フォルクスワーゲンAGは、1月11日に開幕した北米国際自動車ショー(デトロイトショー)において、優れた環境性能と備えたミッドシップ2シーター・オープン・スポーツのコンセプトカーであるコンセプト・ブルースポーツを世界初公開した。
コンセプト・ブルースポーツは、“最高のドライビングプレジャーを最小の燃料消費で”をコンセプトに開発されたモデル。ピュア・スポーツカーとしてのダイナミックな走りと、従来のスポーツカーとは一線を画す低燃費を両立させた。
ボディサイズは、全長3990mm、全幅1745mm、全高1260mmで、ちょうどマツダ・ロードスターくらい。ホイールベースは2430mmで、ロードスターより100mm長い。車輌重量は1200kg以下で、このうち手動開閉式ソフトトップは27kgとなっている。
パワーユニットは、最高出力180ps/4200r.p.m.、最大トルク35.7kg-m/1750r.p.m.の2.0リッター直4直噴ディーゼル・ターボ・エンジンを搭載。このエンジンはコモンレール式直噴システムとNOx吸蔵触媒を備え、優れたスロットル・レスポンスと300ps級の6気筒ガソリン・エンジン並みのトルクを実現。トランスミッションは、デュアルクラッチ式6段2ペダルM/TのDSGを組み合わせる。
また、燃費向上策としてアイドリングストップ機構と減速時に積極的にオルタネーターを回すことで運動エネルギーを回収するブレーキ・エナジー・リジェネレーションを核とした“エコモード”を搭載。エコモード使用時には、市街地走行において約0.5km/リッターの燃費向上を実現した。
この結果、コンセプト・ブルースポーツは、0~100km/h加速6.6秒、最高速度226km/hという卓越した動力性能を実現しながら、欧州複合モードにおいて23.2km/リッターという優れた燃費性能と、わずか113g/kmという極めて少ないCO2排出量を達成。ちなみに、燃料タンク容量は50リッターであることから、満タン状態からの航続距離は1150km以上となる。
サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはマルチリンクを採用。タイヤサイズはフロントが235/35ZR19、リアは245/35ZR19となっている。
エクステリアは、水平基調のフロントグリルに代表される、新型シロッコや新型ゴルフで採用されたVWの新しいデザイン言語に基づいてデザイン。インテリアは、スポーツカーらしくドライバー・オリエンテッドなデザインとされた。
装備面では、車輌情報表示機能やエンターテインメント機能を集約したタッチスクリーン式コントローラーやデュアルゾーンオートエアコンなどを採用している。
現段階ではあくまでコンセプトカーだが、内外装の完成度はすでに高いレベルにある。エコ&スポーティなイメージを高めつつあるVWだけに、近々量産化の可能性も十分ありそうだ。