◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/3月1日~3月10日

2024-03-02 12:27:57 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/3月1日~3月10日

2024-03-02 12:26:57 | Weblog
3月10日(1句)

★濯ぎもの干せば目を射す木の芽晴れ/桑本栄太郎
濯いだ衣類を干していると目によく晴れた空の光が刺さってくる。風は冷たくても、太陽の光はすでに鋭くなっているのが、木々が芽吹くころだ。(髙橋正子)

3月9日(1句)

★かたまりて光りを放ち花菫/廣田洋一
かたまって咲く菫の花は、光りを放っている。静かな光のような菫の花の可愛さもさることながら、品の良さを思う。(髙橋正子)

3月8日(1句)

★我もまた花束もらい卒業す/多田有花
「花束をもらう」のは、いつでも嬉しい。花束は若い卒業生だけのものと思っていたのに、教師としてのお礼に自分にも贈られたというのだろうか。その事情がよくわからないが、思いがけず、うれしいことに違いない。(髙橋正子)

3月7日(1句)

★遠峰の空はあおぞら風光る/桑本栄太郎
遠くの峰峰が並ぶ空はあおぞら。ここに風が光る。気持ちがひろがる春のきらきらした景色。(髙橋正子)

3月6日(2句)

★きさらぎの白鳥湖を寛がし/弓削和人
きさらぎの湖は冷たい風が吹くなかにも陽の光が眩しくなってくる。白鳥もくつろいだ気持ちで湖に浮かんでいる。寛いでいるのは、作者も同じ。(髙橋正子)

★日の光黄色取り込むたんぽぽかな/廣田洋一
日の光黄色取り込む野のたんぽぽ(正子添削例)
「日の光黄色取り込む」がいい。「たんぽぽかな」が落ち着きが悪いので、同じ6音ですが、「かな」の代わりに「野の」をいれてみました。(髙橋正子)

3月5日(1句)

★啓蟄のキャベツ畑を見回りぬ/桑本栄太郎
啓蟄なので、青虫などがよくいる、キャベツ畑を見回った。啓蟄に合わせて、実際虫がいるかも。こういうことも楽しい。(髙橋正子)

3月4日(2句)

★白鳥の一声高し春の雨/弓削和人
三月は白鳥の北帰行が始まる。春の雨が降る中を「コ―」と白鳥の一声があたりに響く。白鳥との別れに雨が淋しさを誘うようだ。(髙橋正子)

★夕食を作る窓辺の日永かな/多田有花
夕食を作る窓辺は、まだ明るい。日永を実感する。つい最近まで夕食を作る頃外は暮れかけていたのだから。「日永」の感じがよく伝わってくる。(髙橋正子)

3月3日(3句)

★涅槃図や吾の座れる余白あり/弓削和人
涅槃図は釈迦の入滅にあたる旧暦の2月15日ごろから、寺院などに飾られる。涅槃図の一番古いものは高野山にあるものと言われるが、国立博物館や、日本中の寺院で見られる。釈迦の涅槃入りに集まったものたちが釈迦が横たわる宝床の周りで嘆き、あるいは見守っている。日本では見られない動物も書き込まれているが、よく見れば、自分の入れそうな余白を見つけた。「涅槃」と言う場所が身ほとりのものとして思われた。(髙橋正子)

★出窓ごと開けて春日を浴びにけり/小口泰與
出窓からは特に日差しがよく入る。出窓と言う出窓をあけ、春日を浴びた。なんという、きよらかな暖かさであろう。(髙橋正子)

★厨にも紙雛一つ飾りけり/廣田洋一
洋一さんは、いつもさりげなく、それでいて丁寧に行事されていて、見習いたいと思っている。厨にも紙雛を飾ってさりげなく、季節を楽しまれている。(髙橋正子)

3月2日(1句)

★踏み石の一つぐら付き春の雪/小口泰與
人の踏み幅に踏み石が置いてある。春の雪が降ったとき、踏み石を踏むとぐらつく。長い年月しっかりとしていた踏み石も、いつの間にぐらつくように。その変化に対して「春の雪」が優しさを添えている。(髙橋正子)

3月1日(1句)

