神名火だより

出雲地方・宍道湖周辺で撮影した四季折々の写真です。
時々、自作パソコンの話題もあります。

年の瀬の出雲大社

2011年12月30日 20時22分17秒 | 日記

 クリスマス寒波も落ち着いて、すこしばかりの晴れ間が見えてきました。それでも山陰の冬に好天はありません。陽が差したと思ったらにわかに曇り、みぞれが降ります。

 先日購入した、広角ズームを使ってみたくて、年の瀬迫る出雲大社へ行ってみました。


 新年になると境内は初詣の人たちで隙間もないくらいに埋め尽くされますが、今日はガランとしています。仮本殿前の境内には初詣の準備がなされています。国宝の本殿は遷宮の修理中で、鉄骨製の素屋根に覆われています。本殿にいらっしゃった神様は、かつての拝殿に引っ越して仮本殿にいらっしゃいます。



 超広角でしめ縄をデフォルメしてみました。

 西十九社です。神在月には全国の神様がここに集まります。その期間だけこの社の扉が開かれます。杉の木に結ばれたおみくじが花のようです。冬の寒い境内にここばかりは白い花が咲き誇ります。絵馬はアップにすると願掛けした個人名が見えますので、撮影していませんが、白いおみくじの方が絵になります。


 
 桜の芽はまだ固いです。


 参道は遠くまで見渡せます。ここも大晦日、紅白歌合戦が始まる頃には人の波で埋め尽くされます。


上の3カットはNikon Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF)

 神楽殿の方が参拝客が多いです。ここの巨大なしめ縄、以前はワラの間に硬貨を投げて挿し込むことが行われていました。誰がいつからこんなことを始めたのでしょうか。「うまく刺さると願いが叶う?」。そんな話聞いたことがないけど。今では金網が張ってあります。そういえば、その昔、拝殿の柱の割れ目に硬貨を差し込むこともされていました。しかし、柱の亀裂が大きくなるとのことで保護用の厚いビニールが巻かれてしまいました。



 出雲大社の西側、11月「神在月」の神迎え神事が行なわれる稲佐の浜にも行ってみました。日本海の向こうに三瓶山が見えます。この山を杭として島根半島を新羅の国から引き寄せて稲佐の浜がつなぎとめた縄になります。国引き神話の舞台です。


Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED
 超広角18mmは日本海、冬の雲、その間に垣間見える青空、全てを一つのフレームに写し込んでくれます。なかなか楽しいレンズです。太陽がフレームに入ってもコントラストの低下は見られないようです。
 これを撮影して10分後、雨が降り始めました。ここに来たのは実はロケハン。ここから日本海に沈む夕日を撮影したくて、駐車場の位置、弁天島の方角を確認しました。春になったら挑戦です。

 今日、初めてAi AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-EDを使ってみました。第一印象はこのレンズは28-70mmズームに比較してとても(重量が)軽いレンズです。D700に装着すると重心がカメラに移動します。レンズを装着している感覚が無いくらい。シャッターボタンを押す右手で全てを支える感じです。左手はレンズに軽く触れているのみ。ボディーで撮影しているという感覚になります。
 一方、28-70mmはD700に装着すると重心が完全にレンズ側に移動します。レンズを支える左腕でレンズとボディーの重量をしっかりサポート。右手はシャッターを押すためにのみ手のひらでカメラを包み込む感じでしょうか。レンズで撮影している感覚です。撮影時の気合の入りようは28-70mmです。18-35mmは気合を入れずに全てを写し込めるスナップレンズかな。でも、欲しい光をしっかりと取り込んでくれます。いいレンズです。


