朝食後居間で新聞を読んでいたら、南の窓越しに見える畑でオレンジ色のトラクターが西から東に動いているのに気付いた。しかも後ろのロータリーの部分でたくさんの葉が揺れている。
よく見るとその葉っぱは連続して動いていて、そのまま下に落ちて行っているようだ。
ダイコンの収穫に違いない。
デジカメを持って家を出、50mほど先の畑に行ってみた。
ちょうど向こう(東)へ折り返したばかりで、ふた畝目の抜き取りにかかっていた。
普通なら耕運用のロータリー(回転刃)が装着される部分に、ダイコン抜き取り専用のアタッチメントが着けられている。
ダイコンは向かって右手から掘り起こしつつ抜き取られる仕組みで、抜かれたダイコンは今度はアタッチメントを右から左へ「空中移動」し、左手の畑面に落とされて行く。
抜き取りに人手はまったく不用である。
この機械は近年さらに高齢化した農家の助っ人で、1本の重さ1キロ足らずとはいえ、抜き取る際に腰をかがめなければならなかった高齢農家の救世主というべきだろう。
何しろ広い畑である。聞くところによると1反当たりの栽培本数は1万本だそうだから大変だ。この畑は3反はある。
もっとも抜き取ったあとのダイコンの葉っぱを切り落とす作業は人手によらなければならない。それでも見事な大根を眼にしながらの作業は嬉しさもあり、楽しいのではないか。
近年はサツマイモにしろ、ジャガイモにしろ根菜類の機械掘りが普及し、農家の体力的な負担は大きく軽減している。
実際に目にしたことはないが、ゴボウの掘り取りやニンジンなどにも機械掘りがあるという。
機械化には金がかかるから、どうも、という人もいるが、機械は借りればよく、ダイコンの掘り取りに使うこの機械の借り賃は知らないが、田んぼで活躍する収獲機械コンバインが1反当たり1万5~6千円だから、それよりは若干安いと思われる。
畑作にしろ米作にしろ、露地物は収穫は年に一回だから、よほどの面積を栽培しない限り、機械を保有する必要はないのが常識である。
こちらは我が家のダイコンの畝。まだ暑かった十月の初めに蒔いたのだが、ここ2週間ほど続く寒波のおかげで身が締まって来たようだ。
今日は何本か抜いてみよう。あの機械だったらこの畝のダイコン全部をほんの数秒でさっと綺麗に抜くだろうが・・・。
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