今日の午後視聴した「そこまで言って委員会」では五つの論点について参加者8人の意見を求めていたが、最後の質問は「日本国憲法改正は是か否か」であった。
参加者8人の意見は真っ二つに分かれ、賛成が4人、反対が4人。
改正の焦点はもちろん9条の改正で、反対派の論旨はほぼ「平和憲法は絶対変えてはいけない」というスタンスで、9条の言うように「交戦権は認められず(第一項)、そのための戦力は持たない(第二項)」つまり「戦争の放棄」を変えてはいけない、というものである。
現在の日本には「自衛隊」があるが、かつての9条遵守派は「自衛隊は戦力であり、憲法違反だ」と言ってはばからなかった。
しかし憲法9条が規定した「交戦権」の内容は、「国家間の戦争」(対外戦争)は放棄するということであり、国内の戦争(内戦)に対処する交戦権は否定されていない。そのためGHQは国内の争乱を取り締まるために「保安隊」を認め、やがて「警察予備隊」が発足し、それが今日の自衛隊(1954年創設)に繋がっている。
現実に戦後の日本で内乱が発生したことはないのだが、当時のGHQが恐れたのは共産党を筆頭にした勢力による日本国内の争乱であった。それを取り締まるための警察予備隊であり、その後の自衛隊創設であった(アメリカではかつてよく「州兵」が出動して「暴動」を取り締まっていた。それと同じである)。
したがって自衛隊の存在は「対外戦争」のためではなく、国内の争乱を鎮定するというのがそもそもの目的であった。憲法9条は第一項で「対外戦争」を否定している。つまり対外交戦権の放棄であり、それは自衛隊という造語の通りである。
また、およそ独立国である限り個別的自衛権は持っており、国土を守るための自衛戦力は否定されない。
これは9条第二項に抵触しているように見えるが、第二項は、対外戦争のための戦力は持たないが、内戦を防止し予防するための戦力を持つことまでは否定しないと解釈すべきである。
ただし、9条には「自衛隊」もしくは「国土防衛隊」という専守防衛戦力の文言が無いので、書き加えるべきだ。その程度の最小限度の改正は早急に行うべきだろう。
ただ「そこまで言って委員会」の9条改正派の一人が、「ウクライナへのロシア侵攻が現実に起きた。自衛戦力を格上げしてNATOのような集団的安全保障体制を作って攻撃に備えるべきだ」という委員がいたが、集団的安全保障体制の構築を言う前に、「日米安保体制はどうなるの?」という疑問が起きるが、その点どう考えるのか。
また今回のロシアによるウクライナ侵攻の脅威から連想するならば、日本が巻き込まれるという心配より、まずは「台湾問題」だろう。中国政府は国連に加盟した1972年からこの方、ずっと「台湾は中国の一省であるから、必ず統一しなければならない」と言ってきた。
ところがこれはまやかしである。
大陸が清王朝だった時代の明治6(1874)年、琉球の八重山島民が台湾に漂着したが、台湾の原住民であるパイワン族に襲われて54名が命を落とした事件があった。
明治政府は清国に官吏を派遣し善処を求めたが、清国は「台湾は清の王化には属していない」として補償を拒んだので、ついに明治政府は出兵することになった(台湾征討)。(※原住民のパイワン族を征伐したのだが、待ち構えていたのはマラリア等風土病の猛攻であったという。)
その後日清戦争の勝利によって1895年に台湾を日本領に組み入れた。その期間は1945年のポツダム宣言受諾までの60年間であった。台湾統治の間、日本は相当な人員と資本を以て数々の施策に取り組み、台湾の近代化を図っている。
今日でも台湾には親日家が多いが、それは日本のその60年間の統治が台湾に多大な恩恵をもたらしたからである。
その一方、台湾は太平洋戦争終焉後に毛沢東の共産軍に敗れた国民政府が渡ってくるまでは、大陸中国にとっては常に「化外の島」であり、一度たりとも大陸中国の施政権が及んだことはなかった。
したがって中国共産党政府のいう「台湾は本土と一体の国であり、台湾政府の存在は許されない」というのは全くのまやかしである。
この台湾が置かれた状態と一見して似ているのが今度ロシアから攻撃されているウクライナだが、ウクライナの場合、たしかにプーチンの言うように、1000年以上前からウクライナの「キエフ公国」とロシアの「モスコー公国」とは兄弟関係にあった。帝政ロシア時代も両者の関係は続いており、帝政崩壊後のソビエト連邦時代にはソ連邦の重要な一員であった。
1991年にソ連邦が崩壊し、ウクライナはじめ多くの独立国家が生まれたが、それら独立国家にはロシア語を話すロシア人が残っており、プーチンはそれらの「同朋」が迫害されているのを見て見ぬふりはできないと、大規模演習に名を借りて攻め込んだ。よく言われる「居留民保護」という「大義」である。
プーチンのやり方は全く承認できないが、これと同じことを中国共産党政府が台湾に対してやったら、ロシアに対する以上の大ブーイング(制裁)が国際社会で起きるだろう。下手をすると中国共産党政府そのものの瓦解を招くかもしれない。
上で見た台湾と大陸との関係からすれば当然のことである。
ましてや中国が日本に攻めて来るなど、有り得ない話だ。識者や政治家の中にはウクライナ問題を契機に危機感をあおる輩が多いが、歴史的に見れば全く心配することはない。
