平成28年10月26日
秋晴れに恵まれた一日であった。武蔵小杉の生涯学習プラザへ行って来た。今日の講義は地球物理学で、地球の誕生・月の生まれ方という内容であった。数十億年前の事柄を考える話で、身近な話題ではない。東京大学の地球惑星物理学講師 飯塚毅氏による講義であった。
地球が生まれた年代は44億年前、太陽系の誕生後のことで、太陽系の誕生は45.67億年前といわれていた。火山の噴火によって、または地殻プレートの隆起によって、地球を構成している地底の岩石が地上に噴き出たジルコンを年代測定するそうである。地球の誕生と同時期に月も誕生したようで、どのようにして生まれたかについては4つの仮説があり、その中で火星程度の巨大惑星と地球とが衝突してできたという説が有力のようである。
正面からの衝突ではなく、ちょっと当たったようでその際に完全に爆発することなく分離したそうで、アポロ月探索が成功した際に月から持って帰った岩石の成分を分析した結果、地球と同じ成分が含まれていたことで衝突説の仮説が引き出された。
さらに興味深い話題の提供があった。地球はほかの天体と異なりなぜ水があるのかということである。これも仮説が3つほどあり、水素がある環境でマグマが反応すると水が生まれるという説が有力とのことで、太陽と地球との距離が影響しているようである。つまり、寒すぎず、暑すぎずで、生物の誕生にも関係し、その原因は液体の水が物質を運搬するのに適しているからとのことであった。
レイトベアという考え方があり、地球が誕生した後に、生じたようで、遅れて誕生した物質の一つである。火星や金星の探査が行われているし、月の裏側がよくわからないため、そこに地震計を設置しようとする試みがあるそうで、世界的な広がりでの研究活動が盛んになったようである。
総じて、雲をつかむような話であったが、人類誕生のなぞに迫る研究の一つで、頭の整理がつかず、今後、時間をかけて考えてみる価値があると思われる世界であった。