神名火だより

出雲地方・宍道湖周辺で撮影した四季折々の写真です。
時々、自作パソコンの話題もあります。

岩根寺の銀杏

2011年11月29日 22時06分42秒 | 日記

 出雲市朝山地区に岩根寺というお寺があります。といっても、小さなお堂が崖の下に建てられているのですが、その脇に大きな銀杏の木があります。いつだったか、出雲のパワースポットとしてテレビで紹介されていました。


 秋には銀杏の木が黄葉すると見事であるとの情報を得て、本日、11月末とは思えない暖かく好天で昼休みに行ってみました。

 国道184号線を神戸川沿いに進み、山陰道の高架橋の下を通り、県道51号線を稗原方向に進むとすぐに右側に「岩根寺駐車場」の看板が見えます。小さいので要注意。小道を入ると岩根寺が見えてきます。周囲の山々の木々は赤く、茶色に紅葉していますが、銀杏の黄葉がひときわ目を引きます。



 車を降りて参道を進むと、お堂の方向から何やら音が聞こえてきます。ダンプカーの音、ブルトーザーの音、どうして?。お堂の後ろにトンネルでもあるのかしら。そうも見えないし。近くに工事現場もないし。そういえば、ここまで来る道すがら斐伊川放水路の工事をしていた。その音だ。

 このお寺のお堂は岩山の大きな窪みの中にあります。自然にできたものなのか、人工的に掘削されたものなのか。直線距離で1kmほど遠くの山の向こうの音を反射して、参道方向に集めています。まさに天然の集音マイクのように。




 銀杏の木の隣には崖の上の方から太い葛の蔓が地面まで達しています。不思議な光景です。いつの頃からこの葛はあるのでしょうか?。



Nikon Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF)

 今日は午後1時ごろの撮影でしたが、太陽は山影に入りつつあり、岩根寺の周囲は完全に日陰になっていました。銀杏の黄葉は今ひとつ鮮やかさがありません。お堂は東向きに立っています。また撮影のチャンスがあれば午前中に行ってみましょう。


晩秋の宍道湖と雲いづる出雲

2011年11月25日 22時27分31秒 | 日記

 ここ数日で暖かい秋から一気に冬に突入しました。雲の形、色、低さ、雲間から差し込む陽の光。冬の訪れを感じさせます。

 松江の宍道湖東岸、袖師町の夕日スポットの風景です。日没の2時間前なので誰もいません。


 西風が冷たく激しく吹きつけ、湖面は波立ち茶色に濁っています。この色は波が湖底の泥を巻き上げているために生じる色で、宍道湖の塩水と淡水を攪拌し、宍道湖独特の生態系を維持するのに役だっているそうです。



 太陽を追いかけるように、国道9号線を松江から斐川方向に走りましたので、来待あたりで日差しに近づきました。


 太陽を追いかけると、斐伊川の西代橋で日没近くになりました。出雲ドーム、大社町あたりに日が差しています。光の色はすっかり夕日色。


 結局、日没の寸前、雲間から太陽が一瞬の輝きを見せてくれました。川面に一筋の光の道が現れます。

Nikon Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF) 

 山陰の冬はこれからです。


ハデバとシシス

2011年11月23日 11時32分07秒 | 日記

 簸川平野の失われた秋の風景です。

 昨年の11月、観光目的にハデバとシシスが作られました。

 ハデバとは刈り取られた稲を天日で干すためのもので、田んぼの中に杉の柱と支柱を立て、竹を水平に組みます。そこに稲を積み上げていきます。昔は秋になると田んぼの中にハデバがたくさん見られましたが、今では農家が自家用の米を干すのに背の低いハデバを使うのみです。

 子供の頃ハデバの上に登り、飛び降りるのが楽しかったです。子供の目線ではとても高いように感じられました。今回作られたハデバはちょっと背が低いような。私の背が高くなったことによるかもしれません。



 ハデバで干した稲は脱穀し、残った藁を円形に積み上げてシシスになります。シシスとは「獅子の巣」。したがって、厳密にはハデバとシシスが同時に存在することはありません。

