◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/4月1日~10日

2019-04-07 11:02:03 | Weblog

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今日の秀句/4月1日~10日

2019-04-07 11:01:28 | Weblog

4月10日(1句)

★空堀にたんぽぽ溢れ彦根城/桑本栄太郎
花冠の大阪大会で、琵琶湖・長浜を案内いただいたとき、湖畔から彦根城を眺めた。空堀は見なかったが、彦根城の空堀にたんぽぽが咲いて、春の季節ならは特にであろうが、今は昔を思い知らされる。(高橋正子)

4月9日(1句)

★の花競ひて天に伸び行けり/廣田洋一
松の花がたくさん、密に伸びている様子は、春空へ伸びるのを競っているようにも思える。それだけ勢いのある松の花だ。(高橋正子)

4月8日(1句)

★咲き満ちし花を散らせる禽の数/小口泰與
もとの句は、「咲き満ちて花を散らす」のが「禽(の数)」となって、句意が通りにくい。
咲き満ちた花を散らすのは、風ではなく、花の蜜を吸いに来た禽たち。いろんな禽がいるのだろう。豪華な景色だ。(高橋正子)

4月7日(2句)

★はくれんの飛び立つ如し不動堂/多田有花
飛び立とうとするような純白のはくれんに不動堂が取り合わされて、構成のしっかりした句になっている。(高橋正子)

★いずこかに鳥の巣の有り声高し/廣田洋一
高いところから盛んに鳥の声が聞こえる。この声高さは、鳥の巣がきっと近くにあると思える。春なればこその朗さ。(高橋正子)

4月6日(1句)

★たそがれて残花散り行く街の角/廣田洋一
たそがれの街を残花が散ってゆく。街角にきてそうなのだ。花の哀愁とでも言うのだろうか。(高橋正子)

4月5日(3句)

★清明の水吸う苔のふくらみぬ/廣田洋一
「清明の水」と言われ、冷たく清らかな水が思える。その水を含んで苔がふくらむ。清明の日より万物は明るく潤っていくように思える。(高橋正子)

★おにぎりを頬張るごとに山笑う/小口泰與
縁先でも、野山でもいい。塩味の効いたおにぎりの美味さ。頬張るごとに山が笑う。健康な句だ。(高橋正子)

★あぜ道の吾に鳴くなり揚雲雀/桑本栄太郎
もとの句には「一人」があった。吾に鳴くのであるから、仮に周りに人がいたとしても、雲雀が高くより鳴声を落としてくれるのは、「吾一人」にである。揚雲雀とつながる嬉しさ。(高橋正子)

4月4日(1句)

★花を見て仁王像見て山に向かう/多田有花
仁王像があるのは、寺であろう。山すその寺の桜花、そして仁王像。花の匂わしさ、仁王像の力強さがうまくマッチして英気を養ってくれるようだ。そして山へ向かう。その溌剌さがいい。(高橋正子)

4月3日(1句)

★花冷やもてなしの茶を頂きぬ/廣田洋一
花冷」という寒さに、もてなされた茶のあたたかさ。花の季節の麗しさが加わり一服の茶にしみじみと心和む。(高橋正子)

4月2日(1句)

★木の芽時溶岩台地のうるおえり/小口泰與
溶岩が流れ出て作られた台地。そんな台地も木の芽時の雨にうるおい萌える気配がある。(高橋正子)

4月1日(2句)
★染井吉野咲き初む高き一枝より/多田有花
高い枝、空に一番触れる枝から咲き始めた桜。さきがけの瑞々しさに触れた嬉しさ。(高橋正子)

★植込みのつつじ咲き初む駅舎かな/桑本栄太郎
「つつじ」と「駅舎」の取り合わせがリアル。日常という現実感の強さに惹かれた。(高橋正子)
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4月1日~10日

2019-04-07 10:50:45 | Weblog

4月10日(4名)

多田有花
朝日さすやまとごころの山桜★★★
少年の手足は長く伸びて春★★★★
快晴の空に舞いおり初燕★★★

小口泰與
湖釣の竿に魚信(あたり)や春炬燵★★★

砂浴びの雀や風の黄水仙(原句)
砂浴びの雀と風の黄水仙★★★★(正子添削)
砂浴びの雀と風の黄水仙は、同じくらいの意味の重みがあります。片方だけに「かな」を付けると句がまとまらなくなります。

耕しの鍬振り上げて禽を追う★★★

廣田洋一
雨に打たれ花弁一つ零れけり★★★
道の端ぱつと明るく躑躅咲く★★★
紅躑躅広く見えたる狭庭かな(原句)
紅躑躅狭庭の広く見えしかな★★★★(正子添削)
「広く見えた(る)」ことに心が動いたのではないでしょうか。「かな」は、感動の中心につけてください。

