美の壺:壁紙
壁紙がテーマですね。
私達日本人は、壁紙の生活にはやはり不得意ではないでしょうか。
どこのマンションや建売住宅をみても、一律白の壁紙が多いですね。
そこへ行くと壁紙先進国の欧米には特色のある壁紙が多数取り揃え
ていますね。
大胆な柄や、多彩な色使い。
壁紙は、部屋を飾り室内空間を演出し、それ自体がアートとしての
魅力にあふれているものもあります。
明治の洋館にも、当然、素敵な壁紙が取り入れられています。
番組ではどのようなものを教えてくれるのか、楽しみですね。
<美の壺1:繰り返されるパターンを味わう>
まずは、デザインに注目だそうです。
広い壁を覆う壁紙は、通常、印刷によって作られています。
壁紙には、印刷ならではのデザインがほどこされているそうです。
工業化されたデザインをそう見せない工夫があるという。
一つの模様が繰り返されているにもかかわらず、・・・。
およそ150年前、イギリスで作られた壁紙。
パターンの反復を見事に活かした傑作として知られています。
垣根にからまる薔薇(バラ)。
そこに集う、鳥や虫たち。
庭の光景をモチーフにしたデザインです。
格子状の垣根をバラのつるが絡まりながら伸び、上下左右につながり
を思わせる工夫。
鳥や虫も、効果的に配置されています。
ひとつのパターンにいる3羽の鳥が全て隣のパターンの虫を狙うことで、
模様を有機的につなげています。
シンプルなパターンを使って表された花や生き物、その営みの世界を
部屋いっぱいに再現した作品が「この壁紙」です。
壁紙を作ったのは、モダンデザインの父・ウィリアム・モリス。
人々が豊かに暮らすには、自然が必要だ。
生活空間に自然をモチーフにしたデザインを採り入れた。
美大の専門家の方が次のように番組内で言われていた。
「日本ですと柱構造で障子から何から開け放ってしまえば自然が
自然に飛び込んでくるような家です。
ですけども海外では壁構造ですから、壁と人間の関係というのは
重要な問題であったのではないかと私は思います。
壁紙が部屋の中で壁として主張するのではなくて、
自然の中に存在するような空間を作っていったのではないか。」
言われるとおりであろうと思いますね。
人間と自然。
日本と西欧の違い。
同じ自然を取り入れたいという人間の希望。
気候の違いが、障子文化と壁紙文化の違いを生んだのかもしれない。
いきいきと躍動する自然を、繰り返すパターンを使って表現した壁紙。
パターンの繰り返しが生み出す、多彩で豊かな美の世界。
壁紙ならではの味わいを傑作といわれる作品にはありますね。
<美の壺2:金の輝きが伝えた日本の技>
芋太郎は広島時代に呉の旧海軍基地の庁舎等で素晴らしい、壁紙と
出会いました。
我が家の近く(歩ける距離ではないが)の旧岩崎久彌邸。
こちらも、同様に明治の気概を感じられます。
明治29年に作られた、日本を代表する洋館。
どちらの洋館にも、人を迎える部屋に、かつて日本が世界に誇った壁紙
が貼られています。
その名は「金唐革紙(きんからかわし)」
和紙に金属箔を貼り、模様を打ち出した、豪華な壁紙です。
金の重厚な輝き。
花弁や葉の細部まで見事に打ち出された模様。
明治日本の工芸技術の粋を集めて作られた最高級の壁紙です。
呉では、栞として売られています。
結構高いのでよ。
メイド・イン・ジャパンの絢爛(けんらん)たる壁紙は日本の高い技術力を
世界にアピールしたのです。
欧米の格式アル建物に利用されたといいます。
番組では、金唐革紙の復元に取り組む人を紹介しておりました。
頑張ってくださいね。
上田さんは、2種類の紙を貼り合わせて、金唐革紙を作ります。
製作の様子を放映しておりましたが、なる程、高価であるのが頷けます。
大変な作業です。
