1975年に始まり日本での開催は今度で7回目のG7。
今回は岸田首相のお膝元の広島で開催されたのだが、淡い期待を抱いていた「核廃絶」への道筋は示されずじまいだった。
英米仏の核保有国は「核不拡散」(NPT)を逸脱しなかったことに胸をなでおろしたことだろう。
戦争当事国ロシアのプーチン大統領の「核先制使用の威嚇」の衝撃が大きかったことで、声明には、「いかなる国の核による脅しは受け入れられない」という文言が加えられたのが唯一の核への新しいアプローチだ。
広島被団協の被爆者の代表や役員は、異口同音に「何の進展もなかった」とがっかりしている。せめて日本政府が「核兵器禁止条約」会議へのオブザーバー参加くらいは主張して欲しかったに違いない。それでこその広島出身の総理大臣ではないか。
ロシアが完全にG7の敵国になったのに対し、中国については意外にもトーンダウンした。アメリカなどは中国のやり方すべてを否定しているわけではない、というような言い方に変わった。
バイデン大統領の片腕ブリンケン国務長官が2年前の冬にアラスカアンカレッジに中国の当時の外務担当の常務委員ヨウ・ケッチを呼び出して、中国のやり方をののしったことがあったが、この2年でずいぶん変わったものだ。
G7のロシアへのあからさまな敵視に比べ、相対的に中国への「悪者扱い」が弱まった気がするだけなのかもしれないが、台湾問題は議論の直接な対象にはならなかった。
ウクライナのゼレンスキ―大統領が飛び入り参加したのも、広島サミットの成果の内に入るだろう。ウクライナはもちろんG7でもなく、またG20でもないのだが、ここへきて会議の主役になったかのようだった。
広島平和公園の中にある国際会議場の一室で岸田首相はじめ政府要人の前にウクライナ政府要人が座ったが、そのほとんどが軍服であったのには驚かされた。ゼレンスキ―大統領からして濃いカーキ色のいつものパーカーという平服だが、こちらはウクライナ戦争以降どこにいても誰と会っても変わっておらず、すっかりお馴染みと言ってよい。
日本との会談の中でむろんゼレンスキ―氏は日本の支援と連帯への感謝の言葉を述べたが、すでにアメリカのバイデン大統領との会談で、F16戦闘機の援助が確約されていたので、上の空だったかもしれない。
とにかく戦争当事国の首班が訪問して来るという戦後の日本では皆無の事態であった。
ウクライナはこのG7広島サミットという世界中が注視しているまたとない機会を捉え、ロシアへの「反転攻勢」のための軍事的援助を引き出すことに成功したと言ってよい。あとはそれがいつどのように始まるかだが、願わくば攻勢後にロシアとの停戦合意があらんことを!
今回は岸田首相のお膝元の広島で開催されたのだが、淡い期待を抱いていた「核廃絶」への道筋は示されずじまいだった。
英米仏の核保有国は「核不拡散」(NPT)を逸脱しなかったことに胸をなでおろしたことだろう。
戦争当事国ロシアのプーチン大統領の「核先制使用の威嚇」の衝撃が大きかったことで、声明には、「いかなる国の核による脅しは受け入れられない」という文言が加えられたのが唯一の核への新しいアプローチだ。
広島被団協の被爆者の代表や役員は、異口同音に「何の進展もなかった」とがっかりしている。せめて日本政府が「核兵器禁止条約」会議へのオブザーバー参加くらいは主張して欲しかったに違いない。それでこその広島出身の総理大臣ではないか。
ロシアが完全にG7の敵国になったのに対し、中国については意外にもトーンダウンした。アメリカなどは中国のやり方すべてを否定しているわけではない、というような言い方に変わった。
バイデン大統領の片腕ブリンケン国務長官が2年前の冬にアラスカアンカレッジに中国の当時の外務担当の常務委員ヨウ・ケッチを呼び出して、中国のやり方をののしったことがあったが、この2年でずいぶん変わったものだ。
G7のロシアへのあからさまな敵視に比べ、相対的に中国への「悪者扱い」が弱まった気がするだけなのかもしれないが、台湾問題は議論の直接な対象にはならなかった。
ウクライナのゼレンスキ―大統領が飛び入り参加したのも、広島サミットの成果の内に入るだろう。ウクライナはもちろんG7でもなく、またG20でもないのだが、ここへきて会議の主役になったかのようだった。
広島平和公園の中にある国際会議場の一室で岸田首相はじめ政府要人の前にウクライナ政府要人が座ったが、そのほとんどが軍服であったのには驚かされた。ゼレンスキ―大統領からして濃いカーキ色のいつものパーカーという平服だが、こちらはウクライナ戦争以降どこにいても誰と会っても変わっておらず、すっかりお馴染みと言ってよい。
日本との会談の中でむろんゼレンスキ―氏は日本の支援と連帯への感謝の言葉を述べたが、すでにアメリカのバイデン大統領との会談で、F16戦闘機の援助が確約されていたので、上の空だったかもしれない。
とにかく戦争当事国の首班が訪問して来るという戦後の日本では皆無の事態であった。
ウクライナはこのG7広島サミットという世界中が注視しているまたとない機会を捉え、ロシアへの「反転攻勢」のための軍事的援助を引き出すことに成功したと言ってよい。あとはそれがいつどのように始まるかだが、願わくば攻勢後にロシアとの停戦合意があらんことを!
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