◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●自由な投句箱/10月1日~10日●

2016-10-01 23:01:41 | Weblog

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今日の秀句/10月1日~10日

2016-10-01 23:01:03 | Weblog

[10月10日]

★バスを待つ間にも流るる秋の雲/桑本栄太郎
秋の雲は移ろいやすい。その形、その動き。バスを待って、なんとなく見上げる空に、雲は流れていく。縹渺と湧き、軽やかに流れる秋の雲に人は似たような思いをもつ。(高橋正子)

[10月9日]

★いつまでも帰燕の空や広島城/谷口博望 (満天星)
広島城の空にこれから南へ帰ろうとする燕が集まり飛んでいる。仲間が集まるまでは、広島城の空にいるのだろうか。燕を見送るというのはなにか寂しい。「いつまでも」に燕への愛着が感じられる。(高橋正子)

[10月8日]

★ゆりの木の黄葉し初めりバス通り/桑本栄太郎
黄葉し初めたゆりの木の並木があるバス通り。高木のゆりの木が黄葉のトンネルのようになって、絵画の中の風景のようだ。それを楽しむ作者。(高橋正子)

[10月7日]

★月見終え刈り取られたる尾花かな/廣田洋一
月を風情ゆたかにする尾花は、月見には欠かせない。月見までは尾花を刈り取らないでおく心意気。月見が終われば、きれいに刈り取って、さっぱりとさせる。月見の余韻のなかに刈り取られた草原が、清潔だ。(高橋正子)

[10月6日]

★D51の鉄橋駆ける秋高し/小口泰與
デゴイチの愛称で親しまれる蒸気機関車もすでに懐かしい存在になっているが、一部では今も観光などで活躍している。鉄橋を渡る蒸気機関車に、秋空はあくまでも高く、その雄姿を輝かせている。(高橋正子)

[10月5日]

★秋物をスーツケースへ旅支度/多田有花
季節の変わり目、違う土地への旅は着る物を考える。少し北への旅かもしれないが、秋物の洋服をスーツケースに詰めて、「秋の旅」に心が弾む。旅の楽しみは、準備や支度をするときから始まっている。(高橋正子)

[10月4日]

★柿の秋小さき実なれど育てよと/河野啓一
我々は柿の木にずっと親しんできた。小さい実だからこそ育ち熟れるのを応援したくなる。柿の木と啓一さんの対話が聞こえそうだ。熟れた柿の甘さは、日本の秋の、ふるさとを思わす捨てがたい味覚。(高橋正子)

[10月3日]

★朝赤城山(あかぎ)よく見え畦の赤蜻蛉/小口泰與
日々見ている赤城山が、今朝は空気が澄んでとくに「よく見える」。畦には赤蜻蛉が飛び、澄明な季節が詠まれて、読む者に、すがすがしさをくれる。(高橋正子)

[10月2日]

★秋蝶の羽ばたき明るし寺の庭/上島祥子
寺の静かな庭、地味になりがちな寺の庭に秋蝶が羽ばたいている。黄蝶であろうか。その愛らしい姿が寺の庭を明るくしている。静かななかの明るさがうれしい。(高橋正子)

[10月1日]

★金木犀香り放ちて風を染め/河野啓一
金木犀の香りが、風にのって漂ってくる。金木犀の香りを吸えば、条件反射のように、小さい黄色いの十字の花がすぐに思い浮かぶ。香りが風を染めている。(高橋正子)
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10月1日~10日

2016-10-01 23:00:33 | Weblog


10月10日(5名)

●満天星
磯鴫の葦の川辺を遠眼鏡★★★★
黐の実に群れたる鳥の喧しき★★★
いろいろに鵯の鳴く声園の中★★★

●小口泰與
溢れ出づ蜻蛉の羽に朝日かな★★★★
湿原の足のあとさき赤蜻蛉★★★
松茸の案内墨痕淋漓なり★★★

●廣田洋一
体育の日一発勝負の句会かな★★★
踏板の埃を払う体育の日★★★
菊膾彩り愛でつ酒を酌む★★★★

●河野啓一
朝空を埋め尽くしてや鱗雲★★★★
うろこ雲綿菓子のごと掻き寄せたい★★★
鱗雲透かし差し込む日の温み★★★

●桑本栄太郎
野の花や畦に埋もり路線バス★★★

バスを待つ間にも流れし秋の雲(原句)
バスを待つ間にも流るる秋の雲★★★★(正子添削)秋の雲は移ろいやすい。その形、その動き。バスを待って、なんとなく見上げる空に、雲は流れていく。縹渺と湧き、軽やかに流れる秋の雲に人は似たような思いをもつ。(高橋正子)

雲の端の嶺に黄金や秋入日★★★

10月9日(4名)

