去年の7月のブログに書いたが、WHOからの査察は7月に1度入っているのだが、あの時の結果は全く公表されていない。おそらく中国側にとって好ましくない結果だったのだろう。同じ頃にオーストラリアの首相の「原因究明せよ」発言への中国側の猛反発(オーストラリア農産品等への輸入制限措置)でそのことは容易に分かる。
それはそれとして、今回日本人研究者を含むWHOの10名からなる査察団が、1月30日頃から一週間かけて広範囲にわたって調査を行った。
最初に感染クラスタ―が発生した例の「華南海鮮卸売市場」、「湖北省動物疫病予防コントロールセンター」、「武漢ウイルス研究所」などの施設を、それぞれ1時間から4時間くらいの時間をかけて立ち入り調査している。
また治療に当たった医療関係者などへの聞き取りも行っているようで、相当本格的な調査のように見える。
ただ不可解なのが査察団が以上の施設への調査を始めるのに先立って「習近平が主導して中国が新型コロナウイルスに打ち克ったことを展示している施設」(※展示施設名は不明)に招待(?)していることだ。
それが何を意味するかは忖度するほかないが、中国ではこの手の「指導者のお手柄を称揚する展示施設」や、反対に日本軍による「南京30万人大虐殺」というような数字を「白髪三千丈」式に超誇大にしたうえで展示して人民を洗脳する施設など数多あるようだ。
自分の手柄は最大限に見せ、相手の落ち度は徹底的に叩くという幼稚極まりない手法がまかり通るあのトランプも真っ青な一党独裁社会の情けない点である。
さて査察は華南海鮮卸売市場から始まったが、ここはたったの1時間程度の視察で終わっている。当然と言えば当然だ。もうすっかり内部は片付けられていたのだから。ここが発生源かどうかの決め手はないが、初めてここでクラスタ―感染が起きたのは中国も認めるところだ。
次の「湖北省動物疫病予防コントロールセンター」ではセンター内の専門家と意見を交換しているが、海鮮市場をどの程度管理把握していたのかについての報道はない。市場内の肉の販売などは野放し状態だったのだろうか。
最後の最も肝心な「武漢ウイルス研究所」だが、ここには2002年から2003年に掛けて発生流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)に関してコウモリからコロナウイルスを分離究明した著名な研究者・石正麗がいる。
査察団はこの人と意見を交換し「重要な問題の質疑をした」(査察団員のピーター・ダジャック氏のツイッターによる)らしいのだが、結局のところ武漢ウイルス研究所からのウイルス漏洩の証拠はないとの結論である。
ところがその一方で「新型コロナウイルスの起源をたどるには、中国の洞窟にいるコウモリを調べる必要がある」とも述べている。
だが、コウモリに関しては武漢ウイルス研究所には石正麗という優秀な研究者がいるわけで、1年も前に発生している新型コロナウイルスの遺伝子解析などはもうとっくに石氏が調査しているのではないだろうか。何を今さらという気がする。
査察団は9日に最終的な会見を開いたが、結論は「武漢ウイルス研究所からの新型ウイルス漏洩の可能性は極めて低い」ということになった。同席した中国側の担当者は「ウイルスは人為的に作られたものでも、武漢ウイルス研究所から漏れたものでもない」と胸を張ったらしい。
初めにこの結論ありきという疑惑はぬぐえない。まして「人為的に作られたものではない」と中国側が強調したようだが、なぜそこまで言い張れるのか唐突な感がしてならない。疑惑はより一層深まる。
何にしても、湖北省の武漢で最初に感染者が出たのが2019年の12月の初めだったのに当局がそれを無視し、さらに同月の下旬になって青年医師が「流行性の感染症だ」と公言していたにもかかわらず、むしろ彼を取り締まるという「愚挙」を犯してしまったのが、武漢はじめ世界に大流行を巻き起こした大きな原因であった。
中国は上で触れた「習近平が武漢の新型コロナウイルス大流行に勝利した」などとという茶番な施設など作る前に、世界に謝罪すべきだったろう。
それはそれとして、今回日本人研究者を含むWHOの10名からなる査察団が、1月30日頃から一週間かけて広範囲にわたって調査を行った。
最初に感染クラスタ―が発生した例の「華南海鮮卸売市場」、「湖北省動物疫病予防コントロールセンター」、「武漢ウイルス研究所」などの施設を、それぞれ1時間から4時間くらいの時間をかけて立ち入り調査している。
また治療に当たった医療関係者などへの聞き取りも行っているようで、相当本格的な調査のように見える。
ただ不可解なのが査察団が以上の施設への調査を始めるのに先立って「習近平が主導して中国が新型コロナウイルスに打ち克ったことを展示している施設」(※展示施設名は不明)に招待(?)していることだ。
それが何を意味するかは忖度するほかないが、中国ではこの手の「指導者のお手柄を称揚する展示施設」や、反対に日本軍による「南京30万人大虐殺」というような数字を「白髪三千丈」式に超誇大にしたうえで展示して人民を洗脳する施設など数多あるようだ。
自分の手柄は最大限に見せ、相手の落ち度は徹底的に叩くという幼稚極まりない手法がまかり通るあのトランプも真っ青な一党独裁社会の情けない点である。
さて査察は華南海鮮卸売市場から始まったが、ここはたったの1時間程度の視察で終わっている。当然と言えば当然だ。もうすっかり内部は片付けられていたのだから。ここが発生源かどうかの決め手はないが、初めてここでクラスタ―感染が起きたのは中国も認めるところだ。
次の「湖北省動物疫病予防コントロールセンター」ではセンター内の専門家と意見を交換しているが、海鮮市場をどの程度管理把握していたのかについての報道はない。市場内の肉の販売などは野放し状態だったのだろうか。
最後の最も肝心な「武漢ウイルス研究所」だが、ここには2002年から2003年に掛けて発生流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)に関してコウモリからコロナウイルスを分離究明した著名な研究者・石正麗がいる。
査察団はこの人と意見を交換し「重要な問題の質疑をした」(査察団員のピーター・ダジャック氏のツイッターによる)らしいのだが、結局のところ武漢ウイルス研究所からのウイルス漏洩の証拠はないとの結論である。
ところがその一方で「新型コロナウイルスの起源をたどるには、中国の洞窟にいるコウモリを調べる必要がある」とも述べている。
だが、コウモリに関しては武漢ウイルス研究所には石正麗という優秀な研究者がいるわけで、1年も前に発生している新型コロナウイルスの遺伝子解析などはもうとっくに石氏が調査しているのではないだろうか。何を今さらという気がする。
査察団は9日に最終的な会見を開いたが、結論は「武漢ウイルス研究所からの新型ウイルス漏洩の可能性は極めて低い」ということになった。同席した中国側の担当者は「ウイルスは人為的に作られたものでも、武漢ウイルス研究所から漏れたものでもない」と胸を張ったらしい。
初めにこの結論ありきという疑惑はぬぐえない。まして「人為的に作られたものではない」と中国側が強調したようだが、なぜそこまで言い張れるのか唐突な感がしてならない。疑惑はより一層深まる。
何にしても、湖北省の武漢で最初に感染者が出たのが2019年の12月の初めだったのに当局がそれを無視し、さらに同月の下旬になって青年医師が「流行性の感染症だ」と公言していたにもかかわらず、むしろ彼を取り締まるという「愚挙」を犯してしまったのが、武漢はじめ世界に大流行を巻き起こした大きな原因であった。
中国は上で触れた「習近平が武漢の新型コロナウイルス大流行に勝利した」などとという茶番な施設など作る前に、世界に謝罪すべきだったろう。