 ハデバの近くにいると藁の良い香りが漂ってきます。Sigma 28-70mm F2.8 EX ASPHERICAL DFで撮影。逆光でつらい。

 今ではコンバインが稲刈り、脱穀を同時にこなし、藁は細かく切断して田んぼに撒いてしまいます。籾米はカントリーエレベーターに集荷され乾燥されますので、ハデバ、シシス共にみられなくなりました。

 ところで、出雲弁では「シシス」は「ススス」、「シシシ」とも言います。発音は同じですが文字では書けません。微妙に違うような同じような。獅子は「スス↓」、寿司は「スス↑」、煙突の煤は「スス→」語尾の抑揚が違います。


宍道湖と月の出

2011年11月18日 21時13分03秒 | 日記

 11月になり、秋が深まって来ました。出雲地方の平坦部で紅葉が見頃になりましたが、お天気がさえません。

 外出の時は車にカメラを積んでいるのですが、なかなか良い被写体にめぐり逢えません。見る目がないとも言えますが。

 16日(水)は午後から快晴になりましたので、夜になって月の出を撮影しました。月を被写体にすることは初めてです。国立天文台・天文情報センター・暦計算室で月の出の時刻と方角をチェック。地図で撮影ポジションを決めてから出かけました。

 撮影場所は以前に「ダイヤモンド大山」を撮影した宍道湖西岸の湖畔です。

 ここならは松江市街の向こう側に月が出てくるはずです。

 月の出時刻は21時37分。この時刻をめがけて自宅を出発。夕方までは快晴。今は星が見えているので放射冷却で気温は下がり、湖畔の風は冷たいので防寒対策は真冬並みです。

 撮影ポイントの周囲には民家がなく暗闇です。宍道湖湖畔の街の灯が見えるのみ。三脚を据えて望遠レンズを月が出てくる位置に向け、撮影条件を探します。幾つかの試し撮りの結果ISO3200 マニュアル露光でシャッター速度は1秒 絞りF4としました。長時間露光のノイズ除去をONにしています。

 月の出時刻になりましたが、月が出てこない。「あれ?」。時刻を読み間違えたのかな?。時間が過ぎていきます。結局、10分遅れで赤く染まった月が雲間から見えてきました。





 松江市街地は薄い霧に包まれているようです。街の灯を乱反射してベールを纏っているようです。北側(左)から順番に松江日赤、山陰合同銀行本店、NHK松江放送局のタワーの灯りが確認できます。

 背景の山は北側から順に嵩山、弥勒山、和久羅山。女性の寝姿に似ているからメッチェン山。あるいは仏様の寝姿から寝仏山。と呼ばれますが、私は子供の頃からキューピーの寝姿に似ているのでキューピー山と呼んでいました。

 ピントはマニュアルで合わせました。撮影時にひとコマごと液晶で写り具合を確認しましたが、自宅に帰ってからパソコンで確認するとピンボケが多いです。それにブレている。シャッターボタンを指で押していたのがいけなかったのか。レリーズを使えばよいが、D700用のレリーズは持っていない。後にインターネットで調べてみると、セルフタイマーを最短時間の2秒に設定する方法もあるという。もう一度、チャンスを見つけてトライですね。



19年前のイタリア旅行記(7,8日目)

2011年11月15日 06時39分44秒 | 旅行
7日目(ローマ→成田)


再び機上の人に
 ホテルでの朝食後、いよいよ帰国です。たくさんのおみやげをスーツケースに何とか詰め込みます。正装用の革靴の中にも洗濯物を押し込みます。スーツケースの上に乗っかり体重をかけて、なんとか鍵をかけパッキング終了。廊下のドアの前にスーツケースを置いてロビーへ集合です。我々を乗せたバスは高速道路を約1時間でフィウミチーノ空港、別名、レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港に到着です。スーツケースはポーターがアリタリア航空のカウンターに持って行ってしまいましたので、触ることもありません。

 出国手続き後、残ったイタリアリラで最後のお買い物。ワインを何本か、予備のおみやげ用あるいは自家用にチョコのお菓子を買い求め、紙幣はだいたい使い果たしました。それでも、紙幣とコインがわずかに残りましたが、これは旅の記念にアルバムに挟んでおきましょう。再びアリタリア航空747の機上の人になりました。来た時と逆、ミラノ経由です。ミラノを離陸すると機内食のサービスが始まりました。また、ワインをもらいますが、行きの時とは違って瓶のスクリューキャップは閉めたまま渡されます。酒税・関税の関係かな?。1本は封を開けないままバッグに忍ばせ自宅まで持ち帰りました。あいも変わらず機内食は完食ですが、行きと違うのは義務的に食べていること。狭い座席に閉じ込められて、ほとんどブロイラー状態。機体後部の内側席の肘掛けを上げて、ベッドにしている強者の外国人もいました。さすがにその勇気は無し。



