◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/3月11日~3月20日

2024-03-12 08:10:59 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/3月11日~3月20日

2024-03-12 08:07:22 | Weblog
3月20日(1句)

★にわか雨待ちて暫く春の風/弓削和人
「にわか雨」を「待つ」は、時間的に言えば、あり得ないが、短い時間を総体的に捉えた場合の感じ方と思えばいい。にわか雨が降りそうな感じがして、春の風が暫く吹いたという。(髙橋正子)

3月19日(1句)

★山茱萸の花にしばらく晴れ続く/多田有花
山茱萸の花が咲くころ、晴れの日が続くと、気持ちが晴れやかになる。山茱萸の花の黄色と青空の対比にはおどろくほどの明快さがある。(髙橋正子)

3月18日(1句)

★ごうごうと雪解谷川近寄れず/小口泰與
雪解の谷川は、雪解け水にごうごうと鳴り響き、そこに飲み込まれたらと思うと、恐ろしい。「近寄れず」の思いを強くする。(髙橋正子)

3月17日(1句)

★春場所や浪花の空のにわか雨 /桑本栄太郎
春場所は三月大阪で催される。この季節は、春の長雨や、急な天気の変化があって、浪花ののどかな空もにわか雨に見舞われる。「浪花」と「春場所」が句に雰囲気を与えている。(髙橋正子)

3月16日(1句)

★公園のいずこも子らに日永の陽/多田有花
日が永くなると、公園にもくまなく陽があたり、子供たちが大勢遊ぶようになる。明るい陽のしたで、元気に遊ぶ子供たちを見るのは楽しいことだ。(髙橋正子)

3月15日
該当句無し

3月14日(2句)

★一日を終えし雲かも鳥帰る/弓削和人
空の雲も空で一日を過ごす、という感じ方がいい。一日を過ごした雲の中へ、入っていくように、鳥たちは北へ飛んでいく。詩情をもって詠まれた句。(髙橋正子)

★子午線を越えれば春の大橋に/多田有花
明石には東経135度の子午線が通っている。最初に子午線が引かれたのが、今から113年前というから、ずいぶん古い。子午線のある街、その子午線をこえれば瀬戸を渡る大橋につながる。このスケール感がたのしい。(髙橋正子)

3月13日(1句)

★蕨狩りひとり離れて切りもなし/廣田洋一
数人で蕨狩りに出かけたとしても、次々蕨を見つけて、人から離れていってしまう。それほどたくさんの、きりもないほどの蕨があって、十分に蕨狩りを堪能したのだ。(髙橋正子)

3月12日(1句)

★鎌倉や八重の椿の盛りなる/廣田洋一
古都鎌倉が良い季節を迎えた。椿の多種多様なこと。八重の椿も、寺を巡れば、一寺に何種類もあって、楽しめる。可憐な花から妖艶な花まで。(髙橋正子)

3月11日(1句)

★新句碑を据ゑて整へ春の土/廣田洋一
新しい句碑を据えるのに、土を動かしたのだろう。据えてから、きれいに土を整え句碑が建立された。新しい句碑がいきいきとしているように思える。(髙橋正子)
コメント (7)
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3月11日~3月20日

2024-03-12 08:03:40 | Weblog
3月20日(4名)

小口泰與
如月や里の社に絵馬の数★★★
のどかさに言葉巧みな鸚鵡かな★★★
松の花おぐらき森の鳥の数★★★

多田有花
小綬鶏の朝から盛んに鳴くことよ★★★
干し物を乾かす彼岸の風ひかり★★★
春の庭ゴールデンクラッカー弾けおり★★★

桑本栄太郎
目覚めいて夢想い出す朝寝かな★★★
春陰の枝先更にうるみけり★★★
午後よりの風雨強きやお中日★★★

弓削和人
にわか雨待ちて暫く春の風★★★★
春雨やど真ん中なるスカイツリー★★★
椿落つ余白に憩うようにおり★★★

3月19日(5名)

小口泰與
春なれや餌を見つけし野鳥二羽★★★

鶯や水面をかすむ風やわき(原句)
鶯や/水面をかすむ/風やわき
「かすむ」はマ行下二段活用の文語動詞です。かすむと終止形にした場合、句が3つに切れてしまいます。これは避けます。
鶯や水面かすむる風やわき(正子添削)

苗代や郷の親爺の自慢にて★★★

弓削和人
春雪やとまりたそうな波がしら★★★
石階に春や花鉢ととのえて★★★★
虫出しの雷のゐる湖沼かな★★★

多田有花
囀りが降り来る頃となりにけり★★★
山茱萸の花にしばらく晴れ続く★★★★
彼岸かなそぞろ歩きの軽やかに★★★

桑本栄太郎
山茱萸の軒の明るき狭庭かな★★★
スイスへと遠出の孫の春愁う★★★
春陰の今に降りだすような空★★★ 
 
廣田洋一
湘南の台地に残る春田かな★★★
春田奥高架鉄道通りけり★★★
旬と言ふ値札に惹かれ鰆買ふ ★★★

3月18日(4名)

小口泰與
ごうごうと雪解谷川近寄れず★★★★
曇天のわけても峡の冴返る★★★
佐保姫を招き寄せたる豁の郷★★★
 
多田有花
なるほどと暑さ寒さも彼岸入★★★
髪多きは幼き日より初手彼岸★★★
いぬふぐりまだ地に近く咲いており★★★

廣田洋一
公園の新しき池春の草★★★
残雪に煙りうっすら浅間山★★★
独り居の厨に座り春眠し★★★

桑本栄太郎
建付けの悪きドア鳴り春疾風★★★
くいくいと日差しに向う桜芽木★★★
釣り鐘の重なり咲くや土佐みづき★★★

3月17日(4名)