参加者8人の意見は真っ二つに分かれ、賛成が4人、反対が4人。
改正の焦点はもちろん9条の改正で、反対派の論旨はほぼ「平和憲法は絶対変えてはいけない」というスタンスで、9条の言うように「交戦権は認められず(第一項)、そのための戦力は持たない(第二項)」つまり「戦争の放棄」を変えてはいけない、というものである。
現在の日本には「自衛隊」があるが、かつての9条遵守派は「自衛隊は戦力であり、憲法違反だ」と言ってはばからなかった。
しかし憲法9条が規定した「交戦権」の内容は、「国家間の戦争」(対外戦争)は放棄するということであり、国内の戦争(内戦)に対処する交戦権は否定されていない。そのためGHQは国内の争乱を取り締まるために「保安隊」を認め、やがて「警察予備隊」が発足し、それが今日の自衛隊(1954年創設)に繋がっている。
現実に戦後の日本で内乱が発生したことはないのだが、当時のGHQが恐れたのは共産党を筆頭にした勢力による日本国内の争乱であった。それを取り締まるための警察予備隊であり、その後の自衛隊創設であった(アメリカではかつてよく「州兵」が出動して「暴動」を取り締まっていた。それと同じである)。
したがって自衛隊の存在は「対外戦争」のためではなく、国内の争乱を鎮定するというのがそもそもの目的であった。憲法9条は第一項で「対外戦争」を否定している。つまり対外交戦権の放棄であり、それは自衛隊という造語の通りである。
また、およそ独立国である限り個別的自衛権は持っており、国土を守るための自衛戦力は否定されない。
これは9条第二項に抵触しているように見えるが、第二項は、対外戦争のための戦力は持たないが、内戦を防止し予防するための戦力を持つことまでは否定しないと解釈すべきである。
ただし、9条には「自衛隊」もしくは「国土防衛隊」という専守防衛戦力の文言が無いので、書き加えるべきだ。その程度の最小限度の改正は早急に行うべきだろう。
ただ「そこまで言って委員会」の9条改正派の一人が、「ウクライナへのロシア侵攻が現実に起きた。自衛戦力を格上げしてNATOのような集団的安全保障体制を作って攻撃に備えるべきだ」という委員がいたが、集団的安全保障体制の構築を言う前に、「日米安保体制はどうなるの?」という疑問が起きるが、その点どう考えるのか。
また今回のロシアによるウクライナ侵攻の脅威から連想するならば、日本が巻き込まれるという心配より、まずは「台湾問題」だろう。中国政府は国連に加盟した1972年からこの方、ずっと「台湾は中国の一省であるから、必ず統一しなければならない」と言ってきた。
ところがこれはまやかしである。
大陸が清王朝だった時代の明治6(1874)年、琉球の八重山島民が台湾に漂着したが、台湾の原住民であるパイワン族に襲われて54名が命を落とした事件があった。
明治政府は清国に官吏を派遣し善処を求めたが、清国は「台湾は清の王化には属していない」として補償を拒んだので、ついに明治政府は出兵することになった(台湾征討)。(※原住民のパイワン族を征伐したのだが、待ち構えていたのはマラリア等風土病の猛攻であったという。)
その後日清戦争の勝利によって1895年に台湾を日本領に組み入れた。その期間は1945年のポツダム宣言受諾までの60年間であった。台湾統治の間、日本は相当な人員と資本を以て数々の施策に取り組み、台湾の近代化を図っている。
今日でも台湾には親日家が多いが、それは日本のその60年間の統治が台湾に多大な恩恵をもたらしたからである。
その一方、台湾は太平洋戦争終焉後に毛沢東の共産軍に敗れた国民政府が渡ってくるまでは、大陸中国にとっては常に「化外の島」であり、一度たりとも大陸中国の施政権が及んだことはなかった。
したがって中国共産党政府のいう「台湾は本土と一体の国であり、台湾政府の存在は許されない」というのは全くのまやかしである。
この台湾が置かれた状態と一見して似ているのが今度ロシアから攻撃されているウクライナだが、ウクライナの場合、たしかにプーチンの言うように、1000年以上前からウクライナの「キエフ公国」とロシアの「モスコー公国」とは兄弟関係にあった。帝政ロシア時代も両者の関係は続いており、帝政崩壊後のソビエト連邦時代にはソ連邦の重要な一員であった。
1991年にソ連邦が崩壊し、ウクライナはじめ多くの独立国家が生まれたが、それら独立国家にはロシア語を話すロシア人が残っており、プーチンはそれらの「同朋」が迫害されているのを見て見ぬふりはできないと、大規模演習に名を借りて攻め込んだ。よく言われる「居留民保護」という「大義」である。
プーチンのやり方は全く承認できないが、これと同じことを中国共産党政府が台湾に対してやったら、ロシアに対する以上の大ブーイング(制裁)が国際社会で起きるだろう。下手をすると中国共産党政府そのものの瓦解を招くかもしれない。
上で見た台湾と大陸との関係からすれば当然のことである。
ましてや中国が日本に攻めて来るなど、有り得ない話だ。識者や政治家の中にはウクライナ問題を契機に危機感をあおる輩が多いが、歴史的に見れば全く心配することはない。