今回も単独行動です。
夜空を煌々と照らす月は、太陽の反射光には見えず、自らが輝きを生んで光を発散させているようである。十五夜からひと月遅れた十三夜、旧暦で数えられる。十五夜よりも十三夜の方を好む方も多い。丁度ススキ(オバナ)が開く時期とも重なっている。多摩川の散歩時に、ススキとセイタカアワダチソウを摘んで帰る、近所の方と思しき数人連れに遭った。きっとお月さまに見てもらうのであろう。
秋の深まりはこれからといえる。我が家も冬に向かっての準備が始まった。春になってから冬に使った暖房器具を掃除し、養生テープを使って包み、三階の屋根裏部屋へ収納したものを下ろし、各部屋に配置した。養生テープは粘着力が幾分低いため、簡単にはがすことができる。ホームセンターの塗装用具のコーナーで売られているポリエチレンフィルムがテープの半分についているタイプのものである。
物の収納の原則でもあり、使うときにきれいになっているものの方が、使い勝手が良い。汚れたものをそのままにしておくと、表面に付着した汚れが酸化し、変質する場合が多い。変質した物質の粒子が細かければ、塗装面に侵入し、変色を引き起こす。たばこのタール分が喫煙によって、空気中に浮遊し、器具等の表面に付着しやすいし、空気中の水分によって拡散しやすい。
最近は塗膜の性能が良くなったせいもあって、変色した自家用車を見なくなったが、自転車はメッキ面が点食という錆を発生している場合がある。メッキ層が薄ければ、なおさらである。水滴などが表面からメッキ層に侵入し、素材を酸化(腐食)させるのである。
点食は腐食(さび)の初期段階で、金属においては、錆が発生すると、素材との成分組成の違いから両者の間で、電位が発生し、一種の電池ができると考えられていて、次第に錆が拡大する。
製品の素材保護のために用いられるコーティング剤(メッキやホーローも含む)よりは水分子の大きさが小さいため、素材に吸収されてしまう。そのため、表面には油脂分を付着させて、水分を吸着しないようにワックスを用いるのである。
普通に考えたら素材やコーティング剤の方が表面の粒子が水より小さいように思うのであるが、実際は水分子の方が小さい。風雨にさらされ、太陽の紫外線も影響し、物質の表面温度の変化も想像以上にある。屋外は思った以上に変化が激しいし、温度変化は屋根裏部屋でも相当あると思ってよい。ポリエチレンフィルムは水分の変化を防いでくれると考えた方が良いと思う。