1,
新幹線の新大阪と東京間は、通常価格だと、往復で2万6、7000円する。
ところが、時には考えられないような格安チケットが販売されている。
僕が支払ったのは二人で1泊のホテル代と二人の往復の新幹線のチケット代で、これが正規の運賃ホテル代の半額に近かった。
このことを知って、一口のってみようと思い、11月23日から25日にかけて、連休の初日の分を8月末に、申しこんだ。大丈夫かな。そんな気持ちを引きずってはいたが、新聞広告でこの目で見た話である。どこかのうわさ話ではない。それでも一抹の不安は残った。
3カ月も前に予約してOKが出たので安心していたら、10月も半ば過ぎを過ぎて、ホテルと帰りの切符は取れたが、出発の列車は予約が満杯で、変更して欲しいと連絡があった。
僕の予定では、23日にはどうしても、東京には決められた時間につく必要があったので慌てた。
朝6時8分に乗って、東京には9時台につく必要があったのだ。
怒った僕は、8月に予約をOKしたものが、なぜ取れないのかと声をあらげて怒った。
電話の相手は、「なんともなりませんから、出発時刻を変更してもらわないと」、と頑張る。埒があかないので、上の人に代わってくれと言ったら、上の人が出た。その人に
「いったんOKしておきながらの変更は絶対に、困る」と粘った。
「別料金を払って、予約した列車に乗って欲しい。予約の席が取りにくいので」という。
「何のために3カ月も前に申し込んだのか、どうして責任をとるんだ。」とかなりどなって一歩も譲らず、粘った。
最後の返事は、「もう一度頑張ってみます。」だけだった。
これには参った。無責任にも程がある。どうせ事務員の手抜かりが原因だろう。
すでに、訪問先には、時間まで連絡してあるし先方もその予定で動いている。今更天変地異でも起こらない限り、延着はできない。
それから3日ほどして、こちらから問い合わせたら、鋭意努力中とのこと。今度はこちらが、懇願調になった。
それから2日たって電話したら、手配は鋭意進めている。、確定はできないが、ほどなくで、手に入れられると思う。たぶん今夜にはよい返事ができると思う。とのこと
それから、「大丈夫、取れたので」、という返事がきた。
安堵のため息が出ると、同時にその労をねぎらった。
考えてみると先方の手違いで、声をからしたり、懇願したりすることはおかしい。責任は
申し込みを受け付けながら、手抜かりのあった会社側にすべてある。
しかし理屈はどうでもよかった。所期の目的を果たせば、事は予定通りに進むものだから。責任追及より、どうして目的を果たすのか。の方が大切だ。
2
帰りの乗車について、また戸惑った。たしかに切符には、東京、新大阪と記入されている。
その日は鎌倉観光したので、東京から乗らないで新横浜から乗ることにした。格安切符なので、表記以外のところ、すなわち新横浜から乗るについては不安があったので、何回も駅員に、訊いた。
東京駅に到着したときも切符を見せて、「これで新横浜から乗って良いか。指定の列車は新横浜に泊まるのか。」と聞いたら、停車するという。
「そこから乗車できるのかと聞くと」「できる」という。
そこで、その気になって、帰りの列車は新横浜から乗ることに、決めた。
そして鎌倉観光をした。
新横浜についたのは、発車予定の約2時間前だった。
これは、万が一新横浜で乗れない場合でも、東京に戻り、乗れるように、余裕を見ての行動だった。
そして新横浜の改札で、もう一度「このチケットで、この列車に乗れるかどうか」たずねた。OKだという。そこで改札機に投入したら、ちゃんと通ることができた。
やれやれ、待つのは長いけど。その間、鎌倉観光の日記でもつけると時間は矢のように過ぎ去って列車の到着時刻はすぐに来た。
電光表示板を見ると、表記の時刻の列車が表示されていない、切符には
19時36分発と書いてあるのに、その時刻の列車の表示がない。これは止まらないのでは、とひやっとした。
僕はさっそく、駅員にたずねようと思ってホームの端まで探した。やっと見つけた駅員に、切符を見せてこの列車はここに停車するかと確かめた。
「お客さん、この切符では、ここからは乗れません。始発の東京駅から乗ってもらわないと」という。僕は一瞬どきっとした。
「いや、東京駅でも聞いた。新横浜の改札口でもよく確かめて確認をとったから、このホームで、この列車を待っているんだ。」
僕は抗議調でいった。
「先ほど説明したでしょう。このキップにはちゃんと乗車は東京と書いてあるじゃないですか。この切符を買った段階で、お宅は我が社に東京から乗車することを承諾したはず。ここからの乗車はダメですよ。」という。
そういうこともあろうかと前もって東京駅で、さらに新横浜駅で、再度確認をとったのだ。
