ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

吟行って何?

2022年04月17日 | 俳句

 あっと言う間の1週間でした。何やってたの?と聞かれても…エ~エッと、いつもの通りの俳句でしょ、それにリハビリのための通院と…他には…?

 そうだ、火曜日はM教室の吟行をしての句会。金曜日はK俳句教室、土曜日が午前のきらら教室と午後の馬酔木会のダブル句会と、これはいつものことなんですからね。ただ一つ違ったのは、そうだ、あれは確か木曜日の夜でしたが、夜から急にお腹の調子がおかしくなり何度もトイレへ行ったっけ。おまけに悪寒がして全身の倦怠感と、最後は吐き気まで…

 これはもしかしたらコロナ?と、一瞬ビビりましたよ。でも熱を測っても平熱だし、じゃあ何かに当ったのかしら…と、思いつつの翌朝のことです。

 夜が眠れなかったし、気分も悪かったので遅く起きてラジオ体操へは行きませんでした。すると、主人が帰りにこちらに寄ったので、体調が悪いことを言うと…ビックリです。実は主人も前夜下痢で何度も起きたんだと。じゃあお婆ちゃんは?と聞くと、何ともなくて元気だそうです。ウエッ!

 しかし、次の日にお婆ちゃんも便が緩くなったと言い出し…でも他の症状は2人には出ていないというので、結局3人の食べた物が原因での食あたりだろうということで決着。でも何が悪かったのか思い当らないのですが、恐るべし101歳ですよ!私など一番若いのに…虚弱じゃあね~と言われてしまいました。だからこの体調不良で食べるものもおかゆとかの消化のいい物ばかり…力が出ませんよね。そんな状態が土曜日まで続いて、それで句会などをこなすのが精一杯…ブログには全く手が出ませんでした。スミマセン!

 さて、ここまでブランクができてしまうと、何を書こうかと迷ってしまいましたが、先日の吟行のことでも報告しましょうか。

 この2,3年どこの俳句教室でもコロナ禍で殆ど吟行をしなくなっていました。この吟行というのは、詩歌・俳句をつくるために、同好者が景色の良い所や名所旧跡などに出かけて行くことなんですが、M教室の新人さんはまだその吟行なるものを体験したことがないという。そこで、近いところへ行くことに。でもどんなところであれ、外に出て風や空気などを肌で感じ、目に見えるもの、聞えるものに集中して句を詠むというのはいいものですよ。

 今回は小さな漁港の漁師町、そこの寺や神社というごくありふれた場所でしたが、それなりに収穫はありましたね。短時間でしたので8人の1人3句と…。

 季語で多かったのは〝花曇・花びら・桜花・花の雲〟などと、まだ桜が残っていましたし、鳥なら〝揚雲雀・百千鳥〟など。他に〝木の芽・芽吹く〟や〝つちふる〟〝鰆東風〟なども。やはり兼題で詠むのとは違って、目の前に見えるものの実感を詠むのですから様々なものが出て来ます。みんな同じものを見ていたはずなんですが、やはり〝十人十色〟というごとく、全く同じという句はありませんでした。

 今回の最高点句は〈春昼や鱗の残る競市場〉。きれいに纏まって季語が効いている句です。特に魚市場と言わなかったのがよかった。でも競りが終った後の魚市場にこびりついた鱗が光ってよく見えるでしょう。実際に見ていない人にでも分りますよね。しかし、何もなく想像で詠めといわれても…〈鱗の残る〉という把握はすぐには出てこないでしょう。これが吟行の良さです。どんなに平凡なところにでも句材は転がっていますし、そこへ行かなければ、またはその時でなければ出会えなかったものというのはたくさんあるはず。例えばそれが自分の家で、庭であっても…なんですよ。

 俳句というものはどこかの観光名所へ行かないと出来ないものと思っておられる方はいませんか。もしそうなら、そういう有名な所へ行ったときの方が却って詠めないものなんです。まるで絵はがきのような報告の句ばかりができて…全く面白くないんですから。

 今回も見慣れた風景ばかりでしたが、それでも揚雲雀を間近で見たことがない人や魚市場に来たことがない人もいて、新人さんも、詠むのは難しかったけどとても愉しかったと。ヨカッタ!その新人さんの初めての吟行句は、〈弁当の隅にひとひら桜花〉でした。お昼は頼んでおいた弁当を、みんなで一緒に公園の桜の下で食べましたので、それを素直にこのように詠んだんですね。俳句はそれでいいんです。決して難しく構えないで…ね。でもせっかくだからと、これを〈弁当の蓋へひとひら桜花〉と添削しました。ほら、このほうが花びらがよく見えてくるでしょう…なんて言って…。はい、オシマイ!

