川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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エルミタージュ美術館を視聴して(前編)

2012-05-03 21:00:40 | 美の番組紹介
エルミタージュ美術館を視聴して


今回エルミタージュ美術館宝蔵が国立新美術館に
やってくる。
特集番組であろうか。


2つの著名な展示物を番組で面白く解説してくれ
た。
ご覧いただけなかった方へ芋太郎が文字で、ご
説明いたします。


1、レオナルド・ダビンチ2つの絵画
 エルミタージュに宝蔵されている二枚の作品
 リッターの聖母子
 ブノワの聖母子

 前者は失礼ながら一般的な画像である。
 無論、レオナルド作品らしく、精密で科学的
 である。
 計算し尽された絵画。
 一方、後者はどうだろうか。

 よくよく観察してみてください。
 色彩から人物の描写
 この特徴が第三者著作説がある原因である。
 現在は、大英博物館のレオナルドの手記から
 本人作品であることを証明できたという。

 前者のリッターの聖母子は、明るく輝かしく
 崇高な美しさがあり、神秘的である。

 一方、ブノワの聖母子は?
 見方によっては、薄気味悪い微笑みを浮かべ
 人によっては老婆のようだとも言われる。
 背景も薄暗く、洋服も暗く汚らしい印象を
 与える。

 では、なぜ、レオナルドはこのような聖母子
 を描いたのであろうか。
 
 一つの推理として、番組ではレオナルドの生
 い立ちを上げていた。
 母への愛に飢えていた。
 しかし、それだけであろうか。
 私は、レオナルドの科学的精神を挙げたい。
 レオナルドが無神論者であるというつもりは
 ない。
 かれは、人間と神を関連付けようとしたので
 はなかろうか。
 空想ではない、現実の世界の中で。

 愛を神の中に感じたい。
 従来の聖母子には「愛情」が表現されていな
 いと考えたのではなかろうか。
 
 実は、不謹慎であるが、我が家の家人曰く。
 リッターの聖母子のように、子供を抱くこと
 はない。あのような荷物のような抱きかたは
 ないと。
 確かに、子供への愛情という側面では、抱き
 方に、その微塵も感じられない。
 
 一方、ブノアの聖母子は、まさに市井の母子
 そのものではないだろうか。
 そこには、子供を慈しむ母の思いが抱き方に
 出ている。

 キレイではない服、化粧もない老婆のような
 みすぼらしさ母子。
 あの時代の母子はこのよないでたちではなか
 ろうかと思われる。
 だが、そこには崇高な親子がいるのではない
 だろうか。
 
 そう考えてもう一度、この絵画を見ると、
 別の印象を与えてくれる。


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第二段レンブラントは明日掲載。

平成24年5月3日 川越芋太郎


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