神名火だより

出雲地方・宍道湖周辺で撮影した四季折々の写真です。
時々、自作パソコンの話題もあります。

高梁市・吹屋の広兼邸

2017年07月30日 11時36分50秒 | 旅行

 今回の吹屋の旧家めぐり最後です。広兼邸です。吹屋の集落からは車で5分位。狭い山道をくねくねと進むと威圧的な石垣が突然に出現します。


 このお屋敷、見たことあるでしょうか?。横溝正史原作のミステリー、市川 崑監督の映画「八つ墓村」で出てきます。石坂浩二扮する金田一耕助が歩いていそうです。でも、石坂浩二は「八つ墓村」には出演していないそうです。

 映画のワンシーンから、このお屋敷の前には田んぼがあって、その裏手には少しばかりの山があって、大きな敷地のお屋敷を想像していました。斐川の庄屋さんのお屋敷はそんな感じです。ところが、広兼邸はかなり高いの山の急峻な斜面にへばりつくように存在していました。お城のような石垣と城門のような門構え、まさに山城です。


 門の2階は不寝番が寝泊まりする部屋です。


 母屋の裏手は急斜面の山、難攻不落のお城と言ったイメージです。

Nikon Df + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 眺めは素晴らしいです。向かいの山には広兼家のための神社もあります。


 母屋の客間からは正面に石灯籠。


 右側は番頭、下男、下女たちの部屋。石垣の真上です。この広兼邸は山と石垣の間の細長い敷地に建っていることがわかります。

Nikon Df + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 客間は意外と小さいです。


 台所の頭上には立派な木組が見えます。






 離れのお座敷は大正時代の建築で、当主の結婚式で一度使用されただけで以後、使われていないそうです。これまた贅沢の極みです。映画の舞台はここではないのですが。横溝正史の「本陣殺人事件」を思い起こさせます。

Nikon Df + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 吹屋の旧家巡りはこれでお終いです。

 帰路は草臥れたので、新見から中国道に乗り、松江道経由でノンストップで自宅しました。

高梁市・吹屋の旧片山家住宅

2017年07月29日 13時15分13秒 | 旅行

 吹屋の旧家探訪2軒目です。前日のブログの郷土館の本家にあたる旧片山家住宅。こちらは重要文化財です。

 自己満足ブログで観光ガイドブック的内容ですがご覧ください。




 客間の床の間です。過剰な装飾を廃し、良材を用いて丁寧に作られています。


 電灯にも装飾が施されています。電灯自体が当時は最先端の住宅設備で、さり気なく贅を凝らした跡が見えます。

Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 台所も広く、大勢の客人をもてなす準備ができたのでしょう。


 懐かしい電気配線です。


 お屋敷のあちこちに神様も住んでいます。




 母屋の奥は蔵がいくつもあります。


 ベンガラを製造する道具が展示されていました。蔵の中全体がベンガラで赤く染まっています。

Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 家族の他に職人、下男、女中さん。沢山の人々がここで働いていました。食料を貯える玄米蔵です。


 漆喰壁にも左官さんの技巧があります。





Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR



高梁市・吹屋の郷土館

2017年07月28日 20時58分23秒 | 旅行

 昨日のブログに引き続き高梁市の吹屋です。今回の一人気ままな日帰り旅行(ただのドライブですけど)では3箇所の古い住居を見学しました。

 まず最初は吹屋の郷土館です。この建物はベンガラの窯元の片山家の分家だそうです。本家は斜め向かいにあり、こちらも公開されています。入場券は2箇所共通です。

 間口5間のお屋敷です。


 石見国から宮大工を呼び寄せ、最高の材木を用いて建てさせたそうです。





Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 店の玄関から通り庭で母屋の奥の台所、味噌蔵、米蔵まで土間で通じています。



Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 2階の窓にも格子がはめられており、街並みの共通のデザインになっています。