★ものの芽のわれさきの芽と競いけり/弓削和人
木々が芽を出す季節。それぞれの芽にもあって、「われさきに」と競争心丸出しの芽がある。その芽を見て負けじと芽を出す。つまり、新芽がぞくぞくと出ている木々の様子である。擬人化したのが、面白い。(髙橋正子)
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3月1日~3月10日

2024-03-02 12:23:57 | Weblog
3月10日(3名)

小口泰與
清らなる小川の流れ目には春★★★
曇天の重き天より春の雨★★★
青空へ飛びとび咲ける梅の花★★★

桑本栄太郎
濯ぎもの干せば目を射す木の芽晴れ★★★★
若布すはるかに見ゆる隠岐の島★★★
ビョービヨーと耳の辺りや春北風★★★

廣田洋一
沈丁花匂ひ立ちける道の端★★★
チューリップ花弁ひとつ零しけり★★★★
一斉に公園の薔薇芽吹きけり★★★

3月9日(4名)

弓削和人
鶯餅店頭いまに羽ばたきぬ★★★
花冷えや日を隠したる門構え★★★
波がしら春の空より寄り給う★★★
「給う」は尊敬語ですが、気になります。(髙橋正子)

小口泰與
犬を愛ず妻の容顔廻されき★★★
吠えながら駆け行く犬や春の雪★★★
春光や子犬は跳ねて駆け回り★★★

廣田洋一
春の海遠くに光る八幡宮★★★
青空に蕾膨らむ辛夷の木★★★
かたまりて光りを放ち花菫★★★★

桑本栄太郎
身ほとりの日毎眩しく風光る★★★
春日さす団地いろどる干しふとん★★★
小きざみに花びら震え鳥の恋★★★

3月8日(5名)

小口泰與
ばらの芽のとびとびに出づゆるがせに★★★
辛夷咲く揺らぐ水面の山の沼★★★
横雲の美しき浅間や春の雪★★★

廣田洋一
ぽこぽこと蕾並びてヒヤシンス★★★
暗闇にぽたぽた白き春霙★★★
会合の朝の発熱春の風邪★★★

弓削和人
牡丹百合茎をととのえまた開き★★★★
「牡丹百合」は、チューリップのこと。「牡丹百合」は馴染がない言葉なので、これでいいかどうかは疑問です。(髙橋正子)

来客の目をつかみおりチューリップ★★★
幸せの数だけ咲くのチューリップ★★★

多田有花
我もまた花束もらい卒業す★★★★
紅白の饅頭卒業を祝い★★★
鮮やかなチョゴリの卒業生もいて★★★

桑本栄太郎
いつまでも昔の侭に春の夢★★★
干し物の袖の飛び居り春北風★★★
稜線の天の明るき春入日 ★★★

3月7日(4名)

弓削和人
サフランやステンドグラスに暮の色★★★
タンポポの路にしゃがむは園児かな★★★
春鳥の白や黒やとかたまれり★★★

小口泰與
百千鳥赤城のすそ野風さわぐ★★★
夕星や会う楽しみを奪われし★★★
山笑い沼の水面の揺らぎ居り★★★

廣田洋一
花を愛で池を愛でたる法の庭★★★
子等の声応えて揺れる満天星の花★★★
露天湯の湯気を浴びたり花あしび★★★★

桑本栄太郎
遠峰の空はあおぞら風光る★★★★
啓蟄を過ぎたる風の余寒かな★★★
料峭といえど日差しの燦々と★★★

3月6日(5名)

弓削和人
残雪へスノーボードを荷ぐ青年★★★
きさらぎの白鳥湖を寛がし★★★★
湖面より霞の帯や曇り雲★★★

小口泰與
春の沼忽と疾風を浴びにけり★★★
拇印にて足りる書類や春うらら★★★
眼間を魚影早しや春の朝★★★

廣田洋一
日の光黄色取り込むたんぽぽかな★★★★
止みさうで止まぬ空や春の雨★★★
篩ひたる土を曝して春の雨★★★

多田有花
啓蟄や終日雨の降り続く★★★
風荒れる三月の光明るきに★★★
雉鳴くや午後の薄日のさす中へ★★★

桑本栄太郎
冴返る結露激しき今朝の窓★★★
枝毎の水滴光る春の雨★★★
樋つたい雨垂れ歌う春の雨★★★★

3月5日(5名)

