kamekutobu

ザスパクサツ群馬の応援、スローライフ、終活日誌、趣味、旅行

LUXMAN PD-350  吸着システムの復活? パート1

2020-09-04 07:47:49 | オーディオ
機能美溢れるLPプレイヤーを輩出し続けたラックスの最終解答的ベルトドライブ式LPプレイヤー。

◯PD-350の特徴
①ターンテーブルが二重構造(30cmアルミダイキャスト+黄銅のハイブリッド構造)、金属の持つ固有振動を分散している。
その重量は9.5kgと重く、慣性力が大きい。ターンテーブルの回転安定化に繋がっている。
本体外形寸法は普及型LPプレイヤー並みの大きさなのに29kgと重い。外部振動にも強いでしょう。

②レコード吸着式。ターンテーブルと一体化し、LPレコードの多少の波打ちは矯正される。
波打ちによる縦振動が抑えられので、カートリッジとアームの負担が減る。
その結果、本来持つカートリッジとアームの性能が発揮され、レコードの溝に刻まれている音信号を正確に読み出すことが可能となる。
重量級のターンテーブルと一体化したLPレコードは外部から来る空気振動にも強いと考えられる。

③電源(レコード吸着ポンプ内蔵)は別個体。微小電流・電圧を扱うピックアップ(カートリッジ)はベルトドライブ式であること相まって、高電圧大電流部と離れているので、精神衛生的に良い。

*ラックスのレコード吸着システムは吸着力が落ちると検知して再吸引する。
再吸引回数は少なく、動作音は静かです。

マイクロのレコード吸着システムは常時吸着システム。ポンプ音は鳴り続け、室外に放り出したくなる大きな音がしました。振動も気になりました。
自分が使っていた機種はレコード吸引+ターンテーブルエアーフロートでした。
ターンテーブルエアーフロートの仕組み:ターンテーブルとLPプレイヤー本体の間に空氣層を作り、ターンテーブルを浮かせる。ホーバークラフトと同じ原理です。
常にエアーを送らねばなりません。送風を止めれば、ターンテーブルは落ちて、回転も止まります。

音楽を楽しむなら静寂こそ大事にしたい。他の理由も加わり、今は手元にありません。

PD-350は次第に吸着力が弱まり、事実上その機能を失ってしまいました。ポンプシステムの故障のようです。
PD-350の多くが同様な症状を持っているようです。
ラックスには補修部品はなく、修理は不可能です。

このポンプを市販の真空ポンプで代用できないか検討しました。
既に使えそうな真空ポンプをピックアップしています。
常時吸引式の場合、作動音が最大の課題となるでしょう。

その予備段階として、安価な手動式真空ポンプを試しました。
手動式ですから、音楽鑑賞中に作動音がないのが最大のメリットです。

課題は吸着力と吸着時間。
吸着力は超強力。吸引力も調整出来る。吸引力の状態が直読み出来るので、再吸引のタイミングの判断が出来ます。
吸着持続時間は10分程度と短かった。途中で真空ポンプを弄らねばならず不便です。
シーリング部分を見直し、エア抜けが軽減出来れば、吸着時間を伸ばせるかもしれません。

吸着持続時間を正確に測りました。10分は持たず、6分程度でした。
真空度を上げて、持続時間の延長を測りました。しかし、期待したような時間の伸びはありません。
吸引される部分はLPレーコードとターンテーブの間の空間、LPプレイヤー内空間、吸引ホース(テフロン製?)内空間です。合わせてもそれほど大きな空間ではないでしょう。接続部からエアーが抜ける。真空ポンプ本体からのエアー漏れもあるかもしれません。負圧を上げれば、接続部のシーリング部への負担が増します。
真空ポンプで負圧を上げると、吸引ホースが潰れて変形するのが分かります。
負圧が一定以下に下がれば、LPレーコードが浮き、ここから、一気に空気が抜ける。
負圧を上げるのは限度がある。どうすれば良いか。
LPレーコード〜真空ポンプの間の空気体積を増やせば良い。
一定時間の空気漏れ量が同じなら、体積を増やすことにより、吸着時間を伸ばすことが可能です。
空気漏れ量は吸引力(負圧)に比例する。吸引力を上げるべきではない
付属品のエアータンクを間に挟みました。
空気の負圧体積が増え伸びるのではないと考えたからです。
20分程度まで伸びました。付属のエアータンクの容量は小さい。これを大容量のものにすれば、30分程度は行く可能性が出て来ました。
真空ポンプの圧力を上げ、暫く放置しておきました。
メーターがゼロになったので、再吸引しようとしたのですが、スカスカで力が入らない。圧力が掛からない。
真空ポンプからオイルが滲んでいる、
推測するに、長時間、高圧力の中に晒されたので、本体の密閉シールが破損したものと考えます。
ポンプを分解して、中の様子を見ようとしましたが、分解は難しそうです。
上手く行きそうだっただけに残念です。

実験中の画像