桑本栄太郎
<彦根城三題>
空堀にたんぽぽ溢れ彦根城★★★★
花冠の大阪大会で、琵琶湖・長浜を案内いただいたとき、湖畔から彦根城を眺めた。空堀は見なかったが、彦根城の空堀にたんぽぽが咲いて、春の季節ならは特にであろうが、今は昔を思い知らされる。(高橋正子)

生きてなお散る時想う花の宴★★★
天守より眼下に春の淡海かな★★★

4月9日(3名)

小口泰與
ほわほわと赤子指差す桜かな★★★
あと一杯止むや目の前桜餅★★★
春灯やカメラの前の吾子二人★★★

多田有花
五重塔春しぐれあがる青空に★★★
リズムが整っていないのが難点です。

花時の中金堂から南円堂★★★★
花満喫そば定食で締めくくる★★★

廣田洋一
下枝の若葉鮮やか桜かな★★★★
花吹雪風にあおられ散り散りに★★★
松の花競ひて天に伸び行けり★★★★
松の花がたくさん、密に伸びている様子は、春空へ伸びるのを競っているようにも思える。それだけ勢いのある松の花だ。(高橋正子)

4月8日(4名)

小口泰與
咲き満ちて花を散らせる禽の数(原句)
咲き満ちし花を散らせる禽の数★★★★(正子添削)
もとの句は、「咲き満ちて花を散らす」のが「禽(の数)」となって、句意が通りにくい。
咲き満ちた花を散らすのは、風ではなく、花の蜜を吸いに来た禽たち。いろんな禽がいるのだろう。豪華な景色だ。(高橋正子)

はくれんや池を賑わす鯉の群★★★
咲き満ちて花二三片散りにけり★★★

多田有花
春雨の二月堂から大鐘へ★★★
桜咲く大仏殿に来ています★★★
柱くぐり再誕生の春となる★★★

廣田洋一
虚子の忌や「一日一句」開きたる★★★★
花祭り釈迦駅中に立ちたまふ★★★
天を指す御手にも甘茶かけにけり★★★

桑本栄太郎
外灯の電線うなる春疾風★★★
たぷたぷと波の岸辺に春嵐(原句)
たぷたぷと岸辺の波や春嵐★★★★(正子添削)
「たぷたぷと」が修飾しているのが「岸辺」となって、句意が分かりにくいです。

風に躍る下枝や花の冷え★★★

4月7日(4名)

多田有花
はくれんの飛び立つ如し不動堂★★★★
飛び立とうとするような純白のはくれんに不動堂が取り合わされて、構成のしっかりした句になっている。(高橋正子)

しぐれくる枝垂桜や二月堂★★★
衆生われ春の坂道を下る★★★

廣田洋一
巣造りの枝を咥へし小鳥かな★★★
高枝に鳥の巣一つかけられし★★★
いずこかに鳥の巣の有り声高し★★★★
高いところから盛んに鳥の声が聞こえる。この声高さは、鳥の巣がきっと近くにあると思える。春なればこその朗さ。(高橋正子)

小口泰與
まっさおな空に下校や花ミモザ★★★★
竹秋や割れ煎餅の量り売り★★★
夕暮の魚籠よりこぼる蕗のとう★★★

桑本栄太郎
京なれや源平桃の鴨川に★★★★
せせらぎの祇園白川花かがり★★★
自由とは斯くも哀しき放哉忌★★★

4月6日(4名)

多田有花
ウエディングドレスを乱し春疾風★★★★
春疾風に押されつ鶯塚古墳★★★
広々と若草山の春の芝★★★

小口泰與
赤城嶺のなで肩にして笑いける★★★
若柳や小舟を担ぐささら波★★★
落椿雀の嘴の光おり★★★★

廣田洋一
残花なほとどまる道を出勤す★★★
たそがれて残花散り行く街の角★★★★
雨雫朝日に光る残花かな★★★

桑本栄太郎
川べりを埋めて花見の地道かな★★★
堰水の音を聞きつつ花見人★★★★
愛の巣の軒の内なりつばめ来る★★★

4月5日(4名)

