◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/7月11~7月20日

2023-07-12 10:38:46 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子



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今日の秀句/7月11日~7月20日

2023-07-12 10:37:46 | Weblog
7月20日
※該当句無し

7月19日(1句)

★農道に日のいっぱいや花萱草/小口泰與
農道に夏の日が眩しいほどいっぱいに差し、橙色の萱草の花が日差しと競うかのように咲き誇っている。萱草の咲く農道が画家の描く画のように明るく力強い。(髙橋正子)


7月18日(1句)

★大の字の昼寝や風の通る部屋/桑本栄太郎
昭和の家族の風景を思い起こすような景色。思い切り身体を伸ばし、大の字になって寝ているのは、少年か。屈託なく、なんと頼もしい。(髙橋正子)

7月17日(1句)

★雲の峰遊覧船を運びけり/弓削和人
雲の峰が遊覧船を「運びけり」と、「雲の峰」を人とみなして、面白いとらえ方。雲の峰を背景に遊覧船が小さくなって航行する景色が思い浮かぶ。(髙橋正子)

7月16日(1句)

★ジェット機のいま飛び立ちぬ夏空へ/多田有花
滑走路からジェット機が飛び立つところ。飛び立ってゆくところは「夏の空」。夏空をどのようにイメージするかで句の印象が変わる。ジェット機が飛び立つ、夢と希望のあるスカッとしたショットだ。(髙橋正子)

7月15日(2句)

<忍野八海>
★泉あり空と立木を映しつつ/多田有花
忍野八海は富士山の裾野の、富士山の伏流水が湧き出た泉。泉に空と立木が映っている水景。「映しつつ」は、進行形で、泉が湧き続けている趣を伝えている。(髙橋正子)

★黒南風や孫ら来たりて恐竜展/桑本栄太郎
孫たちは老いの生活に少年の世界を持ち込んでくる。蒸し暑い盛り、風は吹くものの暑さなど気にせず恐竜展に一緒に出かける。俳句の句材が新しく、句が生き生き新鮮になる。(髙橋正子)

7月14日(1句)

★万緑と雲の間に河口湖/多田有花
富士山からの眺めか。富士五湖の一つの河口湖が、山々の万緑と雲の間から見える。小さな河口湖は富士吉田の登山口のあるところ。そこから登ってきたとの思いもあるか。(髙橋正子)
追記:有花さんから5合目からの眺めとコメントが入る。たしかに、「万緑」があるので、山頂からの眺めとは言えないだろうに。(髙橋正子)

7月13日(2句)

★風鈴の戯むる風や星の夜/小口泰與
星がたくさん出ている夜、風もよく吹いて、風鈴が風と戯れているように鳴る。風鈴と星とに癒される、いい夜だ。(髙橋正子)

★祇園会の準備すすみぬ四条かな/桑本栄太郎
祇園会については、京都にお住いの作者に説明してもらうのが一番だが、鑑賞の立場から感想を。七月の京都は祇園祭一色に染まる。中でも祇園四条は賑やかなところ。四条を通れば、祇園会の準備が着々と進んでいる様子をわくわくした思いで見ることができる。それを気取らずに詠んだ。(髙橋正子)

7月12日(1句)

★夏の雲次々消えて富士稜線/多田有花
水煙時代に「富士山頂俳句リーディングをしたが、このときは、私も有花さんに先導されて富士山に登った。そのときの印象が蘇った。富士山にはどこかに雲がかかっている。雲が消えて稜線があきらか見えると、富士山に登るうれしさが湧いてくる。(髙橋正子)
追記:俳句四季8月号の花冠創刊40周年記念の記事に、富士山頂で有花さん、岩本康子さん、私正子の3人が映った写真が載ります。編集者が選んでくれました。(髙橋正子)

7月11日(1句)

★土佐の夏アイスクリンに溺れけり/廣田洋一
土佐の夏は「南国土佐」と歌われただけに、暑い。昔なつかしい「アイスクリン」を溺れるほど食べた。「溺れる」とおかしいほど大げさなのが、この暑さと旅の開放感の中で愉快。(髙橋正子)
コメント (6)
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7月11日~7月20日

2023-07-12 10:34:47 | Weblog
7月20日(5名)

