神名火だより

出雲地方・宍道湖周辺で撮影した四季折々の写真です。
時々、自作パソコンの話題もあります。

19年前のイタリア旅行記(5日目)

2011年11月13日 08時25分05秒 | 旅行
5目目(フィレンツェ→ローマ)



道に迷う
 本日午前中は自由行動。昼過ぎにホテルへ集合し最後の目的地ローマへ出発の予定です。我々はミケランジェロのダビデ像の本物を見るためにアカデミア美術館を目指します。地図で見ると、ホテルからドォーモを目標に進み、ドォーモ左側後ろ斜めを進めばあるはずです。でも、間違いなく進んでいるけれども美術館は見つからない。細い道路と周囲には高い建物。方角の基準となるものが無いので、道に迷ったようです。小さな広場に出てきて、標識を見ると、近くまで来ていることは判るのですが、看板がない。日本ならば目立つでかい看板を出すでしょうが、美観を損ねます。きっと、小さくしか表示しないのでしょう。仕方ない、周囲の地元住民らしい人にガイドブックの地図を示して英語でアカデミア美術館を訪ねました。言葉は通じなかった様ですが、地図のイタリア語を見て、「こっちだよ」と教えてくれました。やっぱりすぐ近くでした。無事に到着です。

 アカデミア美術館はミケランジェロのダビデ像が売りですが、正直、これしか見るものが無いとも言えます。その他に宗教的な石像彫刻、絵画がありましたが、ガイドの説明が居ないので内容は「?」。でも、本物のダビデ像は昨日、屋外で見たものとは違い、きれいにクリーニングされており、色白の美男子です。ここを訪れたという証拠の記念写真を撮影して美術館を後にしました。帰り道は至って単純。道路の向こうにドゥオーモが見えます。


ドゥオーモは登山
 次の予定行動、ドゥオーモに登ります。前日に教えてもらった入り口で入場券を購入。ミラノの失敗のようなエレベーターは無いようです。暗い狭い石造りの螺旋階段をひたすら登ります。ところどころに明かり採りの小窓がありますがそれでも暗い。妖怪の出てくる古いヨーロッパ映画みたいで不気味です。周囲の壁には世界中の言語で落書きがいっぱい。むしろ落書きがあることで、我々がここに迷い込んだのでは無いことを教えてくれて安心。ドーム状のクーポラの真下まで来ました。クーポラの内面には宗教絵画が描かれています。何が描かれているのか解らない。予習しておけばよかった。クーポラ部分の上り階段はドームの形に沿うように斜めになっています。斜面に手をつきながらひたすら登ります。まるで岩山登りの登山のようです。通路も狭くなってきました。そして、先に外の明かりが。頂上に到達です。まさに頂上。ここまでの高さが90mもあります。ちょっとした登山ですね。

 そして眺めはまさに絶景。テラス部分はあまり広くありませんがフィレンツェの街を360度見渡すことができます。ジオットの鐘楼が眼下に見えます。昨日訪れたヴェッキオ宮殿、ウフィッツィ美術館、ピッティ宮殿も確認できます。フィレンツェの街は上から見ると大小様々の建物が密集しているのですが、その全てが、壁の色、高さ、瓦屋根の色調が統一され、美しいの一言です。フィレンツェの語源がフローレンス、フローラ、すなわち「花の街」というのもうなずけます。色的にはドライフラワーですけど。




また道に迷った
 クーポラ登山で腹が空いた。昼食はドォーモ近くのセルフ形式のレストランに入りました。ガラスケースの中の食材を店員さんに器に盛ってもらい後に精算です。ひと通り見渡してもどのような味のものか解らない。名前もわからない。お昼時でお客さんがいっぱいです。急がないと。「ペンネ!」。見た目で名称が解るし、色はトマト味っぽいので取り分けてもらいました。それから、小鉢に小分けされていたサラダを取りました。店員のオバチャンがなにかお薦めを言っているようですが、ここは「ノ」。飲み物を指さして「ヴィーノ、ロッソ」。サラダには得体のしれない、豆腐のような白いものが入っています。食べても味が無い。モッツァレラチーズであることは後日判明しました。

ホテルに帰る時間になりました。小雨も降ってきました。昨日の天気予報が的中です。ホテルの方向はこっちのはず。歩けど歩けど見たことのない街並みになってきます。観光客も減ってきた。雨は激しくなる。心細い。「日本人フィレンツェで行方不明」などということはないけれど、不安でいっぱい。角を曲がると突然に視界が開け、駅が見えました。頭の中で回転していた方向感覚が一瞬に定まりました。ホテルはこっちだ。的中。そうです。ドォーモを後にする時に道を一本間違えていたのです。そういえば、(19年前の)今日は13日の金曜です。

 ホテルロビーに全員集合すると皆ずぶ濡れです。バスに乗り込み、ローマまでは約5時間、雨の中の移動になりました。着く頃には周囲は真っ暗。完全に夜です。宿は「スターホテル・メトロポール」。ローマ駅近くの近代的なアメリカンタイプのホテルです。明日はいよいよ「ローマの休日」。