8日目(成田帰国)

思い出は重いで~
 疲れて何度もうとうとしているうちに成田に着陸です。偏西風に乗り、約11時間で到着。すぐに夜になって、明るくなり、また暗くなり、すぐに朝。不思議な感覚です。成田空港での税関では「おみやげでは全部でお金を幾ら使われました?」と聞かれ、「〇〇万円位です」でフリーパス。見るからに新婚さんはやばいものは持ち込まないのだそうです。むしろ、重そうなワインを見て、係官に大変ですねと笑われました。でも、この後がほんとうに大変で、重くなったスーツケースは自宅まで自分たちで運ばなくてはいけません。重いのなんの。ポーターさん助けて。
 最後に、トレビの泉に硬貨を投げ込んだご利益ですが、「ローマ再訪」という効き目は19年たった今でも現れていません。

おわり




追記:
 今回の旅行記では昔のネガフィルム画像を紹介しました。19年前の撮影ですがブログにアップするに伴い、フィルムアルバムに保存してあったものを再度スキャンしてみましたが、フィルムの経年変化による変色が著しく見るに耐えないものでした。幸い、カビは生えていなかった。したがって、今から10年前にフィルムをスキャンしてハードディスク内に保存してあったデータを使いました。所有しているスキャナーはエプソンのGT-9700Fで、購入当時に所有しているネガ全てをスキャンしていたものです。当時は人様に見せる事は考えておらず、単にパソコンでの閲覧を目的に読み込み条件は自動設定でスキャンしたものです。

 画像はそのハードディスク内のデータをフォトショップに読み込み、ホワイトバランスの修正、明るさ・コントラスト調整、角度修正・トリミング、640×427ドットへ縮小したものです。色調については基本的に修正していません。ホワイトバランス修正だけで、結構いい色が再現できました。

 デジカメ画像に比較するとコントラストは低いように思えますが、シャドー・ハイライト部分を調整すると黒潰れ・白潰れしていた部分から絵が出てきました。デジカメ画像では潰れていたでしょう。意外な発見であり、ネガフィルムのラチチュードの広さを実感しました。特にベニスのゴンドラのカット。ローマの日中撮影では直射日光と大理石とのコントラストで、目一杯絞り込みましたが、それでもシャッタースピードが追いつかず、露出オーバーのネガです。特にトレビの泉のカットは絞り込みすぎて解像度が低下しています。ISO100のフィルムを持って行けば良かったと反省。

 使用していたカメラは、最初に紹介したNikonFE 28mmF2.8Sの他に、Olympus XA、Minoltaの廉価な全自動コンパクトカメラ(妻用)です。フィルムは全てフジのISO400ネガフィルムを使いました。Olympusのカメラはレンズが古くシャープネスに欠けますが、二重像合致式のファインダーで絞り優先自動露出です。こっそり撮影に重宝しましたがシャッター音と巻き上げのギア音でバレバレ。ネガを見るとNikonの画像とOlympusの画像ははっきりと違います。もちろんNikonの方が抜けがいいと言うかスッキリと写っています。

 今度、海外旅行をするときはもちろんデジカメですが、フィルムよりも撮影枚数は多くなるでしょう。一眼レフでD700を使えばメモリーカードを何枚持っていけばいいのやら、データの確実な保存はどうすればいいのやら、重い大きいズームレンズをどう持ち歩くか、旅行の予定は全くないのですが悩みます。

 ここ、2週間ばかり、この旅行記を書いている間にすっかりと秋の気配になりました。黄葉も平野部に進行しています。私は寒いのが苦手ですので、桜のころまで冬眠状態に近くなりますが、できる限り頑張って外出して出雲・斐川の四季の風景をアップしていきたいと思います。もしかすると、1年前の画像でお茶を濁すかも・・・・。