◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/9月1日~9月10日

2024-09-01 09:19:21 | Weblog
※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

      🍇🍐 🍇🍐 🍇🍐 🍇🍐 🍇🍐 🍇🍐🍇🍐

       今日の俳句(『現代俳句一日一句鑑賞』髙橋正子著より)
   名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
      名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

〇9月10日の俳句
★相撲乗せし便船のなど時化となり    河東 碧梧桐(かわひがし へきごどう)
〇9月9日の俳句
★一人行く己の道を鬼やんま       黒沼 風鈴子(くろぬま ふうりんし)🌸
〇9月8日の俳句
梨をむくナイフに空の青去らず      西垣 脩(にしがき しゅう)🍁
〇9月7日の俳句
★行く秋にとどまる汝(なれ)に秋二つ  正岡 子規(まさおか しき)
〇9月6日の俳句
★大いなるものが過ぎ行く野分かな    高浜 虚子(たかはま きょし)
〇9月5日の俳句
★から松は淋しき木なり赤蜻蛉      河東 碧桐(かわひがし へきごどう)
〇9月4日の俳句
★そこに月を死のまへにおく       種田 山頭火(たねだ さんとうか)
〇9月3日の俳句
★摘まれゆく松の匂ひの松をつゝみ    川本 臥風(かわもと がふう)🍁                     
〇9月2日の俳句
★萩の風何か急かるゝ何ならむ      水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)                      
〇9月1日の俳句
★蟋蟀(こおろぎ)が深き地中を覗き込む   山口 誓子(やまぐち せいし)                   
コメント (44)
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今日の秀句/9月1日~9月10日

2024-09-01 09:17:55 | Weblog
9月10日(1句)

★秋燕の鳴き交わしつつ飛ぶ朝に/多田有花
燕は春日本に渡ってきて繁殖し、やがて若鳥が親鳥に混じって颯爽と飛ぶ姿が見られる。夏の間は、葦のしげみなどに集まり集団で生活し、気温が下がってくると南へ渡る準備を始めるという。秋燕が鳴くのは、お互い鳴きかわし結束を高めていると言う。こういった燕の生態を知ると秋燕の鳴き声に一抹の寂しさを覚える。(髙橋正子)

9月9日(1句)

★しずもりて星影深き刈田かな/小口泰與
刈田の空間は広々として、夜は特に暗い。夜空深くに星がまたたき、物語の世界を生んでいる。(髙橋正子)

9月8日(1句)

★金銀のテープめぐらす稲穂かな/桑本栄太郎
稲穂が実り、鳥よけに金銀のテープが巡らされている。それがきらきらとして、稲の稔りを祝福しているように思える。目で見た晴れやかな景色がそのまま詠まれ素晴らしい。(髙橋正子)

9月7日(1句)

★稲の香の溢るるばかり天は青/小口泰與
稔田の傍を通ると、稲の香りが漂ってくる。さらに稲の香りを引き立てて天は青く澄んでいる。ほれぼれとする日本の秋を象徴する風景だ。(髙橋正子)

9月6日(2句)

★幾つかは青のままなり唐辛子/廣田洋一
唐辛子が熟れるころになった。大方は赤く色づいているのだが、幾つかは青いままである。葉蔭にほとんど赤いが幾つかは青い唐辛子。こういった色のバランスが絵画的でいい。(髙橋正子)

★秋耕のぬくみのみあり誰もいず/弓削和人
秋耕の畑は土が返され、色が新しくなって、土に温みが感じられる。ところが人は誰ひとりいない。人がいないことで帰って「秋耕のぬくみ」が伝わってくる感覚的な句。(髙橋正子)

9月5日(1句)

★刃を入れて抜き差しならぬ南瓜かな/桑本栄太郎
実入りのよい南瓜を切ろうとしているところ。南瓜を切ろうと包丁を入れると、そこより包丁に力が入らなくなる。包丁をはずしてやり直そうとするが、包丁が抜けない。こういった抜き差しならぬ状況を私も経験する。南瓜との格闘にユーモアがあり、実りの秋も実感させてくれる句。(髙橋正子)

9月4日(1句)

★介助犬初秋の電車に乗り来たり/多田有花
人ばかりがいる電車に介助犬が乗ってきたことで、車内が爽やかな雰囲気になる。介助犬の姿が際立って見えるのも、「初秋」の季節のせいとも言えそう。(髙橋正子)

9月3日(1句)