小口泰與
落椿ふいに二手に分かれけり(原句)
落椿ふいに二手に流れけり(正子添削)
鳥の恋森の緑のわかわかし★★★
料峭や九十九折なる山の径★★★

廣田洋一
くっきりと犬の足跡春の土★★★
門の側つらつら椿客迎へ★★★
春眠し陽光浴びて深呼吸★★★

多田有花
永き日の交差点に人溢れ★★★★
父は子を肩車してうららけし★★★
春の夕われ乗せ電車は西へ西へ★★★

桑本栄太郎
朝の日の俄か曇りぬ春しぐれ★★★
木蓮の遅速あり居り咲く構え★★★
春場所や浪花の空のにわか雨 ★★★★

3月16日(5名)

小口泰與
芽柳や浅間はいまだ白きまま★★★
楓の芽ほつほつと解く山の風★★★
楤の芽や山路荒れたる風の音★★★

弓削和人
鷹鳩に化すしらじらと雲すきま★★★
誰となく北窓をひらく草そよぐ★★★
半仙戯まなかいの山越ゆるかな★★★

廣田洋一
線路際古巣忘れず燕来る★★★
新築の軒に巣作り燕かな★★★★
白き球空に浮かべて辛夷かな★★★

多田有花
つややかな髪に春陽のあたりおり★★★
春風の中をかけゆくランドセル★★★

公園のいずこも子らに満つ日永(原句)
「日永が満つ」は言葉の使い方が不自然なので直しました。(髙橋正子)
公園のいずこも子らに日永の陽(正子添削)

桑本栄太郎
木蓮のにつと微笑み咲く構え★★★
春日燦々ひがな捗る大掃除★★★
春宵や鴉ねぐらへ二羽三羽★★★

3月15日(4名)

多田有花
おだやかに須磨の浜辺は春陽満ち★★★
地下鉄を出て三月の陽のなかへ★★★
春昼や待合室でランチとす★★★

小口泰與
じあしあと春の水湧く小川かな★★★
山茱の台座開きて黄の玉
眼間の庭の木の芽のわかわかし★★★

弓削和人
かりそめに春の寒さを言い合える★★★
長靴を仕舞いし暮のなごり雪★★★

みちのくの陽ちらと見ゆ朝霞(原句)
「見(み)ゆ」は「見える」と言う意味です。「見ゆ」は「見る」に受身・自発・可能の意味が含まれた動詞で、自分からではなく自然と見える時に使われます。 
みちのくの陽ちらと見ゆ朝霞(正子添削)

桑本栄太郎
歩みゆく眼前や嶺の遠かすみ★★★
初蝶の翅をひこひこ震え居り★★★
遅咲きと云えど紅梅色の濃く★★★

3月14日(5名)

弓削和人
一日を終えし雲かも鳥帰る★★★★
ものの芽にものごころつくわっぱかな★★★
糸遊の数だけ行楽人だかり★★★

多田有花
病院へ春の電車を乗り継ぎて★★★
子午線を越えれば春の大橋に★★★★
春風が発電風車を回しおり★★★

小口泰與
卒業や日向日陰を尾根分かつ★★★
迫り来る白き浅間や竹の秋★★★
庭の木の蔓を鎧て忘れ雪★★★

廣田洋一
白々と三分開きし辛夷かな★★★
朝日浴び繚乱たるや雪柳★★★
古き家の入口飾る桜草★★★

桑本栄太郎
白れんの開き今にも翔びたそう★★★
ベランダの春日燦々干しふとん★★★
稜線のうすき茜や春の宵★★★

3月13日(5名)
弓削和人
春曙朗唱の句ののびやかに★★★
春風邪の予感に羽織る小雨かな★★★

一と声の白鳥春の窓辺かな(原句)
白鳥の一と声春の窓辺かな(正子添削)

小口泰與
残雪の溶岩の浅間や木木の色★★★
深渕の水の流転や山笑ふ★★★
水槽に昼夜を通し春目高★★★

桑本栄太郎
夜もすがら雄叫び聞きぬ春疾風★★★
戻り来て日差し明るき春の雨★★★
料峭や妻の帰宅を外で待つ★★★

多田有花
ピアノコンチェルトを聴く春の部屋★★★
雲間より夕陽さしけり春しぐれ★★★
春三日月明るさ残る夕空に★★★

廣田洋一
くるりと巻く芽を目印に蕨摘む★★★
蕨狩りひとり離れて切りもなし★★★★
口揃へ春を告げをる風信子★★★

3月12日(4名)

小口泰與
裏庭の蓬生の荒れ他も知らず★★★★
粉塵の廊ふき取りし春の夕★★★
埒も無き物を咥えし春の雁★★★

廣田洋一
雨上がり湿る匂ひや春の土★★★
鎌倉や八重の椿の盛りなる★★★★
顔寄せて香り確かめ沈丁花★★★

桑本栄太郎
コンクリートの割目繋ぎぬ草芽かな★★★
父母在りてこその故郷や春愁う★★★
雨風の斜めに吹くや春疾風★★★

多田有花
炒めおり巻きやわらかき春キャベツ★★★
花束の香り溢れる春の部屋★★★
きさらぎや真正面に城ありて★★★

3月11日(3名)

小口泰與
春鳥の声の汚れて枝に居り★★★
梅咲くや赤城のすそ野どっしりと★★★
一族の齢を超ゆや春うらら★★★

桑本栄太郎
風光る手押し車に子犬かな★★★
東北のあの日あの時震災忌★★★
上空を飛行機雲や遠かすみ★★★

廣田洋一
ほぐしたる土の匂ひや診療所★★★
新句碑を据ゑて整へ春の土★★★★
生垣のつらつら椿空見上げ★★★
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