ことをここに至って乗れないとは理不尽な。
今度はこちらが爆発した。こういう手違いがあったら困るので、尋ねて、OKの返事のもとに行動しているのだ。僕としては予定とおぼしき列車に飛び乗るほかは無かった。
「お宅ら、なんというちぐはぐなことを言うんだ。二人がOKと言い一人がノート言う。いったい乗客はどちらのいうことを信じたよいのだ。俺はこの列車が着たら飛び乗るから、重ねて聞くが、この切符の番号の列車はこに停車するんだね。」
「停車はします。けど先ほど説明したとおりです。」と言いながら、駅員は歩きは出した。
僕は、「止まるのだったら、乗れればいいだけだから、お宅がなんと言おうが乗るから、」と独り言のように言って、相方が待っているところに戻ったら、彼女はニヤニヤしてこちらを見て笑っている。
僕は彼女に腹が立った。ひょいと表示板を見ると、列車番号が出ている。おかしい。19時36分、発と書いて、あるのに、19時53分と不当表示されているのは。
すぐには、合点が行かなかったが、冷静を取り戻すと思わず、笑いがこみ上げて吹き出した。
東京発の時刻と新横浜発と、勘違いしたのだ。東京発に15分くらい足した時刻でないと新横浜の発車時刻にはならない。なーんだ。そうだったのか。
僕サイドの完全なる錯覚である。彼女は僕が駅員に確かめようと、出かけてすぐ後にこのことに気がついたので、ニヤニヤしたわけだ。
ああ、一泡吹いた。僕は安心した。よくぞ、怒りぷんぷんの表情をして語気を強めてものを言わなかったことだ。
彼女のニヤニヤ顔を見た時、一瞬腹が立ったが、よく自分の間違いに気付いたことよ。恥ずかしい。
2回もトチッタ今回の旅だった。心の底ではこんなに安く旅ができるはずがないと、いつも一抹の不安を持っていたが、今回のどっきり事件は格安切符のせいではなかった。
一つは先方の手違いで、もう一つは、こちらの錯覚で起こったトラブルだった。
たまに格安切符を利用すると、格安だから少々のことは我慢をしなくては、と自分に言い聞かせている。
しかしながら、その二つ共が「乗車できない」となると、ムキにならざるを得ない。済んでしまったことは、お笑い草であるが、当面した瞬間は蒼くなったり赤くなったり。
自宅に帰ったとき、女房にも旅のみやげ話としてこの話は話せない。と言うのは今回の旅は彼女とのお忍びだったから。
新幹線の新大阪と東京間は、通常価格だと、往復で2万6、7000円する。
ところが、時には考えられないような格安チケットが販売されている。
僕が支払ったのは二人で1泊のホテル代と二人の往復の新幹線のチケット代で、これが正規の運賃ホテル代の半額に近かった。
このことを知って、一口のってみようと思い、11月23日から25日にかけて、連休の初日の分を8月末に、申しこんだ。大丈夫かな。そんな気持ちを引きずってはいたが、新聞広告でこの目で見た話である。どこかのうわさ話ではない。それでも一抹の不安は残った。
3カ月も前に予約してOKが出たので安心していたら、10月も半ば過ぎを過ぎて、ホテルと帰りの切符は取れたが、出発の列車は予約が満杯で、変更して欲しいと連絡があった。
僕の予定では、23日にはどうしても、東京には決められた時間につく必要があったので慌てた。
朝6時8分に乗って、東京には9時台につく必要があったのだ。
怒った僕は、8月に予約をOKしたものが、なぜ取れないのかと声をあらげて怒った。
電話の相手は、「なんともなりませんから、出発時刻を変更してもらわないと」、と頑張る。埒があかないので、上の人に代わってくれと言ったら、上の人が出た。その人に
「いったんOKしておきながらの変更は絶対に、困る」と粘った。
「別料金を払って、予約した列車に乗って欲しい。予約の席が取りにくいので」という。
「何のために3カ月も前に申し込んだのか、どうして責任をとるんだ。」とかなりどなって一歩も譲らず、粘った。
最後の返事は、「もう一度頑張ってみます。」だけだった。
これには参った。無責任にも程がある。どうせ事務員の手抜かりが原因だろう。
すでに、訪問先には、時間まで連絡してあるし先方もその予定で動いている。今更天変地異でも起こらない限り、延着はできない。
それから3日ほどして、こちらから問い合わせたら、鋭意努力中とのこと。今度はこちらが、懇願調になった。
それから2日たって電話したら、手配は鋭意進めている。、確定はできないが、ほどなくで、手に入れられると思う。たぶん今夜にはよい返事ができると思う。とのこと
それから、「大丈夫、取れたので」、という返事がきた。
安堵のため息が出ると、同時にその労をねぎらった。
考えてみると先方の手違いで、声をからしたり、懇願したりすることはおかしい。責任は