荒神谷のツバキ

2011年12月28日 13時08分44秒 | 日記

 斐川町には銅剣358本、銅鐸6個、銅矛16本が1箇所から発掘され、国指定の史跡になった荒神谷遺跡のとなりに荒神谷史跡公園があります。


 公園の奥まった一角にツバキの森がありまして冬になると様々な種類のツバキが見られます。町民の寄贈により移植されたもので、公園内全体では約700本あるそうです。

 これは昨年の12月に撮影したものです。今年は寒くて撮影に出かける勇気がありません。




Tokina AT-X M100 PRO D 100mm F2.8
 ツバキは花びらが傷みやすく、きれいに咲いているものがなかなか見つかりません。いい被写体を見つけても風で動くし、撮影ポイントが三方を山に囲まれて昼でも薄暗く、ISO感度を上げて絞りは5.6程度。マクロレンズなのでピント合わせに苦労します。

 春、3月になると出雲村田製作所のツバキも公開されます。ここは海外の珍しい品種も見られ、約600本が咲き誇ります。村田の工場内は普段は部外者立入禁止ですが、ツバキとサクラの時期には一般に開放されます。大人には抹茶と和菓子、子供にはジュース・お菓子のプレゼントもあります。


レンズの泥沼

2011年12月23日 15時59分36秒 | 日記

 カメラもゴルフ(私はしないけれども)も道具に凝る人はいるもので、そのようにならないつもりでいましたが、泥沼にはまりつつあります。

 岩根寺の銀杏、韓竃神社を撮影したりすると、28-70mmのレンズでは目一杯広角に持ってきても被写体がフレームに収まりきりません。あと、もうちょっと焦点距離の短いレンズが欲しくなります。

 で、インターネットをつらつら見ていると、ちょうど良さそうなレンズが、これなら買えそうかなと購買意欲を刺激します。「私を買ってよ」と。変な意味ではなく。

 作例を「PHOTOHITO」や「GANREF」でみると、なかなか良い評価です。宍道湖の湖面に覆いかぶさる鉛色の雲を撮せそうです。中古価格もお手頃。絞りリングも付いている。フィルム一眼レフにも使える。中古レンズのサイトの「購入する」ボタンを押しちゃいました。

 買ったのはAi AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-EDです。

 触った第一印象。軽い!。でかい重いAF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8Dと比較すると、D700がスナップカメラになります。お散歩レンズにはいいかも。ズームリングは頼り無いくらいに軽やかに回ります。フォーカスのオート/マニュアル切り替えはボディー側のツマミで行います。オートフォーカス時はボディー内モーターで駆動されフォーカスリングも回転します。前玉の突出が少なく、フィルターが装着できるのも良い点です。



 フィルター表面の埃を取っておくのを忘れました。

Tokina AT-X M100 PRO D 100mm F2.8

 これで18-35mm、28-70mm、80-200mmの3本のズームと100mmマクロで、私的にはラインナップが完成しました。購入したのは12月初旬でしたが、まだこのレンズでは一コマも撮影していません。撮影に出掛けたいのですが、寒くて体が動きません。冬眠かな。


韓竃神社はパワースポット?

2011年12月16日 13時25分45秒 | 日記

 数年前に日テレの「秘密のケンミンSHOW」で紹介されてびっくり。ここもパワースポットなのね。ということで、韓竃神社へ行ってみました。

 場所はと言うと、旧平田市の唐川地区、平田市街からは河下港を目指して日本海側に向かい、鰐淵寺手前の鰐淵小学校前の交差点を右方向に進めば唐川です。この交差点を左に折れて谷を進めば鰐淵寺です。


 唐川は昔は銅山があって、鰐淵鉱山と呼ばれていました。私が子供の頃は石灰石が産出されて賑わっていたようですが、現在は鉱山は閉山されて廃墟になっています。唐川はお茶の産地で、唐川茶で有名です。

 で、韓竃神社ですが、とんでもない山奥ですが、テレビで紹介されたこともあって、訪れる人が多く、簡単な道案内の標識がありますので、鰐淵小学校までたどり着けばあとは道に迷うことはありません。神社手前に急ごしらえの駐車場があります。県外車の多いこと。住民手作りの解説案内マップもあります。