弓削和人
啓蟄を押し上げ湧かす大地かな★★★
春雪の降り止みしかば春の門★★★
淡雪や二重の窓を開け放ち★★★★

小口泰與
春の日をゆだぬ大沼鳥の声★★★
山茱の黄金の玉や天に映ゆ★★★
残雪の浅間迫りて朝日かな★★★

多田有花
明日雨の予報や春陽の溢れるに(原句)
明日雨の予報や春陽溢れるに(正子添削)
(主語を表す)主格「の」は省略できます。(髙橋正子)

春の雨播磨の山野を潤しぬ★★★
春の夢覚めれば疼く足のあり★★★

廣田洋一
啓蟄や暫くぶりの友に会ひ★★★
啓蟄や動き出したる旅の虫★★★
春の昼止まりてをりぬ掛時計★★★★

桑本栄太郎
雨雲の峡駆けのぼる春の雨★★★
木々の枝の赤くうるみぬ春の雨★★★
啓蟄のキャベツ畑を見回りぬ★★★★

3月4日(5名)

弓削和人
鳥雲に入るとき雲の晴間かな★★★★
白鳥の一声高し春の雨★★★★
昼日を押しやるように青き踏む★★★

小口泰與
汀まで続く山道百千鳥★★★
水飛沫放つ春瀧眼間に★★★
中腹の寺のみたらし雀の子★★★

廣田洋一
春の月雲を掻き分け夜明け前★★★
カメラ持つ人の群れたり初桜★★★
夕空にほんのり紅く初桜★★★★

多田有花
夕食を作る窓辺の日永かな★★★★
春夕映え東の山を照らしおり★★★
雛飾ることもなし足疼く★★★

桑本栄太郎
<定期健診の通院の待合室より>
病院の中庭梅の見頃かな★★★
まんさくの噴き出すように咲き満てる★★★
竹林の赤くなり初む竹の秋★★★

3月3日(4名)

弓削和人
子どもらの家族に見立て雛人形★★★

野遊びや大の字なりて空を抱く(原句)
野遊びや大の字になり空を抱く(正子添削)

涅槃図や吾の座れる余白あり★★★★

小口泰與
岩の間を魚形かけるや蕗の薹★★★
出窓ごと開けて春日を浴びにけり★★★★
街賑を離れ里山春の鳥★★★

廣田洋一
厨にも紙雛一つ飾りけり★★★★
生垣や葉一枚づつ春日燦★★★
立子忌に忘れず咲きし風信子★★★

桑本栄太郎
ぼんぼりと五色あられや雛の宴★★★
料峭のことに欲しかりサンルーム★★★
ひこばえの色なす枝の散歩かな★★★

3月2日(4名)

小口泰與
雨の中一輪梅の開きけり(原句)
雨の中梅一輪の開きけり(正子添削)

春雪に振り回される母娘かな★★★
踏み石の一つぐら付き春の雪★★★★

弓削和人
湖畔より春鳥てんてん胡麻のほど★★★
日は隠れ名残の雪は居座りぬ★★★
春時雨山の彼方は麗しき★★★

廣田洋一
涅槃図の絵解き拝聴古刹かな★★★★
母の忌の供花としたるや黄水仙★★★
一通り四季を過ごして二月尽★★★

桑本栄太郎
春北風やときおり白きもの混り★★★
<田舎鳥取の春の海の追憶>
海苔掻きや潮目沖へと流れ居り★★★

3月1日(4名)

弓削和人
沫雪や湖の漣舐め尽くし★★★
ものの芽のわれさきの芽と競いけり★★★★
雪解けの水すくなしと言い交わす★★★

小口泰與
雨の中ぽつと一輪梅の花★★★
ぼつぼつと枝を震わす梅の花★★★
梅早も開きて鳥の声盛ん★★★

多田有花
春の夜にひとりホルンの音を聴く★★★
三月やいま人生のどのあたり★★★
春なかば河川工事の進みおり★★★

桑本栄太郎
夜もすがら咆哮聞きぬ春北風★★★
起き見ればベランダ荒るる春疾風★★★
ぎらぎらと日差し眩しく三月に★★★
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