◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/11月11日~20日

2018-11-14 17:20:35 | Weblog

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


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今日の秀句/11月11日~20日

2018-11-14 17:19:12 | Weblog

11月20日(2句)

<赤目四十八滝>
★それぞれに名を持つ冬の滝めぐる/多田有花
冬の滝は水量も少なくなって、厳冬期には凍ることもあるが、この句に詠まれた滝は、まだまだ水量が豊かなようだ。沢山の変化に富んだ滝を歩いて巡るのは面白いことだろう。忍者修行の地の滝巡りに脚力は欠かせないのかもしれないが。(高橋正子)

★通りがけ焚火に寄りて親しめり/廣田洋一
通りがけに焚火をしているところに出会った。最近では焚火で温まることも少ないが、つい寄ってみたくなる。「親しめり」が懐かしい気持ちのあっていい。(高橋正子)


11月19日(2句)

★マスク子の電車待つ間も日向かな/桑本栄太郎
マスクをした子は、風邪をひいているのだろう。電車を待っている間も、日向で暖まりながら、ホームに立っている。その子を見守る眼差しがやさしい。(高橋正子)

★行く水に冬の紅葉の映えており/多田有花
冬紅葉のあでやかさが極まるころ。池や湖の水に映るのもよいが、流れ行く水に映る冬紅葉も、刻々新しい影を流れに映していいものである。(高橋正子)

11月18日(1句)

★冬の海水鳥飛ばす高き波/廣田洋一
「冬の海」は湘南の海であろうか。からりと明るいイメージがあると、冬は曇れば色も寂しく、うねりが大きく高い波が寄せたりする。水鳥が高い波に弄ばされるかのように飛ぶ。生き生きとした冬海の風景。(高橋正子)

11月17日(2句)

★鳥の影一つも無きや冬耕は/廣田洋一
耕しておれば、春ならば、小鳥の囀りがうららかに聞こえてくるが、冬の今は、鳥の影さえ見ない。耕した畑はしんとして力を溜めつつあるようにも思える。(高橋正子)

★上州は雲早き郷返り花/小口泰與
上州はからっ風が名物になるほど。空を吹く風は雲を走らせる郷だ。そんな上州も小春日和が続くと、返り花が咲き、季節外れの花をかわいらしいと思う。(高橋正子)

11月16日(2句)

★冬紅葉合間に光る播磨灘/多田有花
冬紅葉の鮮やかさ。その合間に光る穏やかな播磨灘。かっちりとした紅葉と海の景色だ。(高橋正子)

★冬の蝶花無き里を飛び行けり/廣田洋一
冬となって辺りには花もない里となった。蝶は波を描くように飛んでゆく。蝶の飛ぶのを見送りながら、蝶の命を思ったことだろう。(高橋正子)

11月15日(句)

★徳山の煙りあまたや冬入日/桑本栄太郎
徳山は山口県にある工業都市。「徳山セメント」とセメントの紙袋に印刷された字が遠い昔のこととして私の記憶にある。たくさんの煙突があって、煙が幾本立ち昇っている。すぐに沈んでしまう冬の入日は哀しいほどだ。(高橋正子)

★冬灯読書する影映しけり/川名ますみ
冬の灯を近寄せて読書をしているとき、ふと自分の影に気づく。本を読みふけっている時には気づかなかった自分の影。気づいたとき、「なあんだ、私か。」と思ったのかも。(高橋正子)

11月14日(3句)

★山茶花のこぼれし道や海近し/廣田洋一
山茶花の花の色と海の色の取り合わせに、明るい色調があって、冬が楽しそうである。(高橋正子)

★がっしりの浅間眼間冬林檎/小口泰與
冬の浅間山。がっしりと眼前に聳え、手前には林檎が赤く実をつけている。遠景と近景の配合に、浅間山がぐっと身近に迫ってくる迫力がある。(高橋正子)

★深々と音の冷えをり冬紅葉/桑本栄太郎
「音が冷える」は感覚的な捉え方だ。冬紅葉が照り映えるなか、空気は冷たく、ものの音が、深々と冷えている。はやも底冷えがする冬紅葉である。(高橋正子)

11月13日(2句)

★茶の花や真直ぐに伸ぶ石畳/小口泰與
御屋敷の石畳であろうか。きっちりと真直ぐに伸びている。その傍に茶の花が咲いて、品のよい空気がただよう。清らかな印象の句だ。(高橋正子)

★快晴に甘き香りよ枇杷の花/多田有花
冬の初めに嗅ぐ枇杷の花の香りは印象深い。甘く、品のある香り。快晴の空があれば、枇杷の花も空に映えて、匂いもいっそう香しい。(高橋正子)

11月12日(句)

★木枯しや牛舎の隅に牛集う/小口泰與
木枯らしが早くも吹いた。牛舎の牛も寒さに驚き、体を寄せ合って隅に固まっている。牛舎の藁の匂いや牛の匂いが、私には、冬の匂いとして思い起こされた。(高橋正子)

