川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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あっちの豚 こっちの豚 は自分のうつし絵のようだ!

2013-03-18 21:00:54 | 本を読む
30分で読み終わる読書
「あっちの豚 こっちの豚」絵本?


さて、おそらくほとんどの方が本書を読破
するのに30分はかかるまい。
だが、内容は30分をかけるに十分なものが
ある。
このような批評家じみた文章はやめておこ
う。
ぜひ、この外見は薄いが、中身が濃い本を
お読みいただきたい。
子供の絵本と言うなかれ、おそらくは、こ
の本は大人の絵本である。

絵本の体裁をとっているのは、印象を極端
に高めるためであろう。


森の中で、大自然に抱かれて奔放というか、
自堕落というか、普通に生きていたブタ。
それが、自然の開発とともに、林が伐採さ
れて、住宅が立ち並び、街が生まれる。
それだけではない。

多くの動物が仕事や家族をもち、生活と言
う名の幸せごっこを始める。
豚に都会生活、いや文明と文化を教え込狐
、目覚める旅に文明化される自分が生まれ
る。

狐のセリフが耳に残る。
「幸せというやつは、人と同じことをやっ
ていないといけませんからな。
こつはこれだけです。この簡単なことを
やるのがまた、なかなか大変ですが、
幸せってそういうものですからな。
はっはっはっ。」


言うまでもなく、豚は二つの立場演じます

幸せを演じる豚、
自分の欲求に忠実な豚、
それはあっちの豚とこっちの豚であるよう
なもの。

あなた自身の中にも、二人の豚が演じてい
ませんか。
いや、演じたいと願っていませんか?

私には、とても刺激的な絵本でした。


平成25年3月17日 絵本を読んで、芋太郎


あっちの豚 こっちの豚
クリエーター情報なし
小学館