●小口泰與
芋の露榛名山は靄に隠れけり★★★
榛名富士見上げる大地蕎麦の花★★★
見上げたる榛名山は定か蕎麦の花★★★★

●廣田洋一
旧友の開店祝い温め酒★★★★
温め酒友の苦労を労りつ★★★
初七日の夜をひとりの温め酒★★★

●谷口博望 (満天星)
いつまでも帰燕の空や広島城★★★★
広島城の空にこれから南へ帰ろうとする燕が集まり飛んでいる。仲間が集まるまでは、広島城の空にいるのだろうか。燕を見送るというのはなにか寂しい。「いつまでも」に燕への愛着が感じられる。(高橋正子)

団栗を拾わば上で川鵜鳴く★★★
異な臭い銀杏落ちて朽ちにけり★★★

●桑本栄太郎
朴の葉の白き葉裏や天高し★★★
白壁の土塀のありぬ柿の里★★★
夕鵙の雑木林に入日かな★★★★

10月8日(2名)

●小口泰與
濁酒や地声の太き老猊下★★★
新妻の姉さん被り秋祭★★★
ひと雨をしおに連合い障子貼る(原句)
ひと雨をしおに妻が障子貼る★★★★(正子添削)

●桑本栄太郎
ともがらの訃報のありぬ辛夷の実★★★

ゆりの木の黄葉初め居りバス通り(原句)
ゆりの木の黄葉し初めりバス通り★★★★(正子添削)
黄葉し初めたゆりの木の並木があるバス通り。高木のゆりの木が黄葉のトンネルのようになって、絵画の中の風景のようだ。それを楽しむ作者。(高橋正子)

コスモスの彼方に白き民家かな★★★

10月7日(5名)

●小口泰與
青空の赤城山榛名山や鉦叩★★★★
コスモスやリボンの舞の新体操★★★
零れたる新酒を顔へ妻の笑み★★★

●多田有花
真っ白な茸が森に点々と★★★★
秋天の青さへ伸びる東京タワー★★★
都庁より秋の東京大展望★★★

●河野啓一
秋耕やあやめ大株掘り上げる★★★★
秋蝶の日々草に憩いいて★★★
秋の日の温み木々の葉透かし来て★★★

●廣田洋一
月見終え刈り取られたる尾花かな★★★★
月を風情ゆたかにする尾花は、月見には欠かせない。月見までは尾花を刈り取らないでおく心意気。月見が終われば、きれいに刈り取って、さっぱりとさせる。月見の余韻のなかに刈り取られた草原が、清潔だ。(高橋正子)

道の端一際高き尾花かな★★★
風に揺れ銀波となりし尾花かな★★★

●桑本栄太郎
大根蒔く腰の屈みや頬被り★★★
青き香の泥のなかより牛蒡引く★★★★
定家碑の小倉山荘秋入日★★★

10月6日(5名)

●小口泰與
D51の鉄橋駆ける秋高し★★★★
デゴイチの愛称で親しまれる蒸気機関車もすでに懐かしい存在になっているが、一部では今も観光などで活躍している。鉄橋を渡る蒸気機関車に、秋空はあくまでも高く、その雄姿を輝かせている。(高橋正子)

干柿や常に鴉の電線に★★★
山道を単車疾走花薄★★★

●河野啓一
秋茄子の長く細きを届けられ★★★★
パンを焼くイースト菌も秋日和★★★
野分去る白雲ふわとちぎれいて★★★

●廣田洋一
野分過ぎ空に群れおる鰯雲★★★★
道端に蜜柑転がる野分後★★★
金木犀過ぎれば聞こゆ黄の匂い★★★

●桑本栄太郎
山城のような鹿垣里の峰★★★
少しひげありて鄙めく衣被★★★★
徒食なる閑居といえど秋渇き★★★

●谷口博望(満天星)
ぽつかりと色づく雲の秋の暮★★★
野分あと三日月高く上りけり★★★★
ヴィオロンを奏でるごとく虫の声★★★

10月5日(6名)

●小口泰與
まのあたり天降(あも)りし畦の曼珠沙華★★★
老いてこそ恃むは妻ぞ秋の空★★★
歌舞伎座を出でて銀座の夜長かな★★★★

●廣田洋一
石焼芋黄金の湯気のほかほかと★★★★
焼芋や禁じられたる落葉焚き★★★
焼芋や電子レンジで焼く時代★★★

●河野啓一
髪刈って風呂に入って秋風に★★★★
百日紅愛らしきかな咲き続け★★★
雨上がる野分は去りぬ日本海★★★

●多田有花
秋物をスーツケースへ旅支度★★★★
季節の変わり目、違う土地への旅は着る物を考える。少し北への旅かもしれないが、秋物の洋服をスーツケースに詰めて、「秋の旅」に心が弾む。旅の楽しみは、準備や支度をするときから始まっている。(高橋正子)