興味のある方は、美の壺のホームページを訪れてみましょう。
昔も、現代も、職人さんの気概を感じますね。
欧米で愛され、日本の洋館も彩った金唐革紙。
匠(たくみ)の技は、時を超え、国境を越え、
人々を魅了する輝きを放っています。
日本側からは、絶好の外貨獲得手段でしたが。
<美の壺3:心を満足させる演出>
壁紙使いの極意を紹介してくれます。
今も世界中で愛される壁紙をデザインしたウィリアム・モリスから。
「室内装飾は目と同時に心を満足させねばならない」
部屋の印象を大きく左右する壁紙。そこにいる人が心地よくなるような
上手な使い方がある。」
番組では、あのガーデナー吉谷さんのお宅を紹介されていました。
雑誌やテレビで見られた方も多いでしょう。
吉谷さん、 「外にオリーブの木の緑の色と、この壁紙の緑をあわせました。
外と緑がつながって広がり感を考えて。」
さらに、 「書斎の壁紙の模様はミツバチ。ヨーロッパではミツバチは
勤勉の象徴とも言われている。また、ミツバチの柄で、この空間を少し
庭のようにしたいと考えて」
だそうです。
芋太郎が驚いたのは、和室に壁紙を利用した斬新さです。
襖(ふすま)に、イギリス製の壁紙を貼りました。
イギリスと日本。
思い入れの深いふたつの国の心を感じるお気に入りの空間だそうです。
なるほどですね。
皆様もお宅壁紙を工夫してみたら、雰囲気が変わるかもしれませんね。
私も、書斎の壁紙をこう変更しようと、イメージを膨らましました。
無論、当分未完成ですが。
(笑)
放送からだいぶ時間が経過してからのブログ掲載となりました。
ご了解ください。
平成23年9月22日 川越芋太郎
壁紙がテーマですね。
私達日本人は、壁紙の生活にはやはり不得意ではないでしょうか。
どこのマンションや建売住宅をみても、一律白の壁紙が多いですね。
そこへ行くと壁紙先進国の欧米には特色のある壁紙が多数取り揃え
ていますね。
大胆な柄や、多彩な色使い。
壁紙は、部屋を飾り室内空間を演出し、それ自体がアートとしての
魅力にあふれているものもあります。
明治の洋館にも、当然、素敵な壁紙が取り入れられています。
番組ではどのようなものを教えてくれるのか、楽しみですね。
<美の壺1:繰り返されるパターンを味わう>
まずは、デザインに注目だそうです。
広い壁を覆う壁紙は、通常、印刷によって作られています。
壁紙には、印刷ならではのデザインがほどこされているそうです。
工業化されたデザインをそう見せない工夫があるという。
一つの模様が繰り返されているにもかかわらず、・・・。
およそ150年前、イギリスで作られた壁紙。
パターンの反復を見事に活かした傑作として知られています。
垣根にからまる薔薇(バラ)。
そこに集う、鳥や虫たち。
庭の光景をモチーフにしたデザインです。
格子状の垣根をバラのつるが絡まりながら伸び、上下左右につながり
を思わせる工夫。
鳥や虫も、効果的に配置されています。
ひとつのパターンにいる3羽の鳥が全て隣のパターンの虫を狙うことで、
模様を有機的につなげています。
シンプルなパターンを使って表された花や生き物、その営みの世界を
部屋いっぱいに再現した作品が「この壁紙」です。
壁紙を作ったのは、モダンデザインの父・ウィリアム・モリス。
人々が豊かに暮らすには、自然が必要だ。
生活空間に自然をモチーフにしたデザインを採り入れた。
決定版 ウィリアム・モリス | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
美大の専門家の方が次のように番組内で言われていた。
「日本ですと柱構造で障子から何から開け放ってしまえば自然が
自然に飛び込んでくるような家です。