★取り込みしタオルにかなかなの止まり/多田有花
干していたタオルを取り込んだら、かなかな(ひぐらし)がタオルに止まっていた。タオルを畳もうとしたときの驚きの作者の顔が見える。ふんわりとしたタオルと蝉の対比がより明らかになっている。(髙橋正子)

9月2日(1句)

★露草や小さく揺れて瑞々し/廣田洋一
朝、目にする露草はすがすがしい。風が少し吹いて露草が小さく揺れている。小さな露草の瑞々しさに思わず目がとまる。(髙橋正子)

9月1日(1句)

★日暮るるや力限りの法師蝉/小口泰與
日暮れの法師蝉は、いつ終わるともなく鳴いているようだが、その声を聞くにつけ、「力限り」の声と聞こえてくる。鳴きつくした法師蝉の声が聞けるのもそう長くはないだろう。(髙橋正子)
コメント (10)
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9月1日~9月10日

2024-09-01 09:15:53 | Weblog
9月10日(4名)

小口泰與
二人して秋翡翠にのめり込み★★★
水槽をしどろに泳ぐ秋目高★★★
しなやかに飛び交う秋の燕かな★★★

廣田洋一
臨月の嫁に食べさせ秋茄子★★★
門の前笊に盛られし秋茄子★★★
朝露のきらきら光る荒地かな★★★

多田有花
夕月や夕風ことに心地よし★★★
秋燕の鳴き交わしつつ飛ぶ朝に★★★★
頂に秋の朝日の当たり初む★★★

桑本栄太郎
ふと気づく秋蝉鳴かぬ日なりけり★★★
午後よりの雨の予報や秋曇り★★★
うそ寒や鷹派女史なる立候補★★★

9月9日(4名)

小口泰與
久々の松羽目物村芝居★★★
大沼へ入日しずもる赤とんぼ★★★
しずもりて星影深き刈田かな★★★★

廣田洋一
重陽の菊科の花を見つけたり★★★
ひたすらに空を見上げて曼珠沙華★★★
くもの囲に光零れる露の玉★★★

多田有花
街の灯の光増しゆく夕月夜★★★
秋の朝餌場に向かう鳥の群★★★
きちきちを銜えつばめの戻りけり★★★

桑本栄太郎
在京の遠き夢見や涼新た★★★
抜きん出てひと際高き草の萩★★★
戸を開けて弦月赤くありにけり★★★

9月8日(4名)

小口泰與
草の葉をとんとんとんと螽斯 ★★★
雨の中秋翡翠の山の宿★★★
愛犬のしずけき姿秋いかずち★★★

多田有花
白露の夜なるもどこかで遠花火★★★★
食べ終えし美味き西瓜を漬物に★★★
奥山の上に雲あり秋の昼★★★★

桑本栄太郎
一木を被う葉蔭や葛の花★★★
買物を下げて家路や秋暑し★★★
金銀のテープめぐらす稲穂かな★★★★

廣田洋一
学び舎の糸瓜ぶらりと垂れており★★★
丈低き鶏頭揺れる軒の下★★★
朝顔や駐輪場に咲き並ぶ★★★

9月7日(4名)

廣田洋一
大盛の松茸飯に破顔一笑★★★
新米の値上がり激し火の車★★★
朝露のきらきら光る土手の道★★★

小口泰與
故郷の村は沈けり法師蝉★★★
稲の香の溢るるばかり天は青★★★★
小鳥はや来て居り犬の遠吠えよ★★★★

多田有花
白露なり整理ダンスを解体す★★★
ハイドンのピアノソナタを聴く白露★★★
秋茄子を今宵は焼いて食しけり★★★

桑本栄太郎
あぜ道をゆけば煌く白露の節★★★
一閃のなごりを惜しむ帰燕かな★★★
月の出や今夜は呑みて潰れそう★★★

9月6日(5名)

小口泰與
老人の浮子にとまりし蜻蛉かな★★★
雲よりも湖に従う秋の空★★★
山霧の雫の音に秋の蝶★★★★

多田有花
秋雷があの日はありぬ一周忌★★★★
道の辺の草の刈られて新涼に★★★★
幸運を呼ぶか初秋の朝の蜘蛛★★★

廣田洋一
幾つかは青のままなり唐辛子★★★★
露けしや集会場の草低し★★★
秋の鮒捕まえ笑う子らの声★★★

桑本栄太郎
煮浸しの茄子の色濃く綾子の忌★★★
年甲斐もなく色シャツ着たる秋曇★★★
名を数え野道を行きぬ花野かな★★★

弓削和人
露草のすこし歩道へ傾けり★★★
法師蝉毎年いまを鳴き通し★★★
秋耕のぬくみのみあり誰もなく (原句)
秋耕のぬくみのみあり誰もいず(正子添削)