秋の汗日課の山をひとめぐり★★★
言葉を交わす萩の咲く頂で★★★

●桑本栄太郎
洛北の里にいろづく柿の村★★★
落柿舎に蓑笠ありぬ捨案山子★★★
添水鳴る庭巡りおり天竜寺★★★★

●谷口博望 (満天星)
園児行く動物園の黄鶺鴒★★★
台風過宵の明星雲間より★★★★
台風過川面に揺るるビル明かり★★★

10月4日(4名)

●小口泰與
見晴るかす紅葉の森和みたり★★★★
二千キロ翔る秋蝶居りにける★★★
鬼灯や落暉の雲の帰り道★★★

●河野啓一
柿の秋田舎暮らしをふと思い★★★
柿の秋小さき実なれど育てよと★★★★
我々は柿の木にずっと親しんできた。小さい実だからこそ育ち熟れるのを応援したくなる。柿の木と啓一さんの対話が聞こえそうだ。熟れた柿の甘さは、日本の秋の、ふるさとを思わす捨てがたい味覚。(高橋正子)

法隆寺近きにありて柿の村★★★

●谷口博望 (満天星)
晩秋やアフリカを聞く象の耳★★★
晩秋の犀悠々と長寿なり★★★★
タラの実や黒犀長寿世界一★★★

●桑本栄太郎
鴨川の堰水怒涛や秋の声★★★★
実椿の脇につぼみも控えけり★★★
一しきり畦に残さる彼岸花★★★

10月3日(5名)

●小口泰與
杉の実や幼きときは餓鬼大将★★★
朝赤城山(あかぎ)よく見え畦の赤蜻蛉★★★★
日々見ている赤城山が、今朝は空気が澄んでとくに「よく見える」。畦には赤蜻蛉が飛び、澄明な季節が詠まれて、読む者に、すがすがしさをくれる。(高橋正子)

秋蝉や山を越え来し風と雲★★★

●谷口博望(満天星)
河口より南へ渡る鵯の群★★★★
遠眼鏡初鵙かわい葦の原★★★
大干潟渚を歩く鴫一羽★★★

●廣田洋一
小判鮫身を尽くしてぞ共に生く★★★
ハイジャンプ海豚の鳴らす鐘の音や★★★★
イルカガールイルカと共に芸磨く★★★

●河野啓一
秋暑し朝の挨拶変わらずに★★★★
ちらほらと鄙の棚田の稲架の影★★★
車止め路傍の薄手折り来ぬ★★★

●桑本栄太郎
戸袋に転がるように虫の声★★★
鵯のちょんちょん跳ねて飛びゆけり★★★
外つ人の祇園にあふれ秋暑し★★★★

10月2日(5名)

●谷口博望(満天星)
曼珠沙華サダコの鶴が天空へ★★★
原爆で歪む九輪や曼珠沙華★★★★
若人を見れば身にしむわが白髪★★★

●小口泰與
山影を映す榛名湖初紅葉★★★★
醜草へ露ならびける鳥の声★★★
露天湯や雨にこぼるる葛の花★★★

●河野啓一
十月や月遅れたる墓参かな★★★
秋色の山懐の祖霊かな★★★★
ゆらゆらと実も葉も揺れて柿の秋★★★

●桑本栄太郎
秋草を壺に投げ入れ野の風を★★★★
さお竹の軒端にありぬ柿の村★★★
手網(たも)を持つ親子田道や赤とんぼ★★★

●上島祥子
秋蝶の羽ばたき明るし寺の庭★★★★
寺の静かな庭、地味になりがちな寺の庭に秋蝶が羽ばたいている。黄蝶であろうか。その愛らしい姿が寺の庭を明るくしている。静かななかの明るさがうれしい。(高橋正子)

振る舞いの萩茶やかんになみなみと★★★
白萩の僅かに残る萩の寺★★★

10月1日(4名)

●小口泰與
新走柾目の通る桧枡★★★★
群椋のいっせい翔つ一羽漏れ★★★
赤城山(あかぎ)より朝の冷気や赤蜻蛉★★★

●河野啓一
金木犀香り放ちて風を染め★★★★
金木犀の香りが、風にのって漂ってくる。金木犀の香りを吸えば、条件反射のように、小さい黄色いの十字の花がすぐに思い浮かぶ。香りが風を染めている。(高橋正子)

老爺にもほのかな思い金木犀★★★
蜂の巣のかってありたる金木犀★★★

●多田有花
降りだした雨に金木犀匂う★★★★
打ち込みのピアノの音色秋の夕★★★
秋雨を集め濁り川となる★★★

●桑本栄太郎
テレビつけ秋の朝餉の孤食かな★★★
雨音のどこか微かにつづれさせ★★★★
十月の一日に三たび空模様★★★
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