アンリー・ルソー
「美の巨人たち」を視聴して
ルソーというと、社会契約論を想定する方もいるでしょうが、本日は美術界からのご紹介です。
実は、20世紀絵画のはしりとして、後世で評価された人物です。
しかし、ルソーの作品はある作品が日の目を見るまで、嘲笑の的でしかなかった。
彼こそが、私たちの人生を考えるにつけ、励みとなる人物です。
うだつが上がらないどころか嘲笑の的でしかなかった人物。それがたった一枚の絵画により、名声を手に入れる。
それでは美の巨人たちの番組から解説を少々お借りしましょう。
「蛇使いの女」アンリー・ルソー作
アンリー・ルソーはボンボンを売り、貧乏と縁の切れない画家であった。彼は、44歳にて、それまでの役所勤めから画家を志望した。
無論、芸術学校も先達の教えも受けていない。
彼は、偏に自らの感性の赴くままに絵を描いた。
その描いた絵画は、嘲笑と酷評の的であった。
「6歳の子供が絵具箱を貰い筆の代わりに指だけを使って描いた。」と嘲笑された。
彼の作品は後世の今でこそ、高い評価を得られているが、当時は彼の作品を買う者も、評価する者も極めて少なかった。
その中で、少ない評価者もいたという。
ポール・ゴーギャン曰く、
「これが真実だ。絵の将来像。これこそが絵というものだ。」
パブロ・ピカソ曰く、
「フランスらしい。心理的特徴を備えた最も現実味のある肖像画の一つである。」
しかし、数少ない評価者と行動を共にすることはなかった。アンリー・ルソーは、あくまでも当時の主流を目指していた。かなわぬ夢であった。
まるで、ドンキホーテのようである。
そのドンキホーテが目指した、目標の画家たちよりも、後世に高い評価を取得するのであるが。
突如現れた一枚の絵画により、かれの評価が一変する。
「蛇使いの女」
実は、以前紹介したように、ルソーは再婚をした。
過去の自分と前の妻を描き、同時に現在の自分と再婚者を描いた絵画は有名である。
その再婚者である妻も短くして他界する。
彼は、夜な夜な妻の肖像画に語りかけている。
アトリエに篭もり、空想の世界に閉じこもる。
一度も言ったことがないジャングルを見事に描き出した空想力。人は、この世の力意外のものを感じる者もいる。
取り憑かれたように描いた一枚とも言える。
幾重にも色を重ね(22種類)熱帯のジャングルの緑はまさに不思議な魅力を見る者に与える。
さらに、笛を吹く女の目線も、全身から立ち込めるオーラも、魅力というよりも、魔力を備えている。
蛇も、動物も、鳥も魅了されて集まる。
深いジャングルの緑と月光の光、鳥の鮮やかな色合いがコントラストを醸し出し、言い知れない音色がこの一枚の絵から聴こえるようだ。
絵はまさに生きている。
伊吹だけでなく、キャンパス一枚からジャングルに住む住人たちの生命の小声が聴こえる。
闇夜に立ち込める不思議な生命の安寧の伊吹。
ルソーが昔描いたシンプルで子供じみた絵画は、一枚の絵に到達した。
それは見るものを魅了して止まない。
美しい音色か、
引きずり込まれるような音色か、
鼓動のような音色か。
あなたはどのような音色を蛇使いの女の笛から聴きますか。
それは、あなた自身の心の音色かもしれません。
平成24年11月16日 川越芋太郎
蛇使いの女
比較対象として、こちらも掲載
「美の巨人たち」ホームページのリンクはこちらから。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/121117/index.html
「美の巨人たち」を視聴して
ルソーというと、社会契約論を想定する方もいるでしょうが、本日は美術界からのご紹介です。
実は、20世紀絵画のはしりとして、後世で評価された人物です。
しかし、ルソーの作品はある作品が日の目を見るまで、嘲笑の的でしかなかった。
彼こそが、私たちの人生を考えるにつけ、励みとなる人物です。
うだつが上がらないどころか嘲笑の的でしかなかった人物。それがたった一枚の絵画により、名声を手に入れる。
それでは美の巨人たちの番組から解説を少々お借りしましょう。
「蛇使いの女」アンリー・ルソー作
アンリー・ルソーはボンボンを売り、貧乏と縁の切れない画家であった。彼は、44歳にて、それまでの役所勤めから画家を志望した。
無論、芸術学校も先達の教えも受けていない。
彼は、偏に自らの感性の赴くままに絵を描いた。
その描いた絵画は、嘲笑と酷評の的であった。
「6歳の子供が絵具箱を貰い筆の代わりに指だけを使って描いた。」と嘲笑された。
彼の作品は後世の今でこそ、高い評価を得られているが、当時は彼の作品を買う者も、評価する者も極めて少なかった。
その中で、少ない評価者もいたという。
ポール・ゴーギャン曰く、
「これが真実だ。絵の将来像。これこそが絵というものだ。」
パブロ・ピカソ曰く、
「フランスらしい。心理的特徴を備えた最も現実味のある肖像画の一つである。」
しかし、数少ない評価者と行動を共にすることはなかった。アンリー・ルソーは、あくまでも当時の主流を目指していた。かなわぬ夢であった。
まるで、ドンキホーテのようである。
そのドンキホーテが目指した、目標の画家たちよりも、後世に高い評価を取得するのであるが。
突如現れた一枚の絵画により、かれの評価が一変する。
「蛇使いの女」
実は、以前紹介したように、ルソーは再婚をした。
過去の自分と前の妻を描き、同時に現在の自分と再婚者を描いた絵画は有名である。
その再婚者である妻も短くして他界する。
彼は、夜な夜な妻の肖像画に語りかけている。
アトリエに篭もり、空想の世界に閉じこもる。
一度も言ったことがないジャングルを見事に描き出した空想力。人は、この世の力意外のものを感じる者もいる。
取り憑かれたように描いた一枚とも言える。
幾重にも色を重ね(22種類)熱帯のジャングルの緑はまさに不思議な魅力を見る者に与える。
さらに、笛を吹く女の目線も、全身から立ち込めるオーラも、魅力というよりも、魔力を備えている。
蛇も、動物も、鳥も魅了されて集まる。
深いジャングルの緑と月光の光、鳥の鮮やかな色合いがコントラストを醸し出し、言い知れない音色がこの一枚の絵から聴こえるようだ。
絵はまさに生きている。
伊吹だけでなく、キャンパス一枚からジャングルに住む住人たちの生命の小声が聴こえる。
闇夜に立ち込める不思議な生命の安寧の伊吹。
ルソーが昔描いたシンプルで子供じみた絵画は、一枚の絵に到達した。
それは見るものを魅了して止まない。
美しい音色か、
引きずり込まれるような音色か、
鼓動のような音色か。
あなたはどのような音色を蛇使いの女の笛から聴きますか。
それは、あなた自身の心の音色かもしれません。
平成24年11月16日 川越芋太郎
蛇使いの女
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