9月5日(4名)

廣田洋一
甘藷を引きて尻餅つきぬ青き空★★★
玉蜀黍炊き込み飯の会席かな★★★
唐辛子青き葉陰に赤々と★★★

小口泰與
寺を辞すかわたれ時の法師蝉★★★
忽然と咫尺に見ゆる牡鹿かな★★★
釣竿のテグスにとまる蜻蛉かな★★★

多田有花
窓すべて開け放ちおる秋暑かな★★★
午後の秋陽日ごとに深く部屋に入り★★★
秋蝉の一匹のみが鳴き始め★★★

桑本栄太郎
診察のあとは薬局へ秋暑し★★★
垂れ下がり川辺に揺るる合歓は実に★★★
刃を入れて抜き差しならぬ南瓜かな ★★★★

9月4日(5名)

小口泰與
広大な赤城のすそ野星鴉★★★
秋目高死すや何れは我もまた★★★
息つめてシャッタ-押すや雄の鹿★★★

廣田洋一
紅葉して緑際立つ楓かな★★★
男爵に仕える如くメークイン★★★
馬鈴薯にバターを塗りて昭和の日★★★

多田有花
柿の実の色づき初めし雨あがり★★★
介助犬初秋の電車に乗り来たり★★★★
キッチンをこまごま掃除秋めきぬ★★★

桑本栄太郎
あかときの枕に聞こゆ威し銃★★★
ぽつかりと嶺に雲浮き秋晴るる★★★
黄の目立つ桜並木やうす紅葉★★

弓削和人
爽やかに風にのりてし蝶の空★★★
「爽やかに風にのりてし」が蝶を修飾しているが、ここが長すぎます。(髙橋正子)
秋の夜の茶を一口や舌によし★★★
足つかり波紋を重ね湖の秋★★★
足つかり/波紋を重ね/湖の秋/のように切れていますが、3段切れと言って俳句では嫌います。(髙橋正子)
 
9月3日(4名)

小口泰與
水面に背鰭動かし秋の沼★★★
秋蝉や声の限りの朝の沼★★★
終焉に侍せしは畑の飛蝗かな★★★

多田有花
虫の音に囲まれ夜の散歩する★★★
取り込みしタオルにかなかなの止まり★★★★
秋口にふたりのおしゃべりとどまらず★★★

弓削和人
色褪せしテントの虫や夕の浜★★★
新涼にときおり差しぬ陽射しかな★★★
寄せて引く波の数だけ秋の雲★★★

廣田洋一
雨上がり白き風吹く秋の街★★★
男爵やでんと構える芋売場★★★
親芋より連なる芋を掘り出せり★★★★

9月2日(5名)

小口泰與
静けさに熟寝に引き込む秋の沼★★★
ゲイム後の子等かしましや秋の晩★★★
鳴きながら秋翡翠の山の沼★★★

多田有花
赤とんぼ嵐近づくなか数多★★★
稜線の背後に遠き稲光★★★
台風一過雲ひとつなき朝の空★★★

桑本栄太郎
おそろしき夢に目覚めり朝の冷え★★★
あおぞらの今朝の晴間や野分凪ぐ★★★
大正のロマンをここに夢二の忌★★★

廣田洋一
台風一過心地良き風吹きにけり★★★
一途なり首持ち上げる鶏頭花★★★
露草や小さく揺れて瑞々し★★★★

弓削和人
台風を迎えて打てり波がしら★★★
濃き玉の葡萄にそえる走書き★★★
帰宅して足元灯に秋の暮★★★★

9月1日(4名)
多田有花
秋雷を連れて嵐の接近す★★★
台風いずこ雲の重なり美しき★★★
二百十日さまよう嵐のなか目覚む★★★

小口泰與
秋蝉のここぞとばかり天破り★★★
秋波のしきりに音を重ねけり★★★
日暮るるや力限りの法師蝉★★★★

廣田洋一
スマホにも警報届く大颱風★★★
背高泡立草なぎ倒したる野分かな★★★
種無しの葡萄時々音を立て★★★

桑本栄太郎
目覚めいて一枚羽織る朝の冷え★★★

嵐去り今朝の青空九月入る(原句)
嵐去り今朝の青空九月に入る(正子添削)

尾根すじの確と見え居り秋気澄む★★★ 
コメント
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