平成28年10月19日
昨日の投稿に引き続いてゲノム編集についても、触れておきたい。デザイナーベービーという名がついている。親が望んだ能力や陽子を持った子供の誕生である。これは遺伝子を操作する技術である。TV放映もあったようであるが、自分は見ていない。人への適応は既に改変が行われたということで、人の受精卵で血液の病気に関する遺伝子の改変を行ったというものである。実験段階であり、人工授精で生まれた受精卵で、精子2個分の染色体が含まれた異常があり、成長する可能性がない受精卵であった。
ほかにもいくつかの報道がある。2015年12月には、米英中の3か国の科学者団体が、国際会議で、妊娠させないことを条件に人の受精卵を使った基礎研究を容認するという声明を発表した。
中国の研究チームが2015年4月にゲノム編集で人の受精卵の遺伝子操作を試みたとの発表がある。これに対して国際的な批判が高まり、ルール作りの必要性が指摘された。現在では我が国も国際会議に加盟しているが、倫理上の問題もあり、結論には至っていない。
遺伝子を組み替える技術は、DNAの配列構造が分かってきたことに影響していて、切り貼りを行う個所もはっきりと分かってきている。人以外には遺伝子組み換え技術はすでに植物で行われている。植物を品種改良するというもので、人工的な交配技術で行われている。遺伝子組み換えであり、甘いトマト、乾燥に強いトウモロコシ、ジャガイモ、イネなどである。
ゲノム編集は、従来のカンや、偶然を乗り越えた画期的な技術であり、我々が想像する以上に正確に操作が可能となっている。その意味では従来行ってきた遺伝子組み換えに変わる遺伝子操作がゲノム編集である。
人が思うがままに生物を作り変えることができる最新技術で、筋肉量を2倍にした牛、明らかに牛肉が2倍量取れれば生産効率は高まる。ミオスタチンは筋肉の成長を抑える働きをするが、ミオスタチンの働きを止めることによって2倍牛等の生物が生産可能となる。
今後のゲノム編集は、難病の治療、実験動物の作成、農産品の改良等に役立つことが考えられている。