★産土の神旅立ちの風清か/廣田洋一
陰暦の10月は、産土の神も出雲へ旅立つ。神の旅立ちの頃の風を神渡というが、その風も清かに思われ、神の留守の感じも強まる。(高橋正子)

11月11日(2句)

★潟の蟹無心に食事小春かな/廣田洋一
干潟の小春。穏やかな小春日和と、蟹の無心にな様子に心和むとき。いい時間を過ごされた。(高橋正子)

★窓はみな薪に塞がる冬はじめ/小口泰與
冬を越すための薪がたくさん用意され、軒下の雨の当たらないところに積まれる。自然、窓という窓がふさがれる。冬用意の仕方を見れば、そこの冬の厳しさが知られる。(高橋正子)
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11月11日~20日

2018-11-14 17:11:01 | Weblog

11月20日(4名)

小口泰與
産土は鶴の容や神の旅★★★★
並びたる梢の雀小六月★★★
偵察に下りたる雀小春かな★★★

多田有花
<赤目四十八滝三句>
それぞれに名を持つ冬の滝めぐる★★★★
冬の滝は水量も少なくなって、厳冬期には凍ることもあるが、この句に詠まれた滝は、まだまだ水量が豊かなようだ。沢山の変化に富んだ滝を歩いて巡るのは白いことだろう。忍者修行の地の滝巡りに脚力は欠かせないのかもしれないが。(高橋正子)

冬の陽は斜めに渓谷の底へ★★★
とどまれば水は映しぬ冬紅葉★★★

桑本栄太郎
傾ぎても花の記憶や秋桜★★★
石蕗咲いてしるべと為すや建仁寺★★★★
紅葉客どつと吐き出す河原町駅★★★

廣田洋一
焼く肉の残り少なき焚火かな★★★
火吹竹吹きて守りし焚火かな★★★
通りがけ焚火に寄りて親しめり★★★★
通りがけに焚火をしているところに出会った。最近では焚火で温まることも少ないが、つい寄ってみたくなる。「親しめり」が懐かしい気持ちのあっていい。(高橋正子)

11月19日(4名)

小口泰與
山茶花や今朝も赤白散りにける★★★
湖へ差す日差しすべるや小六月★★★
冬の朝紺の山山新しき★★★★

廣田洋一
枯木にて空を見渡す尾白鷲★★★★
大鷲や背を伸ばしたる餌場かな★★★
烏乗せ空を遊覧大鷲かな★★★

桑本栄太郎
ぼうぜんと日向の中に枯尾花★★★
勇忌の落葉散り敷く勇歌碑★★★
マスク子の電車待つ間も日向かな★★★★
マスクをした子は、風邪をひいているのだろう。電車を待っている間も、日向で暖まりながら、ホームに立っている。その子を見守る眼差しがやさしい。(高橋正子)

多田有花
まっすぐに遠き焚火の煙かな★★★
冬紅葉囲む小さな山の駅★★★
行く水に冬の紅葉の映えており★★★★
冬紅葉のあでやかさが極まるころ。池や湖の水に映るのもよいが、流れ行く水に映る冬紅葉も、刻々新しい影を流れに映していいものである。(高橋正子)

11月18日(3名)

廣田洋一
青空に水面眩しき冬の海★★★
白き波崩れて白き冬の海★★★
冬の海水鳥飛ばす高き波★★★★
「冬の海」は湘南の海であろうか。からりと明るいイメージがあると、冬は曇れば色も寂しく、うねりが大きく高い波が寄せたりする。水鳥が高い波に弄ばされるかのように飛ぶ。生き生きとした冬海の風景。(高橋正子)

小口泰與
冬菊や良き酒のある諏訪の町★★★
むく犬は日向の匂い返り花★★★
裏庭の日の当りたる蜜柑かな★★★★

桑本栄太郎
冬空の広く青きや放れ雲★★★★
綿虫の吾を慕いて浮遊かな★★★
だれ一人採る人なきや柿灯る★★★

11月17日(3名)

廣田洋一
鳥の影一つも無きや冬耕は★★★★
耕しておれば、春ならば、小鳥の囀りがうららかに聞こえてくるが、冬の今は、鳥の影さえ見ない。耕した畑はしんとして力を溜めつつあるようにも思える。(高橋正子)

冬耕や鳥の声なく終わりたる★★★
冬耕す風無き午後の青き空★★★★

小口泰與
小春日や犬の欠伸につられける★★★
上州は雲早き郷返り花★★★★
上州はからっ風が名物になるほど。空を吹く風は雲を走らせる郷だ。そんな上州も小春日和が続くと、返り花が咲き、季節外れの花をかわいらしいと思う。(高橋正子)