多田有花
春の鹿寄りくる何か食べおれば★★★
奈良一望春の若草山に立つ★★★
咲き満てる桜の下で昼ご飯★★★

廣田洋一
清明やスマッシュしたる卓球台★★★
清明の水吸う苔のふくらみぬ★★★★
清明の風にそよげる庭の草★★★

小口泰與
丈六へ風を纏うや鐘おぼろ★★★
太古より変わる川筋鳥曇★★★
おにぎりを頬張るごとに山笑う★★★★

桑本栄太郎
あぜ道の吾一人なり揚雲雀(原句)
あぜ道の吾に鳴くなり揚雲雀★★★★(正子添削)
「一人」が効いていないように思います。

菜の花や西へ東に選挙カー★★★
川風に躍る下枝や花の冷え★★★

4月4日(4名)

多田有花
氷室神社奈良の一番桜かな★★★
花を見て仁王像見て山に向かう★★★★
仁王像があるのは、寺であろう。山すその寺の桜花、そして仁王像。花の匂わしさ、仁王像の力強さがうまくマッチして英気を養ってくれるようだ。そして山へ向かう。その溌剌さがいい。(高橋正子)

桜咲く若草山を目指しけり★★★

小口泰與
物言わぬ巨石や春の里の川★★★
里川を下る六羽の春の鴨★★★
初雷や焼き饅頭の味噌の味★★★★

廣田洋一
えいやつと持ち上げられしたんぽぽかな★★★
自己主張の黄色たんぽぽ土手に咲く★★★
渡来人の住みたる里や帰化たんぽぽ★★★

桑本栄太郎
つくし野や夕日の畑に遊びをり★★★
鳴き明かし真つ逆さまに雲雀落つ★★★
夕風のふるさと偲ぶ著我の花★★★

4月3日(4名)

小口泰與
釣糸の雁字搦めや独活もどき★★★★
たんぽぽや出入り激しき駐車場★★★
おにぎりを結ぶ手のひら未開紅★★★

多田有花
曙の空見て春の奈良に向かう★★★
工場にも療養所にも桜咲く★★★
ボートゆく桜並木の下をゆく★★★★

廣田洋一
花冷のコートの厚さ迷ひたる★★★
花冷やもてなしの茶を頂きぬ★★★★
花冷」という寒さに、もてなされた茶のあたたかさ。花の季節の麗しさが加わり一服の茶にしみじみと心和む。(高橋正子)
花冷の雨にたたられ吉野かな★★★

桑本栄太郎
風吹けば手招きしたる雪柳★★★
豌豆と云えどからすの花咲きぬ★★★
何もかも記憶飛びそう揚ひばり★★★★

4月2日(4名)

小口泰與
三代の御代を寿ぎ未開紅★★★

畦道を猫の駆け行く諸葛菜(原句)
句意をはっきりさせると句の姿が整う。
諸葛菜猫の駆け行く畦の道★★★(正子添削)

うるおえる溶岩の台地や木の芽時(原句)
木の芽時溶岩台地のうるおえり★★★★(正子添削)
溶岩が流れ出て作られた台地。そんな台地も木の芽時の雨にうるおい萌える気配がある。(高橋正子)

多田有花
八重紅梅に当たる日差しの強さ増す(原句)
「当たる」は余分。
八重紅梅強さ増したる日差しかな★★★★(正子添削)

枝垂桜まだ幼きが咲き始め★★★
四月来る高き主塔の彼方より★★★

廣田洋一
芽吹きたる柳の揺れる平城京跡★★★
鬱蒼たる林抜ければ桜かな★★★

せせらぎの音に揺れける滝桜(原句)
せせらぎの音に揺れけり滝桜★★★★(正子添削①
せせらぎの音にも揺れて滝桜(正子添削②)

桑本栄太郎
揚ひばり途切れとぎれや風の野に★★★
花冷えや遠くの孫の今日入園★★★
東風荒れや独り昼餉の妻の留守★★★

4月1日(4名)

小口泰與
浅間燃えなぞえに川や花杏★★★
噴煙の垂直に起ち風光る★★★★
霾や眼鏡のパット替えにける★★★

多田有花
染井吉野咲き初め高き一枝より(原句)
染井吉野咲き初む高き一枝より★★★★(正子添削)
高い枝、空に一番触れる枝から咲き始めた桜。さきがけの瑞々しさに触れた嬉しさ。(高橋正子)

その白き色こそ貴し山桜★★★
咲き初めし桜へ一日雨の降る★★★

廣田洋一
見はるかす山並み染める桜かな★★★
山肌になだれ咲きける辛夷かな★★★

山門に音立てて降る春霰(原句)
山門に音立て降るや春霰★★★★(正子添削)

桑本栄太郎
元号の令和と決まり春惜しむ★★★
裏庭の鉢に爛れや黄水仙★★★
植込みのつつじ咲き初む駅舎かな★★★★
「つつじ」と「駅舎」の取り合わせがリアル。日常という現実感の強さに惹かれた。(高橋正子)

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