川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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エルミタージュ美術館を視聴して(後編)

2012-05-04 10:00:16 | 美の番組紹介
エルミタージュ美術館宝蔵品第二段

昨日に続き、レンブラントの作品を紹介します。


2、レンブラントの「ダナエ」

 裸婦画、横たわるなまめかしい女性。
 レンブラントといえば、「夜警」に代表される
 光と影の魔術師と言われる画家である。
 著名なかれであるが、この裸婦画だけは、
 数奇な運命を授かったようだ。

 年配の方には記憶にあるでしょうか。
 硫酸事件です。
 ある人物による絵画破損事件。
 絵画の7・8割りが傷つけられた珍しい事件で
 ある。

 修復の中で、新事実が発見された。
 番組では、面白い実験をしていました。
 光源の位置を特定し、レンブラントの光と影の
 マジックを再現!
 実は、この絵画は、ギリシャ神話の中のゼウス
 がダナエに今まさに迎え入れられようとしてい
 る瞬間であるという。

 確かに、レンブラントが修正した手招きの右手
 のポースと位置は、なんとも意味深である。
 期待と喜びを表現している。
 光の化身となったゼウスはまさに、手の届く
 場所に来ている。

 さて、芋太郎はこの絵画を見て、さらなる不謹
 慎を言わせていただきたい。
 極端にふくよか腹部と臀部から、この女性こと
 ダナエはすでに、ゼウスの子供(ペルセウス)
 を妊娠しているのではないだろうか。
 それが事実であれば、この絵画が「お蔵入り」
 された理由も合点できる。
 
 光の化身は神の証。
 その光がキリスト以外に存在するとしたら。
 ギリシャの神々もまた、神であるということに
 なりはしないか。
 一神教であるキリスト教では許されることと
 は思えない。
 邪推だろうか?

 そんなことを考えながら、ダナエの絵画を眺め
 ていました。


平成24年5月3日 川越芋太郎





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