川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の巨人たち:上村松篁

2010-01-26 22:01:06 | 美の番組紹介
「美の巨人たち:上村松篁 親子三代の画家」


本日の一枚は、画業120年、上村家の物語に欠くことのできない
一枚。
松伯美術館の奥に納まる「丹頂」です。


描いた画家は、上村松篁といい、親子三代に亘り、日本画を描いてきた
二代目。
初代の上村松園は、女の美に徹した美人画の大家。
息子である二代目の松篁は、母とは全く違った花鳥画を極めた。
現在の淳之も父親に刺激されて鳥の世界に没頭し、今、白鷹を描いている。


日本画で丹頂を描くという事は特別の意味がある。
京都相国寺「文正の鶴」・・・仏の使いと言われる。
京都大徳寺「牧けいの鶴図」・・・神の使いと言われる。
どちらも、緒方光琳や伊藤若冲が夢中になった傑作である。
上村松篁に言わせれば、天地の霊気を含んでいる。


上村松篁が人生の目標とした絵がこの二枚である。
からは、早熟の天才として、重大で画壇にデビューし認められていた。
20歳で描いた「仏禽涙光」は入賞作品にもかかわらず、その後
絵を披露したがらなかった。
晩年の彼が、本日の一枚を描いたとき、「長年の宿題を果たした。」と
語ったそうである。


二枚の絵を比較すると、鶴の表情一つをとっても違う。
初期の作品は写生に徹したものであり、激しい・厳しい表情をしており、
どこまでも自然の鶴の精密描写でしかない。
ところが、晩年の一枚には、何とも知れない優しさと強さが同居している。」


雄雌一対の丹頂。
静寂の世界にささの葉の雪とあいまって、凛とした空気がみなぎる。
雌の鶴は一本足で立ち、羽根を休める。
その羽根は、雪より白く、命の暖かさを感じる。
雄は、毅然と雌を見守り。
黒と白の羽根のコントラスト。
凛とした姿に、愛と強さを感じる。
1980年の上村松篁の到達した世界がある。


晩年こそ、宮内庁御用達作家として、名声をほしいままにしたが、
その彼でさえも、大きな挫折を味わっている。
彼がひたすら封印した20歳の入賞作品。


母は何も教えず、語らず。
母さえも、二階のお母さんと言うほど、交流がなく、
孤独感を抱え、花鳥の世界に埋没した。
その花鳥画での挫折。
工夫と観察の連続の時間。
やっと20歳の宿題を果たしのが、80歳近くであった。
到達した高みは神々しさと品性を備えていた。


いまは、息子の淳之氏に「白鷹」の宿題を残した。
三代目はもくもくと描きつづけている。
多くの花鳥に囲まれた独自の世界の中で。


リンク先
http://www.gm2000.co.jp/shoukou/tanchou(B).html
短期間:http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/


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