小口泰與
駒草や尾根渉る風清清し★★★
サルビアや飛び込み台の小学生★★★
睡蓮の葉にすいと來し野鳥かな★★★

廣田洋一
琥珀色とろりと古き梅酒酌む★★★
朝日燦々風は変わらず土用入★★★
土用入熱きコーヒー啜りけり★★★

多田有花
干し物をくるくる回し夏の風★★★
夏の日や大学病院へ向かう★★★
トンネルを出れば白雨に出会いけり★★★

桑本栄太郎
涼風の入りて目覚むる窓辺かな★★★
身をすくめ何かを探す朝涼し★★★
じゅわじゅわと朝の序曲や蝉の声★★★

弓削和人
万緑に一路一門版画展★★★
夏帽を浮かべる夏の風一陣★★★
ハンカチの水含みたり丘の空★★★

7月19日(3名)

小口泰與
山径に鳥声かすか独活の花★★★
えぞにうの名も無き沼に咲きにけり★★★
農道に日のいっぱいや花萱草★★★★

桑本栄太郎
目覚むれば早もうねりや蝉しぐれ★★★
落蝉の白き腹見せ仰のけに★★★
忽然と風のざわめき宵涼し★★★

弓削和人
炎天に広重ありぬ戸塚宿★★★
水撒きの店や朝より客を入れ★★★
炎天下ただただ直く人の列★★★

7月18日(4名)
小口泰與
合歓咲くや浮子ぴくぴくと山の沼★★★
山の沼日傘差したるカメラマン★★★
翡翠や沼耐えがたく暗くなり★★★

多田有花
離着陸する機見守り夏の日に★★★
吹き抜ける風よ梅雨明けもまぢか★★★
山門をくぐりて蓮に迎えられ★★★★

廣田洋一
仙人掌の花艶やかに棘白し★★★
十三時目覚ましかけて昼寝かな★★★
昼寝覚時の経つのは早きかな★★★

桑本栄太郎
祇園祭孫ら来る好し帰る良し★★★
大の字の昼寝や風の通る部屋★★★★
炎暑来る音の消え居り午後三時★★★

7月17日(5名)

小口泰與
鯉跳ねて奮い立ちたる夏の沼★★★
河骨や浮子動かざる山の沼★★★
亀の子を釣り上げたるや女の子★★★

廣田洋一
仙人掌の一球一花捧げをり★★★
海の日や豪雨の被害広がりぬ★★★
鮪づくしの鮨に合ひたる吟醸酒★★★

多田有花
<羽田空港三句>
夏の海の彼方に霞むスカイツリー★★★
キャラクターつけし飛行機梅雨晴に★★★
白南風を受けて飛び立ち航空機★★★

桑本栄太郎
<祇園祭山鉾巡行>
祇園会のくじ改めの背筋かな★★★
刀一閃結界ひらく稚児の顔★★★
巡行の祇園囃やコンチキチン★★★

弓削和人
ふやけたる手紙に筆や梅雨に入る★★★
アラームを入れ忘れたる熱帯夜★★★
雲の峰遊覧船を運びけり★★★★

7月16日(5名)

廣田洋一
棚一杯花仙人掌の花屋かな★★★
初蝉や人影の無き公園に★★★
パリ祭やシャンソン歌手の老ひたるを★★★

多田有花
<羽田空港三句>
梅雨晴の影濃く落とし航空機★★★
七月の翼が並ぶ滑走路★★★
ジェット機のいま飛び立ちぬ夏空へ★★★★

小口泰與
糸蜻蛉草の穂先に漂いし★★★
糸蜻蛉鯉は大きな口を開け★★★
水面の水輪三つや糸蜻蛉★★★

桑本栄太郎
<河原町四条通り界隈>
南座の大屋根灼ける青き空★★★
せせらぎ緑蔭なりぬ高瀬川(原句)
せせらぎは緑蔭なりぬ高瀬川(正子添削)
宵山の四条通りやコンチキチン★★★

弓削和人
鬼百合の橙雨に打たれけり★★★
蚊の声や寝起きを急ぐ朝まだき★★★
ある雨のそうびの二三残りけり★★★

7月15日(5名)