申し込みを受け付けながら、手抜かりのあった会社側にすべてある。
しかし理屈はどうでもよかった。所期の目的を果たせば、事は予定通りに進むものだから。責任追及より、どうして目的を果たすのか。の方が大切だ。
2
帰りの乗車について、また戸惑った。たしかに切符には、東京、新大阪と記入されている。
その日は鎌倉観光したので、東京から乗らないで新横浜から乗ることにした。格安切符なので、表記以外のところ、すなわち新横浜から乗るについては不安があったので、何回も駅員に、訊いた。
東京駅に到着したときも切符を見せて、「これで新横浜から乗って良いか。指定の列車は新横浜に泊まるのか。」と聞いたら、停車するという。
「そこから乗車できるのかと聞くと」「できる」という。
そこで、その気になって、帰りの列車は新横浜から乗ることに、決めた。
そして鎌倉観光をした。
新横浜についたのは、発車予定の約2時間前だった。
これは、万が一新横浜で乗れない場合でも、東京に戻り、乗れるように、余裕を見ての行動だった。
そして新横浜の改札で、もう一度「このチケットで、この列車に乗れるかどうか」たずねた。OKだという。そこで改札機に投入したら、ちゃんと通ることができた。
やれやれ、待つのは長いけど。その間、鎌倉観光の日記でもつけると時間は矢のように過ぎ去って列車の到着時刻はすぐに来た。
電光表示板を見ると、表記の時刻の列車が表示されていない、切符には
19時36分発と書いてあるのに、その時刻の列車の表示がない。これは止まらないのでは、とひやっとした。
僕はさっそく、駅員にたずねようと思ってホームの端まで探した。やっと見つけた駅員に、切符を見せてこの列車はここに停車するかと確かめた。
「お客さん、この切符では、ここからは乗れません。始発の東京駅から乗ってもらわないと」という。僕は一瞬どきっとした。
「いや、東京駅でも聞いた。新横浜の改札口でもよく確かめて確認をとったから、このホームで、この列車を待っているんだ。」
僕は抗議調でいった。
「先ほど説明したでしょう。このキップにはちゃんと乗車は東京と書いてあるじゃないですか。この切符を買った段階で、お宅は我が社に東京から乗車することを承諾したはず。ここからの乗車はダメですよ。」という。
そういうこともあろうかと前もって東京駅で、さらに新横浜駅で、再度確認をとったのだ。
ことをここに至って乗れないとは理不尽な。
今度はこちらが爆発した。こういう手違いがあったら困るので、尋ねて、OKの返事のもとに行動しているのだ。僕としては予定とおぼしき列車に飛び乗るほかは無かった。
「お宅ら、なんというちぐはぐなことを言うんだ。二人がOKと言い一人がノート言う。いったい乗客はどちらのいうことを信じたよいのだ。俺はこの列車が着たら飛び乗るから、重ねて聞くが、この切符の番号の列車はこに停車するんだね。」
「停車はします。けど先ほど説明したとおりです。」と言いながら、駅員は歩きは出した。
僕は、「止まるのだったら、乗れればいいだけだから、お宅がなんと言おうが乗るから、」と独り言のように言って、相方が待っているところに戻ったら、彼女はニヤニヤしてこちらを見て笑っている。
僕は彼女に腹が立った。ひょいと表示板を見ると、列車番号が出ている。おかしい。19時36分、発と書いて、あるのに、19時53分と不当表示されているのは。
すぐには、合点が行かなかったが、冷静を取り戻すと思わず、笑いがこみ上げて吹き出した。
東京発の時刻と新横浜発と、勘違いしたのだ。東京発に15分くらい足した時刻でないと新横浜の発車時刻にはならない。なーんだ。そうだったのか。
僕サイドの完全なる錯覚である。彼女は僕が駅員に確かめようと、出かけてすぐ後にこのことに気がついたので、ニヤニヤしたわけだ。
ああ、一泡吹いた。僕は安心した。よくぞ、怒りぷんぷんの表情をして語気を強めてものを言わなかったことだ。
彼女のニヤニヤ顔を見た時、一瞬腹が立ったが、よく自分の間違いに気付いたことよ。恥ずかしい。
2回もトチッタ今回の旅だった。心の底ではこんなに安く旅ができるはずがないと、いつも一抹の不安を持っていたが、今回のどっきり事件は格安切符のせいではなかった。
一つは先方の手違いで、もう一つは、こちらの錯覚で起こったトラブルだった。
たまに格安切符を利用すると、格安だから少々のことは我慢をしなくては、と自分に言い聞かせている。
しかしながら、その二つ共が「乗車できない」となると、ムキにならざるを得ない。済んでしまったことは、お笑い草であるが、当面した瞬間は蒼くなったり赤くなったり。
自宅に帰ったとき、女房にも旅のみやげ話としてこの話は話せない。と言うのは今回の旅は彼女とのお忍びだったから。