晩夏かな★★★★
合いの手の声囃しつつ法師蝉★★★

8月10日(5名)

●谷口博望
朴の実の一つ二つや秋立ちぬ★★★★
鷺歩く潮入川や秋立ちぬ★★★
今日の秋孫たち連れて漫画展★★★

●小口泰與
月白や浅間の火映ちらちらと★★★
秋光や利根の白波滔滔と★★★
爽やかに夜雨の残りし畷かな
爽やかに夜雨残れる畷かな★★★★(正子添削)

●多田有花
青空といつも決まりし原爆忌★★★
初物の梨売りに来る秋隣★★★★
立秋の雷を聞く洞川温泉★★★

●桑本栄太郎
往きゆきて停止信号秋暑し★★★
さるすべり長き土塀の建仁寺★★★★
秋暑し祇園の路地の黒き影★★★

●川名ますみ
立秋の夕べの窓の音を聴く★★★★
りんりんと秋立つ夕の窓鳴りぬ★★★
窓の夕はや立秋の響きさす★★★

8月9日(3名)

●谷口博望
真直ぐの平和通りへ西日かな★★★★
大西日木陰の中を透き通る★★★
瀬戸内へ西日落ちつつ茜雲★★★

●小口泰與
花びらの数に雫のダリアかな★★★
出し抜けに噴煙みゆる荻の声★★★
ひぐらしや榛名十峰彫り深し★★★★

●桑本栄太郎
新涼や思いがけなき窓の風★★★★
つくづくと惜しむひと日や法師蝉★★★
マリア像嘆く長崎原爆忌★★★

8月8日(3名)

●谷口博望
原爆忌世界中から広島へ★★★
鈴生りのあおぎりの実や広島忌★★★★
 (あおぎり:被爆樹)
広島忌安倍倒せてふデモ来たり★★★

●小口泰與
丹精の染めの羅遺しけり★★★
火口湖の夕映え映ゆる蝉時雨★★★
夏山や尊き水の醍醐水★★★★

●桑本栄太郎
ラジオ体操の子ら走り行く今朝の秋★★★★
逢えばまた別れ哀しき酔芙蓉★★★
かなかなや里に灯点る嶺の影★★★

8月7日(4名)

●谷口博望
広島忌「夾竹桃の唄」聞ゆ★★★
まだ青き黄心樹の実や広島忌★★★★
たゆたへる鎮魂の灯や広島忌★★★

●小口泰與
みんみんの鳴く鳴くとぶよ忙しなし★★★
三国志閉じて眼間金亀子★★★★
籐椅子や小犬に腹をけられける★★★

●桑本栄太郎
炎天の風に死すべき草田男忌★★★★
つくづくと何を惜しむや法師蝉★★★
蕭条と鐘と焔や広島忌★★★

●川名ますみ
その艶に日を打ち返す樟若葉★★★
遠花火探す隣家の声交ざり★★★
遠花火雲間にひかり放ちつつ★★★★

8月6日(2名)

●小口泰與
炎昼や句碑に映るる句友達★★★
白き腹一閃見せて夏つばめ★★★
夕焼に釣具を仕舞う男かな★★★★

●桑本栄太郎
弁柄の一力茶屋や片かげり★★★★
さるすべり祇園の路地の町家かな★★★
外つ人のカメラの列や炎天下★★★

8月5日(2名)

●桑本栄太郎
川風のくすぐり白き木槿かな★★★
釣り人の上流(かみ)を潜るや水眼鏡★★★★
塩飴を今朝も含むや草田男忌★★★

●小口泰與
山の端へ日の入る時や紅薔薇★★★
夕焼や黙せまり来るのっぽビル★★★
薫風や裾野優美な赤城山★★★★

8月4日(3名)

●小口泰與
我が影にすいっと浮遊目高どち★★★
靄巻きし橅の林やほととぎす★★★★
老鶯や池をはやせし人の影★★★

●上島祥子
雄花だけ満開となりツルレイシ★★★
サンドレス肩紐伸ばしもう一年★★★★
短夜の写本はすぐに終わりけり★★★

●川名ますみ
髪切って夏服パンツスタイルに★★★★
遠花火ビルの谷間に跳ねあがる★★★
遠花火フェイスブックに隣り合い★★★

8月3日(1名)

●小口泰與
腹ばいて蟻の国をや覗きける★★★
手花火の玉のひと際かがよえる★★★★
石段の杖にまといし夏の風★★★

8月2日(1名)

●小口泰與
十州の境連なる青りんご★★★★
信州に連なる十州は、りんごの産地といえる。青く高い峰々を望み、青いりんごが実っている。すがすがしい思いになる。(高橋正子)

朝の日に応え莞爾と蓮咲けり★★★
青田道木々より黒き羽根の落つ★★★

8月1日(1名)

●小口泰與
鰻屋の大窓開けり西日中★★★★
西日の中へ、鰻屋が大きな窓を開けている。西日の暑さに応えるように、鰻も大窓も勢いがある。(高橋正子)

凌霄花や人里遠き大社★★★
老鶯や青き赤城山(あかぎ)へ雲一朶★★★
コメント (3)
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