PCオーディオを書き連ねているうちに、どんどん横道に逸れてしまった。
この際、項を改めた方が整理しやすいだろう。
このところ、ネットワークオーディオへの関心が急速に盛り上がっているように見える。
40年前の猫もしゃくもと言うブームの再現はないだろうけれど・・・オーディオへの関心が少しでも高まれば、
変人扱いされる度合いも少しはましになるだろう。
オーディオ雑誌の休刊・廃刊が続き、少し寂しい思いをしていた。
ステレオサウンド、管球王国、オーディオアクセサリは何とか残った。その中で、数百万円の装置が、数十万のコードが平然と紹介されている。
目の保養になるかもしれないが、誰が買うのか、買えるのか。
一部のハイグレードなマニアのものになってしまった。
このところ、少し変化が見える。
PCオーディオ、ネットオーディオが発刊され、初心者向けのオーディオ雑誌も散見するようになった。
この動きが一時の細波で終わるのか、大きなブームになるのか、未だ分からない。
マンネリ化したオーディオの現状を打破する突破口になるのではと期待している。
保守的な自分が、こうして書く位だから・・・可能性はかなり高いだろう。
オーディオのメディアは、今もCDが主体である、その規格は44.1khz、16ビット。現代の技術水準からみれば、一言、プアだ。
CD時代は1985年頃から現在の2012年まで既に25年以上続いている。LP時代は1950年から1985年の35年間。
技術革新は加速度的に進むと考えれば、そろそろ次のステップに移行する時期だろう。
ハイビット、ハイサンプリングは録音現場では常識だ。
それをCD製作側はロービット、ローサンプリングにダウングレードし、再生側ではそれを原音(録音)復元しようと汲々としている。今の技術水準から見れば、無駄で余計なことをしているとしか思えない。
SACDはもう少し普及すると期待したが、VHS VS β戦争 のβの道を歩むでいるのではと危惧している。
PCオーディオ、ネットオーディオは原音(録音)を劣化させることなく再生できる可能性を秘めている。
次のステップに一歩踏み出したと感じている。
*余談
CDが誕生した時、音質、操作性、全ての面でLPを上回ると宣伝された時期があった。
確かに操作性の向上は著しく、メディアの保管、取り扱いは楽になった。
音質が向上したかどうかは評価が分かれるだろう。
S/N比(ノイズの少なさ)が良くなったことは認めよう。
25年前当時の一流の装置でLPとCDを聴く場合と、今の現代設計の一流の装置でLPとCD、SACDを聴く場合では、
評価は異なるだろう。
聴き比べる環境にはないが、25年前ならLP、今ならSACD次いでLPの順になると予想する。
CD規格が開発当時の技術の妥協の産物(44.1khz 16ビット)であったことが原因である。
LPはCDに理屈上勝る。SN比、セパレーション等、アナログ故の障壁はあるのだが・・・
10年前ならCDがLPに肉薄していたかもしれない。CDの規格内でそれを最大限活かそうとする努力(ハイサンプリング、ジッター除去)が漸く実を結び付いた時期と思うからである。
LPプレイヤーだって25年前のまま進歩が止まっている訳ではない。CDと言う協力なライバルを迎えてそのままの訳はない。
素顔美人はいつになっても・・・・アナログは不滅。
しかし、カートリッジのあの価格、CDプレイヤー並の価格では昔のような普及はとても無理だろう。
CDの規格を超えて、新たに開発されたのがDVDーA(オーディオ)、SACD(スーパーCD)である。
しかし、DVD-Aはいつの間にか消え、SACDの普及はなかなか進まない。
LINNのユニバーサルプレイヤー UNUDISK 2.1 は持ってはいるが、結局、欲しいSACDがなく、オブジェ化してしまっている。
ネットオーディオの今後はどうなるか。操作性、ソフトの管理の容易さを考えれば、この動きは止めようがない。
いずれ、ミニコンポは席巻され、インターネットラジオもごくごく身近なものになるだろう。
日本の家電メーカーの現状は厳しい。将来の展望が見通せない。
国内オーディオメーカーはもうとっくに青息吐息の瀕死状態にある。ネットオーディオは一つの活路になるかもしれない。
その期待も大きいだろう。1、2年は活況が続くかもしれない。
しかし、それもつかの間だろう。
ミニコンポに波及するのは時間の問題。あっと言う間に新興国の安価な製品に席巻されそう。またも消耗戦の予感。
LINN製品、一言高い。でも売れているらしい。
なぜなのか、そのバックボーンは確固とした思想にあるように見える。
決してブレない:高級アナログプレイヤーの製造継続とたゆまぬ改良。継続は力なり。永年勤続努力賞に値する。
潔い良い戦略変更:CD事業を撤退しネットオーディオへの完全移行。ハイレゾ音源のインターネット配信などソフト面も強い。
日本メーカーには厳しい時代が続くだろう。普及品は東南アジア勢、高級ブランド品は欧州、米国勢に押されるだろう。
日本メーカーではonkyoに注目。高音質音楽配信等、攻めの積極的姿勢を評価する。ブランドイメージの向上が鍵となろう。
カーステレオはCDからIPODに代表されるデジタルプレイヤーに移行しつつある。これにインターネットラジオが加わる日も遠くないだろう。
音の良し悪しの追求がオーディオの本流ではある。現代ではそれに操作性の良いと言うことが加わることが要求される。ネットオーディオは言わば、ジュークボックスの現代版である。
車を見れば分かるだろう。オートマチックはマニュアルに勝る点はどこか。性能は、燃費は、
マニュアル車には操作する喜びはあるが、これを求める人は少ないだろう。