昨日は二十四節気の一つ、「雨水」でしたね。初春の季語で、陰暦正月の中、太陽暦では2月19日頃。空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころです。『暦便覧』には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されていますが、実際は積雪のピークで、それゆえこの時節から寒さも峠を越え、衰退し始めると見ることもできます。
落ちてゐし種ふくらめる雨水かな 滝沢伊代次
今日も雲の多いどんよりとした空で昨日よりは少し冷えますが、大したことはなさそうです。
さて、昨日の〝長府のひなまつり〟の続きです。
「長府庭園」を出て、しばらく歩いて昼食場所へ。なかなか洒落たお店で、ランチの名称も「一期一会」(和洋食)とか「温故知新」(洋食)とか…私と娘は「一期一会」にしました。とても美味しかったで~す!ゴチソウサマ。
食後は「長府毛利邸」へ。ここは、長府毛利家14代当主の毛利元敏公が、東京から長府に帰住し、この地を選んで建てた邸宅で、明治31年(1898)に起工、明治36年6月2日に完成した後、大正8年(1919)まで長府毛利家の本邸として使用されました。
その間、明治35年11月には、明治天皇が、熊本で行われた陸軍大演習をご視察の際、この邸宅を行在所として使用され、一部の部屋は当時のまま残されていて、往時を偲ぶことが出来ます。
また津軽家に嫁がれ、常陸宮華子妃殿下のご生母となられた久子様(元敏公のお孫さん)も、このお屋敷で幼少時代を過ごされていたそうです。邸内にある庭園は、池泉回遊式で苔・石・楓・灯籠など配置の妙は、新緑や紅葉の季節に一段と映え、しっとりとした日本庭園のたたずまいを感じさせてくれるところです。入場料200円。
ところで、なぜ「長府毛利邸」というのかというと、防府市に毛利宗家の本邸(現在の毛利氏庭園と毛利博物館)があり、私たちが普通〝毛利邸〟と呼んでいるのはこの防府の方ですから、それと区別するためなんです。
以前ここへは何度か吟行に来て、そのときに詠んだ私の句〈一服の茶に百畳の冷えほぐす〉を句集『甘雨』に収めています。実際ここには百畳以上の部屋がありますし、お茶をサービスしてくれます。今回もありましたよ。寒い時にはアリガタイです。
この長府毛利邸では、観光シーズンの休日などに甲冑・官女衣装着付け体験などのイベントが催されます。今回の〝ひなまつり〟でも、〝なりきりお雛様〟といって、無料で十二単や衣冠束帯を貸してくれました。それで、それを着てみんなでお雛様になろうよ…、〝みんなで着ればコワクナ~イ!〟と、写真を。可愛い女の子もいましたので撮らせてもらいました。どうですか?ホントにお雛様みたいでしょ!