葱の畦小犬駆けりて糞したり★★★

桑本栄太郎
小春日の畳彷徨うルンバかな★★★
又一葉モミジバ楓の落葉散る★★★
冬蝶の風によろめき道向こう★★★

11月16日(4名)

小口泰與
柊の花や三山靄の中★★★★
小春日や牧草ロールおちこちに★★★
野良猫の岸辺動かぬ北颪★★★

多田有花
冬紅葉合間に光る播磨灘★★★★
歯科医にて口開けている冬はじめ★★★
冬浅し薄き日差しが山頂に★★★

廣田洋一
冬茜富士の稜線くっきりと★★★
冬の蝶花無き里を飛び行けり★★★★
山茶花や白き花にも紅ほのか★★★★

桑本栄太郎
山影の黒く連なり冬没日★★★
踏みしだき舗道に色や落葉散る★★★
木の葉散る道を好みて歩きけり★★★★

11月15日(5名)

小口泰與
そっくりや赤子の声の寒鴉★★★
侘助や赤城の襞の彫深し★★★
小春日や欅大樹の鳶の笛(原句)
小春日や欅大樹へ鳶の笛★★★★(正子添削)

廣田洋一
茶の花や小さく俯き香り濃し★★★
用水路茶の花咲かせ水澄めり★★★★
小道行く日陰に白きお茶の花★★★

多田有花
チャペルの鐘小春日和の麓より★★★★
冬の雲戴く小豆島真昼★★★
冬晴れの六甲淡路小豆島★★★

桑本栄太郎
<新幹線の家路>
徳山の煙りあまたや冬入日★★★★
晩稲田の入日黄金や播州路★★★★
冬麗の電話に聞くや孫の歌★★★

川名ますみ
秋澄みぬ父親しかと抱っこひも★★★
雲過ぎてうすむらさきの秋薔薇★★★
冬灯読書する影映しけり★★★★

11月14日(4名)

廣田洋一
山茶花のこぼれし道や海近し★★★★
山茶花の散りて残れる蕊黄色★★★
山茶花や天地を赤く染めてをり★★★

小口泰與51
柊の花や浅間はとの曇★★★
噴煙の南へ流る花八手★★★
がっしりの浅間眼間冬林檎(原句)
浅間嶺のがっしりとあり冬林檎★★★★(正子添削)
「がっしりの」は不自然です。「がっしりと」となるべきところ。「がっしりと」は、近くにあるものをよく見て、よく感じてのことなので、「眼間」を省きました。
冬の浅間山。がっしりと眼前に聳え、手前には林檎が赤く実をつけている。遠景と近景の配合に、浅間山がぐっと身近に迫ってくる迫力がある。(高橋正子)

多田有花
小春日の頂に座し海を見る★★★★
はつ冬の皇帝ダリア風に揺れ★★★
連なりし雲より冬めく日差し漏れ★★★

桑本栄太郎
一枚の稲穂残れる刈田かな★★★
トンネルを出でて白砂や冬の川★★★
深々と音の冷えをり冬紅葉★★★★

11月13日(4名)

小口泰與)
冬紅葉水面いよいよ華やかに★★★
今朝赤城冷気放ちし冬薔薇★★★
茶の花や真直ぐに伸ぶ石畳★★★★

廣田洋一
掃く人の背中に光る落葉かな★★★
銀杏落葉実を潜ませて匂ひけり★★★★
銀杏落葉信号無視の車道かな★★★

多田有花
冬浅き陽が播磨灘照らしおり★★★
快晴に甘き香りよ枇杷の花★★★★
冬紅葉いま彩りの頂点に★★★

桑本栄太郎
<秋穂(あいお)温泉、秋穂荘>
秋穂なる冬の昼餉や周防灘★★★
冬日燦々はるか眼下に周防灘★★★★
冬日さすパノラマ景色や周防灘★★★

11月12日(4名)

小口泰與
木枯しや牛舎の隅に牛集う★★★
山風に向いて帰る冬田道★★★
撒き餌に二羽三羽四羽寒雀★★★

廣田洋一
江の島の白帆はためく神渡★★★
並木の葉はらはら散りて神渡★★★
産土の神旅立ちの風清か★★★★

多田有花
<宮島・弥山三句>
牡蠣たっぷり載せし広島焼を食ぶ★★★
ロープウェイ紅葉の谷を渡りけり★★★★
澄む秋の静かな瀬戸の海と島★★★

桑本栄太郎
<山口大神宮にて七五三より>
森閑と冬の木洩れ日大神宮★★★★
初めての羽織袴や着袴の儀★★★
七五三終へて安堵の昼餉かな★★★

11月11日(2名)

廣田洋一
畑の土黒々光る小春かな★★★
潟の蟹無心に食事小春かな★★★★
木間より鳥の声降る小六月★★★

小口泰與
秋櫻子の渓にかがよう輝葉かな★★★
小春日や水面に映る木木の影★★★
窓はみな薪に塞がる冬はじめ★★★★
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