ですけども海外では壁構造ですから、壁と人間の関係というのは
重要な問題であったのではないかと私は思います。
壁紙が部屋の中で壁として主張するのではなくて、
自然の中に存在するような空間を作っていったのではないか。」
言われるとおりであろうと思いますね。
人間と自然。
日本と西欧の違い。
同じ自然を取り入れたいという人間の希望。
気候の違いが、障子文化と壁紙文化の違いを生んだのかもしれない。
いきいきと躍動する自然を、繰り返すパターンを使って表現した壁紙。
パターンの繰り返しが生み出す、多彩で豊かな美の世界。
壁紙ならではの味わいを傑作といわれる作品にはありますね。
<美の壺2:金の輝きが伝えた日本の技>
芋太郎は広島時代に呉の旧海軍基地の庁舎等で素晴らしい、壁紙と
出会いました。
我が家の近く(歩ける距離ではないが)の旧岩崎久彌邸。
こちらも、同様に明治の気概を感じられます。
明治29年に作られた、日本を代表する洋館。
どちらの洋館にも、人を迎える部屋に、かつて日本が世界に誇った壁紙
が貼られています。
その名は「金唐革紙(きんからかわし)」
和紙に金属箔を貼り、模様を打ち出した、豪華な壁紙です。
金の重厚な輝き。
花弁や葉の細部まで見事に打ち出された模様。
明治日本の工芸技術の粋を集めて作られた最高級の壁紙です。
呉では、栞として売られています。
結構高いのでよ。
メイド・イン・ジャパンの絢爛(けんらん)たる壁紙は日本の高い技術力を
世界にアピールしたのです。
欧米の格式アル建物に利用されたといいます。
番組では、金唐革紙の復元に取り組む人を紹介しておりました。
頑張ってくださいね。
上田さんは、2種類の紙を貼り合わせて、金唐革紙を作ります。
製作の様子を放映しておりましたが、なる程、高価であるのが頷けます。
大変な作業です。
興味のある方は、美の壺のホームページを訪れてみましょう。
昔も、現代も、職人さんの気概を感じますね。
欧米で愛され、日本の洋館も彩った金唐革紙。
匠(たくみ)の技は、時を超え、国境を越え、
人々を魅了する輝きを放っています。
日本側からは、絶好の外貨獲得手段でしたが。
<美の壺3:心を満足させる演出>
壁紙使いの極意を紹介してくれます。
今も世界中で愛される壁紙をデザインしたウィリアム・モリスから。
「室内装飾は目と同時に心を満足させねばならない」
部屋の印象を大きく左右する壁紙。そこにいる人が心地よくなるような
上手な使い方がある。」
番組では、あのガーデナー吉谷さんのお宅を紹介されていました。
雑誌やテレビで見られた方も多いでしょう。
吉谷さん、 「外にオリーブの木の緑の色と、この壁紙の緑をあわせました。
外と緑がつながって広がり感を考えて。」
さらに、 「書斎の壁紙の模様はミツバチ。ヨーロッパではミツバチは
勤勉の象徴とも言われている。また、ミツバチの柄で、この空間を少し
庭のようにしたいと考えて」
だそうです。
芋太郎が驚いたのは、和室に壁紙を利用した斬新さです。
襖(ふすま)に、イギリス製の壁紙を貼りました。
イギリスと日本。
思い入れの深いふたつの国の心を感じるお気に入りの空間だそうです。
なるほどですね。
皆様もお宅壁紙を工夫してみたら、雰囲気が変わるかもしれませんね。
私も、書斎の壁紙をこう変更しようと、イメージを膨らましました。
無論、当分未完成ですが。
(笑)
放送からだいぶ時間が経過してからのブログ掲載となりました。
ご了解ください。
平成23年9月22日 川越芋太郎
ウィリアム・モリス―ステンドグラス・テキスタイル・壁紙・デザイン | |
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ウィリアムモリス出版委員会 |