 廊下は年代を感じさせる光沢があります。

Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 採光のための中庭があります。


 瓦は石州瓦です。斜めにカットされた部分を含めて手焼きの特注品だそうで、


 軒下の細かな装飾に大工の技が見られます。赤くベンガラが塗ってあります。

Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 台所のガラス窓。飛散防止の紙が貼ってあるところに時代を感じさせます。

Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR


高梁市吹屋の街並み

2017年07月27日 18時04分16秒 | 旅行

 梅雨が開けましたが、天候は夏らしくカラリと晴れてはくれません。空気が重いです。

 7月は仕事が忙しく、月末になってちょっと一息。久しぶりのひとりドライブです。往復300km、岡山県高梁市の吹屋に行ってみました。行きはおろちループ橋を通って、東城を経て、吹屋へ至ります。



 吹屋は石州瓦とベンガラ色の外観で統一された、見事な町並みが整然と続きます。江戸末期から明治にかけ、ベンガラの生産で得た利益で、吹屋の長者達が後世に残した文化遺産です。

 豪商が財力を活かして建てた豪邸はいくつもありますが、吹屋は個々の屋敷が豪華さを纏うのではなく、旦那衆が相談の上で町全体が統一されたコンセプトの下に建てられたという点に特徴があるそうです。

 昭和52年には文化庁から国の重要伝統的建造物群保存地区の認定を受けました。


Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR








Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR


Nikon Df + Nikon Ai Nikkor 35mm F2

 郵便局は現役で使われています。

Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

 路面はアスファルトではなく、吸水性の砂利が固めてあります。



Nikon Df + Nikon Ai Nikkor 35mm F2

 蔵にも意匠が凝らされています。漆喰のなまこ壁の造形が見事。





Nikon Df + Nikon Ai Nikkor 35mm F2



 軒下にもさり気なく大工のセンスが見えます。




 馬をつなぐ金具だそうです。



Nikon Df + Nikon Ai Nikkor 35mm F2






Nikon Df + Nikon Ai Nikkor 35mm F2


Nikon D700 + Nikon AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR



海の日で美保関灯台一般公開

2017年07月17日 17時28分47秒 | 日記

 タイトルの通りです。海上保安庁が海の日を記念して、普段は立ち入り禁止の美保関灯台の内部を公開するという。これは行くしかないでしょ。

 
 日御碕灯台とともに近代化産業遺産に指定されています。いずれも、灯台の人気ランキングでも上位に入るのだそうです。


 明治31年11月に初点灯されています。


 1階部分には今は使用されなくなった灯器やフレネルレンズが展示されています。ここで前の入場者が全員出てくるまで一時待機。内部は狭いので一度に入場できるは20人程度です。


 灯台部分に入る部分に「〒」マークがあります。海上保安庁の職員さんに質問したら、建設当時は逓信省の管轄だった名残だそうです。

Nikon Df + Nikon Ai AF Zoom-Nikkor ED 18-35mm F3.5-4.5D (IF)

 灯台は3階建です。狭い急な階段を頭上を気にしながら登ります。


 2階部分は鋼鉄製の3階部分の土台になっています。


 ガラス張りの3階部分へ。ここに灯器があります。明るさは490,000カンデラ?よくわかりません。約44km先まで海上を照らすことができるのだそうです。




 光源はメタルハライド電球だそうです。


 ガラス越しに美保関湾の向こうに大山が見えます。頂上付近は雲の中。


 島根半島の急峻な海岸線。海面からここまで約83mあります。カラス張りの内部はとっても暑いです。写真だけ写して退散。

Nikon Df + Nikon Ai AF Zoom-Nikkor ED 18-35mm F3.5-4.5D (IF)

 2階部分のベランダに出ました。気温は30℃ですが海風が心地良いです。


 岬(地蔵崎)の突端を隠岐行のフェリーが進んでいます。


 灯台横の旧吏員退息所の建物の入り口。ここにも「〒」マークがあります。


 美保関灯台ビュッフェとしておしゃれなカフェになっています

Nikon Df + Nikon Ai AF Zoom-Nikkor ED 18-35mm F3.5-4.5D (IF)

 有意義な社会科見学でした。