 写真は、吟行した漁港の様子や風物。ここはかつてはお殿様も通ったという古くに栄えた漁港で、寺なども400年の歴史があるんですよ。

 


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6 コメント

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Unknown (ちわき)
2022-04-22 23:44:53
ミルクさん、コメントありがとうございます。
できますよ、ミルクさんでも誰でも…〝案ずるより産むが易し〟なんですから。
〈桜見る母にひと片髪飾り〉…
ほら、出来るじゃないですか!これはお母様がお元気だった頃を思い出して…ですか。
幾つになっても母は忘れられませんね。何かのはずみにふっと思い出して、無性に逢いたくなりますが、ミルクさんは10年?だったかしら、介護されたということだから余計忘れられないでしょう。
私はつきっきりで看病したのはたった3日でしたもの。
桜は…終りでもいいから行ってみたら…いいかも。
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吟行 (ミルク)
2022-04-22 15:51:19
新人さん、いきなり吟行で、すばらしいわ。
見たことをその場で,句にするなんて私ならできません💦

私も、ちょっと似たことを考えてました(;^_^A
桜見る母にひと片髪飾り
今年はまだ桜を見に行ってないですが、そろそろ終わりそうかも。
新しいスタート、頑張ってください!
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Unknown (ちわき)
2022-04-21 01:15:30
晴陽さん、再びのコメントありがとうございます。
ブログも折々に読んで下さっているとは…これもまたありがとうございます。
俳句の鑑賞は人によって様々でしょうから…私はそれはそれでいいと思っているんですよ。
句会でも選句した理由を聞くと…やっぱり様々。とんでもない意味に解釈して採っているのもありますし…つい苦笑してしまいます。
添削はまあ想定内というところでしていますが、本人には気に入らないこともあるでしょうね。本当に難しいものだと思います。
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Unknown (晴陽)
2022-04-20 12:43:46
ブログの方、折々拝見してますよ。先日の『三月尽』の句なども頭を捻ってみたのですが、今ひとつピリッとしたのができませんでした。
蓋の件、私は蓋を開いて脇の方へ置いてある状況を想像してました。自分が手に持って正面にある弁当ではなくて、傍にある蓋に降ってきたというのは奥ゆかしさはありますね。
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Unknown (ちわき)
2022-04-19 02:09:08
晴陽さん、お久しぶりで~す。
ブログ読んで下さっているんですね。ありがとうございます。
そちらではコロナでまだ吟行などは出来ないんですか?
まあこちらでは殆ど人の居ない所へ行っていますので、みんなそれほど心配していないんですよ。
さて、ご指摘の弁当の蓋の件…確かにそういうイメージがあるかも。ただこの時は市販のおにぎり弁当でしたし、蓋も透明で…なんて、言い訳は別にして…
隅にとすると食べている弁当の中に入っていたことになりますよね。それとも食べ終わった弁当殻の隅に…とか。
蓋へとすると今花びらが舞い降りてきて、開けようとする弁当へ…
本当は何もなくてもいいんですけどね。弁当へひとひら…だけで。
開ける前か食べている最中かは読む人次第…晴陽さんならお分かりでしょう。
コメント有り難うございました。
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Unknown (晴陽)
2022-04-18 14:02:12
こんにちは、吟行楽しそうで羨ましいです。新人さんの句も良いですね。ちわきさんは添削で『蓋』に直されてましたけど、弁当の蓋って汁で濡れてるイメージありませんか?ペタッと貼り付く少し残念な光景が浮かぶ人もいるかもしれないので、私ならシンプルに『弁当の上に』とかにしちゃうかな。(添削にケチつけたみたいですいません。)
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