美の壺:大谷石
大谷石といわれて、あなたは何を思いますか。
やわらかい石、薄緑色の石、
それは塀であり、観音様でもあり。
私の大谷石の思い出は石垣です。
私の時代は、ほとんどの家が生垣か板塀
でした。
大谷石の石垣は珍しく、富の象徴でもあり
ました。
時代は変わり、現在の街へ転居しましたが、
この周辺は、昔から大谷石の石垣が連なる
街並であったそうです。
いまでもその一部がいたるところに残って
おります。
場所は・・・(内緒
さて、番組の紹介をいたします。
<美の壺1:みそが醸し出す温もり>
栃木県宇都宮市大谷町が起源です。
大谷石は栃木のシンボルでもあります。
本場では、大谷石の建築物がいたるところ
に散見されます。
やわらかい
やさしい
心が和む
などの特徴を挙げる人々が多い。
そのなかでも、表面の「穴」=みそ
が特徴です。
科学的には、火山灰が降り積もりできた岩
が大谷石であり、火山灰に紛れ込んだ
木の破片などの不純物が「みそ」として
黒いしみを形作ります。
この「みそ」は、長い年月の間に、
風雨にさらされ、洗い流されて「穴」
になる。
この穴がなんとも特徴的な感慨を醸し出す。
無数の隙間が風情すら感じさせる。
大谷石の石段や敷石がそれです。
<美の壺2:和を引き立てる名脇役>
大谷石との相性がいいのが日本建築です。
木や土との相性は抜群。
通常は木でつくられる部分を大谷石に代替
しても全く違和感が感じられない。
番組では宇都宮から移築された柳宗悦の家
が紹介されていました。
東京民芸館に現存するそうです。
そうそう、あそこには前川邸も確かあり
ましたね。(ル・コルビジェの)
木だけでなく、瓦やなまこ壁も大谷石で
代替している。
石ほど冷たく感じない
ちょうど、石と木の中間的な感じです。
<美の壺3:フランク・ロイド・ライトに学ぶ>
ライトといえば、帝国ホテル/甲子園ホテル
ですね。
現在は愛知県に移築されています。
あのライトは、帝国ホテルの内外装に
大谷石を最大限に利用しております。
その特徴は、光だそうです。
光らない石が光って見える。
やわらかい石を削り、「つや」を生む。
そのつやこそが、光です。
光はつやとなり、独特の陰影を生む。
光がやわらかさとつやっぽさを引き出す。
なんとも魅力的な光景です。
追伸
番組では語られなかったですが、
私は大谷石の魅力はさらに苔むした大谷石に
あると思います。
苔むしたというのは間違いで、
苔を感じさせる大谷石の風化を愉しむこと
です。
実は、近くの大谷石の石垣は、年代ものが
多く、唐松や大層な羽振りの木岐がその上を
飾ります。
木岐の緑と大谷石の苔質感に、
安らぎを覚えます。
住宅展示場で暖炉の周囲に大谷石を利用した
建築も拝見しました。
これもまた、いいですね。
魅力いっぱいの大谷石。
あなたはどのような感慨をお持ちですか。
平成23年3月1日 川越芋太郎
大谷石といわれて、あなたは何を思いますか。
やわらかい石、薄緑色の石、
それは塀であり、観音様でもあり。
私の大谷石の思い出は石垣です。
私の時代は、ほとんどの家が生垣か板塀
でした。
大谷石の石垣は珍しく、富の象徴でもあり
ました。
時代は変わり、現在の街へ転居しましたが、
この周辺は、昔から大谷石の石垣が連なる
街並であったそうです。
いまでもその一部がいたるところに残って
おります。
場所は・・・(内緒
さて、番組の紹介をいたします。
<美の壺1:みそが醸し出す温もり>
栃木県宇都宮市大谷町が起源です。
大谷石は栃木のシンボルでもあります。
本場では、大谷石の建築物がいたるところ
に散見されます。
やわらかい
やさしい
心が和む
などの特徴を挙げる人々が多い。
そのなかでも、表面の「穴」=みそ
が特徴です。
科学的には、火山灰が降り積もりできた岩
が大谷石であり、火山灰に紛れ込んだ
木の破片などの不純物が「みそ」として
黒いしみを形作ります。
この「みそ」は、長い年月の間に、
風雨にさらされ、洗い流されて「穴」
になる。
この穴がなんとも特徴的な感慨を醸し出す。
無数の隙間が風情すら感じさせる。
大谷石の石段や敷石がそれです。
<美の壺2:和を引き立てる名脇役>
大谷石との相性がいいのが日本建築です。
木や土との相性は抜群。
通常は木でつくられる部分を大谷石に代替
しても全く違和感が感じられない。
番組では宇都宮から移築された柳宗悦の家
が紹介されていました。
東京民芸館に現存するそうです。
そうそう、あそこには前川邸も確かあり
ましたね。(ル・コルビジェの)
木だけでなく、瓦やなまこ壁も大谷石で
代替している。
石ほど冷たく感じない
ちょうど、石と木の中間的な感じです。
<美の壺3:フランク・ロイド・ライトに学ぶ>
ライトといえば、帝国ホテル/甲子園ホテル
ですね。
現在は愛知県に移築されています。
あのライトは、帝国ホテルの内外装に
大谷石を最大限に利用しております。
その特徴は、光だそうです。
光らない石が光って見える。
やわらかい石を削り、「つや」を生む。
そのつやこそが、光です。
光はつやとなり、独特の陰影を生む。
光がやわらかさとつやっぽさを引き出す。
なんとも魅力的な光景です。
追伸
番組では語られなかったですが、
私は大谷石の魅力はさらに苔むした大谷石に
あると思います。
苔むしたというのは間違いで、
苔を感じさせる大谷石の風化を愉しむこと
です。
実は、近くの大谷石の石垣は、年代ものが
多く、唐松や大層な羽振りの木岐がその上を
飾ります。
木岐の緑と大谷石の苔質感に、
安らぎを覚えます。
住宅展示場で暖炉の周囲に大谷石を利用した
建築も拝見しました。
これもまた、いいですね。
魅力いっぱいの大谷石。
あなたはどのような感慨をお持ちですか。
平成23年3月1日 川越芋太郎
フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル | |
明石 信道,村井 修 | |
建築資料研究社 |