廣田洋一
裏窓の明るくなりて西日かな★★★★
大西日沈む地の果てアルジェリア★★★
仙人掌の花赤々と窓辺かな★★★

小口泰與
花合歓や沼を賑わす鳥の声★★★★
鳴きかわす沼の左右の牛蛙★★★
河骨やゆったり泳ぐ鯉の口★★★

多田有花
<忍野八海三句>
泉あり空と立木を映しつつ★★★★
いずこまで続く泉の底を見る★★★
泉囲みあまたの言葉飛び交いぬ★★★★

桑本栄太郎
黒南風や孫ら来たりて恐竜展★★★★
二棹の濯ぎもの干す梅雨晴間★★★
入日さす祇園祭の宵山へ★★★★

弓削和人
豪雨もて秋田を呑むる夏場かな★★★
梅干しのひとつ多めや炎天下★★★★
氷片の一片はじく夏料理★★★
※秋田の大雨、お住いのところは大丈夫でしょうか。(髙橋正子)
 
7月14日(5名)

小口泰與
香煙の犬を襲いし夏の暁(原句)
「襲いし」のあとに切れを入れると、イメージがしっかりしてきます。(髙橋正子)
香煙の犬を襲いぬ夏の暁(正子添削)

百舌鳥高音味噌汁の蓋高鳴りし★★★
翡翠や声を掛け合うカメラマン★★★

廣田洋一
沈みゆく西日を見つつ露天風呂★★★
ロマン香る歌の流れて巴里祭★★★
今日も見る着物の婦人名古屋場所★★★

多田有花
五合目より夏空戴く富士山頂★★★
梅雨晴間小御嶽神社に詣でけり★★★
万緑と雲の間に河口湖★★★★

桑本栄太郎
高校の朝の正門白木槿★★★
交差点の赤き尾灯や梅雨ぐもり★★★
植込みの刈込中や草いきれ★★★

弓削和人
暗雲の低く垂れたり花はちす★★★
短夜や潮鳴りやまぬ松の湖★★★
荒梅雨の庇に鳴きぬ子猫かな★★★

7月13日(5名)

小口泰與
外に出づや咲きほこりたる薔薇百本★★★
風鈴の戯むる風や星の夜★★★★
平らかな沼へ翡翠一直線★★★

廣田洋一
西日受け赤くきらめくビルの窓★★★
仙人掌の花を飾りて美容院★★★
公園に取残されし夏帽子★★★

多田有花
夏富士の五合目焼きたてめろんぱん★★★
富士五湖へ流れゆくかな夏の雲★★★★
夏料理富士の高嶺を望みつつ★★★

桑本栄太郎
薙刀の鉾立て進む大丸前★★★
祇園会の準備すすみぬ四条かな★★★★
今日もまた夕立来たる午後の五時★★★

弓削和人
垂れ下がる蛇の目玉や草の叢★★★
向き合うは展望台に夏嶺かな★★★
湖凪ぎて真帆のひとつや避暑便り★★★★

7月12日(4名)

小口泰與
忽然と谷蟇なくや時停止★★★
餌台の餌のたのもし夏雀★★★
翡翠や沼の魚を賜われり★★★

弓削和人
白蝶の降り昇りたる小雨かな★★★
夕立雲風のぬるみに立ち止まり★★★
青梅雨や野路のぬかるみ軽く避け★★★

桑本栄太郎
目覚むれば忽ち蝉の時雨かな★★★
リハビリを終えて家路の溽暑かな★★★
夕立去り忽ち風の夕涼し★★★

多田有花
<山梨県立富士山世界遺産センター三句>
和紙製の巨大な富士や梅雨晴間★★★
夏の富士バックに記念撮影す★★★
夏の雲次々消えて富士稜線★★★★

7月11日(3名)

 小口泰與
翡翠のぐいと飲み込む魚かな★★★
青鷺やドアの開きに翔けにける★★★
絵簾をくぐり女将の現れし★★★

廣田洋一
一斉に日傘開きて吟行会★★★
この頃は男もさせり黒日傘★★★
土佐の夏アイスクリンに溺れけり★★★★

桑本栄太郎
初蝉のわしやわしやと自己主張★★★
一陣の夕立ち風や午後の四時★★★
西山の入日あかねや蝉の声★★★
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