 車を駐めて杉木立の林道を15分くらい歩きます。

 静寂があるのみです。

 小川に沿って進むと右側に真新しい鳥居が見えてきます。韓竃神社の入り口です。そこから急な曲がりくねった石段が見えます。



 この石段結構な難所。足元は滑りやすく、上に行くほど狭くなります。手すりはありませんが、これも地元の人達の手作りでしょう。ロープがはってあります。ちょっとばかりの安心です。降りてくる人と鉢合わせすると、どちらかが道を譲ってあげましょう。ここでは、皆がすれ違う時に「こんにちわ」と挨拶をします。穏やかな空気が流れますが、息は「ゼーゼー」。

 そして最後の難所が幅約45cmの岩の隙間。ここを通り抜けると韓竃神社の社に到着です。肩にかけたカメラを岩にぶつけないかと緊張します。痩せ型の私は難なく通り抜けられました。


SIGMA 28-70mm F2.8 EX ASPHERICAL DF

 急峻な山の斜面にへばりつくように建物があります。撮影したくても持参のズームレンズ(28-70mm)を目一杯ワイドにしても入り切らない。それほど狭い所に立っています。神社の前は畳6畳くらいのスペースしかありません。

 今でこそ道がありますが、その昔は道もなく、川沿いに徒歩で分け入って来るしかなかったでしょう。近くには鰐淵鉱山がありましたので、ここももしかして銅鉱石が露天掘りで掘り出されていたかもしれません。その跡地がこの神社なのではないのでしょうか。

 石段入り口の鳥居の前には「岩船」があります。掘り出した鉱石はここで粉砕、川の水で選鉱して運び出したとも考えられます。

 最後にパワースポットで元気のパワーが貰えたかというと、翌日に筋肉痛をもらいました。




ウインドファーム

2011年12月07日 22時35分36秒 | 日記

 今年の秋は秋らしい夕日が見られませんでした。透き通った空気に満ちた空にポツポツと雲が浮かんで、その間を夕日が静かに地平線、水平線に沈んでいきます。

 3年くらい前に旧平田市釜浦の新出雲風力発電所から日本海に沈む夕日を撮影しました。

 十六島(うっぷるい)町から釜浦に抜ける道、日本海が見える直前の峠のあたりに風力発電所へ通じる作業用の道路があります。車の侵入は禁止のようですが、人間は入ってもよさそうなので勝手に侵入しました。ちょっと罪悪感があるけども。

 途中、発電所の従業員数人と出会いましたが、「こんにちは」と挨拶すれば「こんにちは」。何も警告されませんでしたので、「入っても良いのでしょう」と勝手に解釈して眺めがよさそうな山の頂上まで上がりました。

 風力発電の鉄塔は下から見るとそれは巨大です。風を受けるプロペラは頭上を「ブン」と回っています。自分の頭がこれで切断されるのではないかと思えるほど迫力があります。

 十六島鼻の突端あたりの方向に太陽が沈みます。願ってもないベストタイミングで撮影できた2枚です。この頃はデジタル一眼D700ではなく、フィルム一眼のF4を使っていた時代です。リバーサルフィルムで撮影してスキャナーでパソコンに読み込みましたが、色の再現性がイマイチです。

SIGMA 28-70mm F2.8 EX ASPHERICAL DF

Nikon Ai AF Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8D

 実はこの時、撮影ポイントの到着してから三脚を車の中に忘れていたことを思い出し、頑張って手持ちでぶれないように苦労しました。日本海から断崖を吹き上げる風は冷たかった。望遠レンズの金属鏡筒が冷たいです。でも現像が上がってきて、ルーペで覗いてチェックすると、ぶれていない。気合で撮影していた時代です。

 もうすぐ冬。眼下の岩場では十六島海苔の摘み取りが始まるのですが、今年の出来はどうでしょうか。超高級品で高価ですが、お正月のお雑煮には欠かせない冬の香りです。