鴨着く島

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TPP・FTA・TAG

2018-09-28 11:26:10 | 日本の時事風景

TPP,FTA,TAG…と並べてみても何だかよく分からないが、すべて国家間の貿易協定である。

TPPは「環太平洋パートナーシップ」で、日本をはじめオーストラリア・インドネシアなど十数か国の参加で調印された。関税は低めに設定しているにしても、無関税というわけではなく、国々の事情を考慮し品目により高い低いがある。

FTA は「包括的自由貿易協定」で、主要品目の例外はあるが、原則としてすべての交易に関税はかからない。韓国とメキシコ・カナダがアメリカと二国間で結んでいるが、それぞれ大きな問題を抱えている。

TAGは「物品貿易協定」で、すべての交易のうち知的財産や所有権・金融などソフト品目を除いた物品に関して二国間で取り決めようという協定。

トランプ大統領は当選早々から「TPPには入らない」と言っており、もしかしたら日本への二国間協議を持ちかけてくるのではないかと危惧されていたが、その通りになった。

今度の国連総会で演説した安倍首相は、去年は北朝鮮への経済制裁一本鎗とはがらりと趣を変え、「北朝鮮との直接対話」「拉致問題の解決」にシフトした。

去年のはトランプの飼い犬のごとく、トランプの「小さなロケットマン。長距離ミサイルを打てば北朝鮮は火の海になるだろう」などという金正恩への恫喝に乗っかる形で「北朝鮮非難」に終始した。

今回のはそれに比べれば建設的だが、半年くらい前に金正恩が「日本はなぜこちらに来て俺と直接対話をしないのだ」と周辺にもらした時に、すかさず「会って話をしよう」と、答えなかったのか、残念である。やはり「アメリカへの忖度が第一」主義のせいだろう。

 

その国連演説後に会談をした結果、突然出てきたTAG。おそらくトランプは安倍首相が3選されるのを待って持ち出してきたのだ。もちろん党首選挙の前から向こうは安倍首相の当選は確実とみていて、当局筋には伝えておいたのだろうが公表はしなかった。

もし公表もしくはマスコミにリークされたら、党首選での地方票は大きく石破支持に傾き、安倍さんは危なかったかもしれない。

アメリカのこうした外交はしたたかだ。トランプの飼い犬よろしく何でも言うことを聞く安倍首相なら、トランプの最低でもあと二年ある任期のうちにTAGから入って結局は二国間FTAを結んでしまおうという腹なのだろう。

アメリカとの二国間自由貿易協定は農業分野で最大の禍根となる。絶対やめるべきだ。