僕は♂。ほ乳類と違い、外観で性別は分かりにくいんだ。
原・始祖鳥(カメックの正体?)
なぜ、僕が♂かと言うと、ひっくり返して(亀にとってこれほど屈辱的な格好はない)みて、肛門の位置が甲羅より外にあれば♂、内側なら♀。
僕の甲長は9cm。体は小さくても僕は8歳の立派な青年カメ。 カメ族は概して♀の方が体が大きい。僕の種族の場合でも、 ♀なら20cm位になってもおかしくないらしい。
カメ社会は女尊男卑で、婦唱夫随である。親カメの上に子カメと言うのは、もしかすると言うこともあり得る。
僕が観察するに、これはカメ社会に限ることではないように見える。
親父が僕の基礎体力を色々言っている。
例えば、1m走では、陸上0.5秒、水中0.8秒とか・・・
陸上1m走0.5秒。これは遅いのか早いのか。
カメはウサギと比べて如何にも歩みが遅いように思われているが、とんでもない誤解である。
それはウサギのように飛び跳ねる必要がないからである。平常心を保ち、ゆったりしているだけである。
僕の足を見て欲しい。4本の足は、地面をしっかり掴めるようにスパイク(爪)がある。長距離より短距離向きであることが分かるだろう。
この記録はどう生まれたのか。
いつものように、親父のパジャマのポケットの中で爆睡していた。ところが、この親父、幾つになっても寝相が悪い。ごろりと転がったものだから、僕はポケットから投げ出され、そのまま布団の外に。
いつも沈着冷静な僕も流石に寝ぼけていたらしく、脱兎のごとく(と言うより、ゴキブリごとくらしい)、母の寝床に向かった。
その距離は1m、その時間が0.5秒、即ち、秒速2mである。
垂直跳び1cm。僕が何かに驚いて飛び上がった。その時、約1cmだったんだと。HONDAのASIMOくんも走る時には両足が宙に浮くそうだ。カメにできて当たり前である。
飛行時間0.1秒、飛行距離20cn。僕はテーブルの上で遊ばされることが多い。いつまでも、そんな狭い場所にいるのは僕は嫌だから、助走を付けて飛び立つ。
しかし、飛び立つには高さが不足している。翼を広げる前に床に落ちてしまう。その時の飛行時間が約0.1秒、水平距離が20cmと言うことらしい。
今度はカーテンを登って、もっと高い所から飛び立つことにしたい。
水中速度0.8秒/mは、運動場(浴槽)での計測結果である。
もう少し広ければ、0.5秒は切ったと思われるが、これは「たら、れば」なので、今はこの記録に甘んじることにする。
潜水時間24時間以上、潜水深度1m以上僕は沼カメなので、当たり前田のクラッカーなのである。